境界線(その8)
つまりスピーカーシステムの入力端子まではパワーアンプの領域となり、
パワーアンプとスピーカーシステムの境界線は、ここにあるといえるわけだ。
コントロールアンプに関しても同じで、パワーアンプの入力端子まで、
つまりコントロールアンプ・パワーアンプ間の接続ケーブルを含めてコントロールアンプの領域であり、
コントロールアンプとパワーアンプの境界線についても同じだ。
CDプレーヤーに関しても、アナログプレーヤーに関しても同じだ。
今度はスピーカーとは反対側、つまり音の入口側から見た場合は、
そこに接がるものが負荷となるわけだから、
例えばカートリッジに関しては、その出力端子に接続されているものすべて負荷となる。
つまりシェルリード線、トーンアームのパイプ内の配線、トーンアームの出力ケーブル、
そしてMC型カートリッジならばヘッドアンプか昇圧トランスとなる。
ケーブルも負荷となるからこそ、MC型カートリッジには低抵抗のケーブル、
MM型カートリッジには低容量ケーブルが用意されてきたわけだ。
スピーカー側から見た場合とは反対に、ケーブルは、次に接がる機器(負荷)側の領域となる。
CDプレーヤーにとっての負荷は、コントロールアンプへの接続ケーブルを含めて、ということ。
コントロールアンプにとっては、ケーブルを含めてパワーアンプが負荷となり、
パワーアンプにとっては、スピーカーケーブルを含めてスピーカーシステムが負荷となる。
ようするに境界線はそれぞれのオーディオ機器の出力端子のところにある、ということになる。
音の出口となるスピーカー側から見た考えかたと、音の入口から見た考えかたでは、境界線の位置が変ってくる。
では、どちらが正しいのか、実は私のなかではまだ結論は出ていない。
ただ言えるのは、音の入口から見た場合には、ケーブルはその負荷となる機器の領域に属することになり、
音の出口から見た場合には、信号源となるオーディオ機器の領域に属する、ということである。
つまりケーブルの両端に、境界線が存在するわけではない。
そして、この境界線は、コントロールアンプを考えていくうえで、さらに重要になってくる。