妄想組合せの楽しみ(自作スピーカー篇・その4)
いま入手できるスピーカーユニットは、なにも新品、現行製品に限るというわけではない。
少々の根気があれば、良好なモノが見つけられる可能性のある製造中止のユニットも含めて、のことだ。
だから、LS5/1をいまつくるとしたら、大きくふたつある。
ひとつは、あくまでも現行のスピーカーユニットのみで構成するということ。
もうひとつは、現行・製造中止に関係なく、入手できそうなユニットであれば採用するということ。
最初の現行のスピーカーユニットだけで、というのが、実はけっこう難しい。
LS5/1の良さを、なんとか再構築してみたいと思い、
各国のスピーカーユニットの製造メーカーのウェブサイトをみてまわっているけど、
なかなかセレッションのHF1300のかわりになるようなユニットは、ない。
LS5/1のウーファーとトゥイーターのクロスオーバー周波数は1.75kHz。
トゥイーターはドーム型だから、現在のスピーカーシステムの一般的な値からすると、意外に低い。
おそらくHF1300の数字は、1.3kHzから使えるということだと思う。
それでいて十分な高域まで延びていること。
いま入手できる現行製品のドーム型トゥイーターだと、比較的口径の大きなもので25mm、
たいていのユニットはさらに小さい。
といってもうすこし大きい口径のものとなると、いきなりスコーカー用となってしまい、
逆に大きくなってしまう。
HF1300は38mm口径のダイアフラムを採用している。
だから、このトゥイーターを採用した他のスピーカーシステム、
たとえばスペンドールのBCII、BCIII、B&WのDM4などは、
HF1300の上にスーパートゥイーターを追加している。
決して20kHzまで高域がきれいに延びているトゥイーターではない、が、
私の好きなイギリスのスピーカーには、たいてい、このHF1300がついている。