Archive for category テーマ

Date: 3月 6th, 2025
Cate: 使いこなし

セッティングとチューニングの境界(その31)

簡単なこと、簡単そうに思えることを、
より完璧にやろうとすることが精度。

簡単なこと、簡単そうに思えることは、オーディオにおいても無数と言っていいほどある。

その一つひとつを、きちんとやっていくこと、
そして積み上げていくことが、セッティング(精度)であり、
慣れてくると、そのことを疎かにしがちである。
本人はオーディオのキャリアを積んで慣れているから、
きちんとやっているつもりなのだろうが、そうでないことが結構ある。

そういうのを、いままで何度も見てきた。
やっている本人は、手際良くやっているつもりなのだろう。
けど、それは本当に手際良くやっているのか、と振り返ってみることを忘れてしまっているだけではないのか。

慣れを怖いと思わないことが、オーディオの使いこなしでは、
もっともやっかいで怖いことである。

Date: 3月 5th, 2025
Cate: audio wednesday

FRANCO SERBLIN Ktêma、ふたたびを終えて(その1)

今日のaudio wednesdayは、フランコセルブリンのKtêmaを、先月に引き続き鳴らした。
MQA-CDのみで鳴らした。

結果を先に書くと、予想以上によく鳴ってくれた。
あれこれMQA-CDをかけた中で、私のとっていちばん意外だったのは、
チャールス・ミンガスの「直立猿人」だった。

興味本位でかけた面もある。
でも最初に鳴ってきた音からして、私の予想をはるかに超えていた。
音がピンと立っているとでも言おうか。

その音は、黒田先生がチャールス・ミンガスの「直立猿人」は、
「もっとも大切なレコードのひとつである」と書かれていたことを思い出させた。

Date: 3月 4th, 2025
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十四夜(FRANCO SERBLIN Ktêma + Meridian ULTRA DAC + MQA-CD・いよいよ明日)

明日(3月5日)、フランコ・セルブリンのKtêmaをふたたび鳴らす。
今回はKtêma以外の機器はがらりと入れ替わる。

前回はアナログディスクのみだったが、今回はCDのみ。
ストリーミングでもなく、さらにはMQA-CDのみに絞る。

アンプは、アインシュタインのセパレート型。
フランコ・セルブリンは、アインシュタインのプリメインアンプを使っていた。

プリメインアンプとセパレートアンプの違いはあるが、
いわば推奨アンプでもあり、Ktêmaにとってリファレンスともいえよう。

アインシュタインのアンプも、Ktêmaを貸してくださっているOさんのモノ。

つまり今回のシステムは入力系以外、Oさんのシステムをほぼまるごと持ってきた、と言える。

今回あえてMQA-CDに絞ったのは、このことと関係している。
OさんにMQAの良さをじっくり味わって欲しいからだ。
そのため、D/AコンバーターはメリディアンのULTRA DACしかない。

Speaker System: FRANCO SERBLIN Ktêma
Control Amplifier: EINSTEIN The Tube II
Power Amplifier: EINSTEIN The Final Cut MK70
CD Transport: Accuphase DP100
D/A Converter: Meridian ULTRA DAC

開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時から。

会場の住所は、東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。

参加費として2,500円いただく。ワンドリンク付き。
大学生以下は無料。

Date: 3月 4th, 2025
Cate: 「オーディオ」考

「音は人なり」を、いまいちど考える(その28)

腐らないために必要なことは、才能とか自信とかではなく、
結局、覚悟のみだと思う。
覚悟を持って立つことだけが、腐らずにオーディオをやっていける。

Date: 3月 3rd, 2025
Cate: スピーカーの述懐

スピーカーの述懐(その55)

別項でテーマとしている「骨格のある音」。
このことに関して思うのは、音と音らしきものとがあり、
音と音らしきものとは同じではないということだ。

音で音楽を奏でる演奏家と、
音らしきもので演奏する者とがいる、ともいえよう。

このことはスピーカーについても言える。
音を発するスピーカーと、音らしきものを発するスピーカーとがある。

Date: 3月 2nd, 2025
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十四夜(FRANCO SERBLIN Ktêma + Meridian ULTRA DAC + MQA-CD)

3月5日のaudio wednesdayでは、MQA-CDのみをかける。

アナログディスクで聴いても、CDで聴いても、
スピーカーの音の判断はできる。
プログラムソースがなんであれ、音の評価はできるわけだが、
MQAで聴いてみたいと思わせるスピーカーと、
あまりそのことを思わせないスピーカーがある。

フランコ・セルブリンのKtêmaは、
私にとってMQAで聴いてみたい(鳴らしてみたい)スピーカーである。

2月のaudio wednesdayでも、そのことを感じていた。
だからメリディアンのULTRA DACを用意して、MQA-CDに絞って鳴らす。

Date: 3月 1st, 2025
Cate: 真空管アンプ

シーメンス Eurodynと真空管OTLアンプ(その3)

