型番について(その11)
もう少し正確に書いていこう。
オルトフォンがハーマングループの傘下にはいったのがいつなのかはっきりとしないが、
オルトフォンの輸入元がオーディオニックスから
ハーマンインターナショナルインダストリーズアジアインクに変ったのは1977年の中ごろである。
ということは少なくともこのときにはすでにハーマン傘下だったわけだし、
それ以前にハーマン傘下になっていたと見ることもできる。
とにかく1977年前後であろう。
ステレオサウンド 48号で、菅野先生は、
「最近、アメリカのコングロマリットの傘下に入ったオルトフォンは,経営が合理化されたようですが」
と語られている。
それでもSPUを作り続けているわけだから、たいしたものだと思いながらも、
この合理化はMC20のストリングホルダーとSPU後期のそれとが同じ形状ということと関係しいてるように思える。
ストリングホルダーが共通化されている可能性は高いだろう。
だとすればSPUの後期というのは、MC20登場以降、
つまり1976年以降あたりから、と推測できる。
もしそうであればオーディオニックスが輸入していた最後のほうのSPUも後期といえるであろう。
ほぼ間違いないはずだ。
なぜ、そういえるのか。
それはステレオサウンド 48号にSPUのサスペンション機構の変遷の図が掲載されているからである。
48号(1978年9月)の時点ですでにハーマンインターナショナル扱いになっている。
だからこそ、こういうことが記事になり、図が掲載された──、
と編集に携わったあとだから、そういえるのである。