McIntosh MC275(その2)
カッティングヘッド駆動用のパワーアンプというのは、私にとっては、
けっこう特別な存在でもあった(とあくまでも過去形なのだが)。
たとえば出力管のEL156に、かなり憧れていた時期があったのも、
ノイマンのカッティング用アンプとしてEL156のアンプが使われていた、という記事を読んだからだ。
その頃の私は、300Bに代表されるST管の形状があまり好きではなかった。
EL34やシーメンスのEdのカタチが好きだったから、
ややずんぐりしているもののEL156は、こちら側の真空管として、
私の目には映っていた。
中学生のころは、どんな真空管なのか、よく知らなかったけど、
ウェストレックスのカッティング用アンプに使われていた7027Aへの興味も、かなり強く持っていた。
カッティング用アンプと同じ真空管を使ったから、
同じ音になるわけでもないし、
いい音のアンプになるわけでないことは、
中学生にだってわかること。
それでもそれらの真空管への憧れは消えたりしなかったし、
完成品のアンプとして採用されていたMC275は、やっぱり特別な存在でもあった。