Date: 6月 21st, 2013
Cate: 型番
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型番について(その10)

オルトフォンのSPUの構造変化におもなう支点の移動についての語られたステレオサウンド 48号は、
1978年9月に出ている。この48号の少し後にHIGH-TECHNIC SERIES 2が出た。

このHIGH-TECHNIC SERIES 2は長島先生によるMC型カートリッジの本であり、
各社の代表カートリッジを分解して内部構造図が掲載されている。
この内部構造図だけでも、このHIGH-TECHNIC SERIES 2の価値は大きい。

この内部構造図を描かれたのは神部(かんべ)さんである。
このとき、ひとつひとつカートリッジを分解して寸法を測り描いていった、と神部さんから直接聞いている。
たいへんな作業だった、ともいわれていた。

このHIGH-TECHNIC SERIES 2にオルトフォンのカートリッジは、
SPU-A/EとMC20が載っている。

SPUとMC20は基本構造は同じといっても、
細部を比較していくと違いがいくつもある。
それについては省略するが、HIGH-TECHNIC SERIES 2に載った構造図で注目したいのは、
MC20の後方のストリングホルダーの形状は、SPU後期のそれと同じということである。

SPU-A/Eはどうかというと、
HIGH-TECHNIC SERIES 2の111ページに載っている構造図は中期のSPUの構造そのものである。
だからといって、1978年ごろのSPUが中期の構造とはいえない。
おそらく、これはたまたま分解したSPUが中期のモノだった可能性のほうが高い。

ではいったいいつごろのSPUが初期であり、中期であり、後期であるのか。
ステレオサウンド 48号の記事からは正確なところまではわからない。

けれどおそらく中期のSPUとはオーディオニックスが輸入していたころのモノだと思われる。
初期のSPUとはそれ以前のモノであり、
後期とはハーマンインターナショナルに取扱いが移行してからのモノと推測できる。
(おおざっぱなことは承知している。)

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