Date: 6月 10th, 2013
Cate: 黄金の組合せ
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黄金の組合せ(その11)

AGI・511の概略図には、アンプを表す三角マークがふたつある。
左側(つまり入力側)にある三角マークがOPアンプであり、
この三角マークのところには、こう記してある。
“CONVENTIONAL LOW DISTORTION, LOW NOISE, BUT SLOW OP-AMP”

たしかに511の初期モデルに使われていたフェアチャイルド製のμA749は、そういう性格のOPアンプである。

右側(出力側)の三角マークが、511ならではの特徴である。
この三角マークのところには、こう記してある。
“ULTRA HIGH-SPEED SUMMING OUTPUT AMPLIFIER”

このサミングアンプが外付けのトランジスターで構成されているアンプであり、
このアンプには”CONVENTIONAL LOW DISTORTION, LOW NOISE, BUT SLOW OP-AMP”の出力と、
入力の所で分岐された信号(それもハイパスフィルターを通った信号)が入力される。
このふたつの信号が合成され”ULTRA HIGH-SPEED SUMMING OUTPUT AMPLIFIER”から出力される。
この出力信号の一部が、OPアンプへのフィードバックへとなっているし、
RIAAカーヴのイコライジングも行っている。

つまり入力から分岐された高域信号はフィードフォワードであり、
サミングアンプがOPアンプの出力と合成することによりスルーレイトを飛躍的に向上させている。

511がフィードフォワードを採用していたことは知っていたけれど、
全体域にかけているものだとばかり思い込んでいたから、回路図だけをみても理解できなかったわけだ。

電圧増幅にOPアンプを使い、トランジスターによる回路と組み合わせ、
さらにフィードバックだけでなくフィードフォワードをかけている点で、
AGI・511とQUAD・405は共通している、といえる。

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