音を表現するということ(続々・聴く、ということ)
いい音で、すこしでもいい音で、音楽を聴きたい、とオーディオをずっと続けてきてこられている人ならば、
そう思われているはず。
いい音で聴くために、いい音を出す。
この当り前のように思えていたことが、
実は、ときには、まったく関連性を無くしてしまうことがあるような気がしはじめた。
つまり、いい音を出すこと、と、いい音で聴くこと、
このふたつの行為は切り離せない関係である、と思っていた。
いい音を出せれば、それでいい音が聴ける、そう思っていたわけだ。
だが、このふたつのあいだには、ときとして、大きな隔たりがある。
つねにあるとは思っていない。
なにかの拍子に、なにかのきっかけで、そこで隔たりが生じてしまう。
いい音を出せたからといって、いい音で聴けているわけではない状況がおきる。