オーディオと「ネットワーク」(facebookにて・その8)
「元原を見たい、元原で確認したい」──、
そう思うのは私だけでなく、今回「オーディオ彷徨」に携われた人も、まったくそうだったと思う。
もちろん、これは私の憶測にすぎないといえばそうなのだが、でも確実にそうだといいきれる。
だからこそ、facebookページ「岩崎千明/ジャズ・オーディオ」に「いいね!」をしてくれていた、
ステレオサウンドの関係者(Nさん、としておく)が、
非公開のfacebookグループ「audio sharing」に参加されたのだ、と思っている。
参加しなければ、岩崎先生の原稿を見ることができない。
見なければ確認できない。
逆の立場だとしても、私も同じ行動をとる。
それでも、audio sharinbへの参加希望の知らせが来て、
誰なのかを目にした時は、やはり驚いていたけれど。
でも、驚きは、すぐに納得に変る。
岩崎先生が亡くなられてすでに36年が経つ。
岩崎先生の手書きの原稿で確認しようと、どんなに思っても願っても、
ほとんどかなわないことである。まずかなわない、といいかえてもいい。
そこに一本ではあっても、手書きの原稿を見える機会があれば、
ためらうことなく、そこが非公開で、ステレオサウンドに対して、
少なからぬ人が批判的だと思うことを書いている人間がやっているところへでも行く。
それは、完璧な一冊の本をつくるのは困難だとわかっているけれど、
それでも少しでもそこに近づけたいと常日頃から思っている編集者にとっては、
ためらう理由にはならない。
同じステレオサウンド関係者であっても、
立場の違いはあっても、私が管理していることがわかってすぐに「いいね!」を取り消した人と、
取り消すことなく、さらに非公開の「場」に参加してくる人、
このふたりの違いは、どこに起因しているのだろうか。