4343とB310(もうひとつの4ウェイ構想・その9)
瀬川先生の4ウェイ構想は、
各帯域を受け持つスピーカーユニットをできるだけピストニックモーションの範囲内で使いたいがため、
たいてい、こう受けとめられている。
それは誤解とまではいえないけれど、
瀬川先生の4ウェイ構想は、ピストニックモーションと同じくらい、指向特性を重要視しての結果であることが、
意外に見落されている。
私は、むしろ指向特性の方をより重視されていると受けとっている。
私が読んだ瀬川先生の4ウェイ構想は、
ステレオサウンド別冊のHIGH-TECHNIC SERIES-1に掲載されてたもので、
そこでは指向特性については、それほど触れられていない。
私も、最初読んだときは、ピストニックモーションの追求しての構想だと受けとっていたし、
その後、数年間はそう思い続けてきた。
けれど、瀬川先生の書かれたものを広く読んでいくと、
そのなかでも瀬川先生のリスニングルームの環境について書かれたものを読んでいくうちに、
スピーカーの指向特性をひじょうに重要視されていることがわかってきた。