同軸型ユニットの選択(その5)
おそらく杉井氏は、604-8Gと604-8Hのネットワークを混同されていたのだろう。
勘違いの発言だったのだろう。
604-8Hはマンタレーホーンを採用している関係上、ある帯域での周波数補正が必要となる。
それに2ウェイにも関わらず、3ウェイ同様に中域のレベルコントロールも可能としたネットワークであるため、
構成は複雑になり、使用部品も増えている。
だから、杉井氏の発言は、604-8Hのネットワークのことだろう。
勘違いを批判したいわけではない。
この記事の問題は、その勘違いに誰も気がつかず、活字となって、事実であるかのように語られていることである。
この試聴記事に参加されている篠田氏は、エレクトリでアルテックの担当だった人だ。
アルテックについて、詳しいひとのはずだ。
604-8Gと604-8Hのネットワークについて、何も知らないというのはないはずだ。
本来なら、篠田氏は、杉井氏の勘違いを指摘する立場にあるべきだろうに、
むしろ「アルテックの〝あがき〟みたいなものがこの音に出ている」と、肯定ぎみの発言をされている。
首を傾げたくなる。
そして編集部は何をしていたんだろう。
誰も気がつかないというのは、専門誌の編集者としては失格でといえる。