オーディオ雑誌の組合せ記事では、現行製品同士の組合せがまず前提となる。
実際のオーディオマニアのシステムは、というと、
オーディオ雑誌の記事そのままと言える組合せの人もいるけれど、
オーディオのキャリアが長くなれば、いくつかの世代のオーディオ機器が集まり、
それらの機器での組合せが作られている。

古い世代のスピーカーに新しい世代のアンプ、
反対に新しい世代のスピーカーに古い世代のアンプ、と言った組合せがある。

前者の組合せでは、古い世代のアンプでは感じとれなかった魅力を、
発見することもあり、そう珍しいわけでもない。

今回のシーメンスのEurodynとアインシュタインのアンプの組合せは、
古い世代のスピーカーと新しい世代のアンプの組合せとなるわけだが、
Eurodynとアンプの時代の違いは、かなり大きい。

Eurodynの原型からするとほぼ半世紀ほどの開きがある。

古い世代のスピーカーと新しい世代のアンプの組合せは、
うまくいくこともあれば、そうでないことももちろんある。

同世代のアンプでは聴きとり難かった音が聴こえたら、
このスピーカーにはこんな良さ(魅力)があったのか、とかんじながらも、
どこかに、何となくではあるものの違和感的なものを感じたりすることもままある。

アインシュタインのアンプで鳴らすEurodynの音に違和感がない、
と書いたのは、そういうことである。

だからといって、その音に新しい発見や魅力を見出せなかったわけではない。

Date: 2月 28th, 2025
Cate: 真空管アンプ

シーメンス Eurodynと真空管OTLアンプ(その2)

アンプにしてもスピーカーにしても方式や素材によって、
出てくる音の全てが決定づけられるわけではないことは、
もちろんわかっている。

それでも「真空管OTLアンプ」は、それだけで少し特別な存在なのは、
私ひとりだけではないはずだ。

オーディオに興味を持ち始めたころ、
無線と実験、ラジオ技術で、真空管OTLアンプの製作記事や、
それに関する記事を読むと、いつかは自作してみたい、とも思うようになる。

そのころ、真空管OTLアンプの火を灯し続けていたのは、日本だった。
カートリッジに関しても海外メーカーがMC型から徹底していく中で、
ずっと作り続けてきたのは、日本のメーカーであり、
真空管OTLアンプについても同じと言えた。

とはいえ、そのころの日本の真空管OTLアンプを聴く機会はなかった。
マックトン、エトーン、マクソニックなどがあった。

私が聴いた真空管OTLアンプといえば、
カウンターポイントのSA4、フッターマンのシリーズ全機種であり、
フッターマンのOTL4の音には、かなり惹かれるものを感じたし購入を迷いもした。
けれど購入にいたらなかったのは、
ステレオサウンドでの試聴の準備中に平滑コンデンサーが爆発したことがあったからだ。

SA4は、ステレオサウンド試聴室に常備されていて、
かなりの回数、いろんなスピーカーで聴いている。
いいアンプだと感じつつも、欲しい、とまでは至らなかった。

アインシュタインが真空管OTLアンプを出していることは知ってはいても、
聴く機会はなかったし、日本での取り扱いを、輸入元は辞めてしまった。
そのアインシュタインのThe Final Cut MK70を聴いた。
シーメンスのEurodynで聴いた。

違和感のない音が、聴けた。

Date: 2月 27th, 2025
Cate: 真空管アンプ

シーメンス Eurodynと真空管OTLアンプ(その1)

シーメンスのEurodynという劇場用スピーカーを、私はステレオサウンドで働いていた関係で、
何度か聴く機会があった。

これまで聴いてきたEurodynは、どれも真空管アンプで鳴らされていた。
伊藤先生の300Bシングルアンプでも聴いているし、
海外ブランドの真空管アンプでも聴いている。
トランジスターアンプでの音は聴いたことがない。

伊藤先生のアンプは当然だが、これまでEurodynに接がれて鳴っていたアンプは、
全て出力トランスを背負っていた。

それらの音に不満があったわけではない。
伊藤先生の300BシングルアンプでのEurodynの音は、
本当に素晴らしかった。

それでもオーディオマニアとして、真空管OTLアンプで鳴らしたら、
Eurodynは、どんなふうに鳴ってくれるのか。
このことには強い関心、興味があった。

けれど、そんな機会は得られなかった。

今日、3月5日のaudio wednesdayで鳴らすアインシュタインのアンプを搬入していた。

貸し出してくれたOさんが、チェックしたいということで、
Eurodynに接いで鳴らすことになった。
Eurodynの音を聴いて四十何ちょっと、ようやく真空管OTLアンプでの音を聴くことが叶った。

Date: 2月 26th, 2025
Cate: 「オーディオ」考

「音は人なり」を、いまいちど考える(その27)

どこまでいっても「音は人なり」なのだから、
オーディオにおいて大事なことは、腐らないことだ。

才能がない、とか、周りの環境が……とか、時代が違えば……とか、
腐りたければいくらでも、そんなことを言って腐ることができる。

腐ってしまえば、音もそうなってしまう。
だから、絶対に腐ってはいけない。

Date: 2月 25th, 2025
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その26)

