境界線(その7)
まずスピーカーから考えてみる。
スピーカーにとっての駆動源(信号源)はパワーアンプであり、
パワーアンプとスピーカーシステムのあいだにはスピーカーケーブルがある。
この場合、スピーカーケーブルは、パワーアンプ(信号源)に属するのか、
それともスピーカー側に属するもの、どちらなのだろうか。
ケーブルをアクセサリーとはみなさずに、アンプやスピーカーと同等のコンポーネントとみなしている人にとっては、
スピーカーケーブルは、どちら側に属するというものではなく、
パワーアンプとスピーカーシステムのあいだに存在するコンポーネント、ということになろう。
だがスピーカーシステムを細かくみていこう。
スピーカーシステムを構成する部品の中で、最終的に電気信号を音に変換するのはスピーカーユニットである。
このスピーカーユニットと信号源(パワーアンプ)との間には、
スピーカーケーブル、スピーカーシステム内のケーブル、ネットワーク、
そしてネットワークからユニットまでのケーブルが存在する。
スピーカーユニットからみれば、信号源はパワーアンプだけでなく、ネットワークも含まれることになる。
つまりパワーアンプ、スピーカーケーブル、スピーカーシステム内のケーブル、ネットワークまで含めてのものが、
スピーカーユニットからみた信号・駆動源である。
この考えかたに立てば、スピーカーシステムにとっての信号・駆動源は、
スピーカーケーブルを含めてのパワーアンプとなる。