充電式、乾電池含めて、昔からバッテリーが電源としては理想とは言われている。
実際に充電式バッテリーを採用したアンプは、
日本製にも海外製にもいくつか登場してきている。

自作アンプでは、無線と実験の金田明彦氏のアンプも、
1980年代から乾電池を電源に採用している。

メリットは確かに多い。けれどメリットだけのものは、この世には存在しない。
バッテリーのデメリットは消耗することだが、それだけだろうか。

音質面でのデメリットはないのだろうか。

考えるに、電流変動の大きなアンプやその他の電子機器への供給は、
デメリットが生じやすいのではないのか。

電流変動が小さい、つまり消費電力の変動があまりない機器への供給の方が、
バッテリーの音質的なメリットは活きてくるはずだ。

バッテリーは化学反応だから、
タイプによっては負荷となる機器の消費電力の変動への対応が追従できないこともあるかもしれない。

この辺のことは、自分で何らかの方法で試してみたいことだが、
どういう結果が得られるにしても、
バッテリーを全面的に採用することで、電源に起因する事柄全てが解決するわけではない。

Date: 2月 24th, 2025
Cate: アクセサリー

仮想アース(こういう方法も……・その11)

先日、Oさんからメールが届いた。
そこには仮想アースを自宅のシステムで試した結果が書かれていた。

変化の方向性としては、野口晴哉氏のリスニングルームで、オイロダインで聴いたのと同じ印象とのこと。
Oさんのメールから、引用しておく。
     *
おおざっぱに言えば音がほぐれ、音離れがよくなり、馥郁たる感じが出る印象です。ですのでヴァイオリンなどにはいい方向に作用するのですが、ピアノなどの低域はややほぐれ過ぎで軟調な感じになり、利き過ぎの感がありました。ですが外すとこじんまりしてしまう印象なので、コイルの長さを短くするなどしていい塩梅を探ってみようと思います。
     *
簡単に試せるということは、いろいろ細かな調整も可能だ。
前回書いているように、オーディオマニアなら、その材料は部屋にあるはず。
コストもほとんどかからないのだから、あれこれいくつか作ってみても、
時間もコストもあまりかからない。

簡単に作れるだけに、はまってしまうかもしれない。
でも、こういうことにはまってしまうのも、オーディオの楽しみである。

Date: 2月 23rd, 2025
Cate: ディスク/ブック, バッハ
1 msg

バッハ 平均律クラヴィーア曲集(その10)

ヴィルヘルム・ケンプのベートーヴェンは愛聴盤といえるほどに聴いている。
ベートーヴェン以外でもケンプの演奏は割と聴いているけれど、
自分でも不思議に思うほど、バッハは聴いてこなかった。

まったく聴いてこなかったわけではないが、ケンプの平均律クラヴィーア曲集は、三十年ほど前に聴いて以来、
つい最近まで聴いていなかった。

三十年前の印象が悪かったわけではないのだが、
特にこれといった理由もなく、
ずっと聴かずに年月が経っていただけだ。

そのケンプの平均律クラヴィーア曲集を聴いている。
三十年ほど聴いてこなかったことを後悔はしていない。

いいバッハだ、素晴らしい平均律クラヴィーア曲集だ。
三十年前は、そうは感じられなかった。

Date: 2月 23rd, 2025
Cate: 新製品

TOPWING OPT ISO BOX(その2)

Phile webが『Qobuzの音質改善に効く!話題の「光アイソレーター」4モデルを一斉試聴!』という記事を公開している。

TOPWINGのOPT ISO BOXも取り上げられている。
記事中で、スピードの切り替えについての記述が、当然ある。
そこでは、10Mbpsでの音が冴えなかったと、読める。

そうだろうな、と思う。
(その1)でも触れているように、すでにこの製品を購入して、
その感想を公開している人が何人もいるが、
その中には10Mbpsの音が、もっとも良かったとしている人もいる。

その人のネット環境、システム、そしてその人の音の聴き方、
それらが人それぞれ違い、そのトータルの結果として、私が聴いた印象とは反対の10Mbpsの音がいい、となるだけのことだ。

Date: 2月 22nd, 2025
Cate: 「ネットワーク」

オーディオと「ネットワーク」(おさなオーディオ・その9)

内輪だけの関係を、どう捉えるのかは人によって違ってきて当然だし、
ネガティヴに捉える人もいるだろうが、
この内輪だけの関係は、同じ志をもつ人たちが、少人数だからこそ、
互いに精進、切磋琢磨していく関係性でもある、と私は捉えている。

そして、この内輪だけの関係は、とてもオーディオと相性がいい、とも思っている。

けれどそれがオーディオ雑誌の取材、
そしていまではインターネット、ソーシャルメディアによって、
内輪だけの関係に留まることに、かなりの無理を生じさせているのではないか。

多くのオーディオマニアの音を聴いてまわること。
多くのオーディオマニアと知り合うこと。
さらに、その輪を広げていくこと。

悪いこととまでは言わないが、本当にいいことなのだろうか。

内輪だけの関係を大切にしたままであればいい。
けれど、どうもそうではないように、私の目にはうつる。