Archive for category ショウ雑感

Date: 10月 6th, 2008
Cate: ショウ雑感

2008年ショウ雑感(その2)

今回のインターナショナルオーディオショウで「これは聴いてみたい」と思ったのは、
マッキントッシュのパワーアンプMC2301だ。
型番こそ、2301とステレオ機のそれだが、MC2301はモノーラルの管球式アンプだ。
KT88を片チャンネル8本使い、300Wの出力。
ほとんど、以前のMC3500の現代版である。
MC3500は、同社最後の管球式アンプだった(その後、管球式が復活したため最後ではなくなったが)。
MC3500の出力は350W。実物を見たことはあるが、実は音を聴いたことはない。

MC2301は、見た目も、きっと音も、MC3500よりも洗練されている。
安定度も問題なく高いはずだ。

このアンプを、マッキントッシュジャパンのブースで見ていたら、
タンノイのスピーカーで聴いてみたくなった。
カンタベリー15と組み合わせて聴きたい。

まだ熊本に住んでいた頃、ロックウッド社のジェミニというスピーカーを聴いたことがある。
ロックウッドのスピーカーはタンノイのユニットを、
独自のバスレフ型エンクロージュアに収めたもので、
ずいぶんタンノイ純正のスピーカーとは異る印象を受けた。

聴いたといってもわずかな時間だし、ずいぶん昔のことだけど、
タンノイのユニットとは思えないほどエネルギッシュな音だった。

もしかすると、あの時の音が、MC2301で鳴らすカンタベリー15から聴けるような気がしてしまう。

Date: 10月 5th, 2008
Cate: Bösendorfer/Brodmann Acoustics, VC7, ショウ雑感

2008年ショウ雑感(その1)

インターナショナルオーディオショウで、個人的に印象に残っているのは、
ベーゼンドルファーの不在である。

去年、聴いたベーゼンドルファーの音を
もういちど聴きたくて会場に足を運んだといってもいいくらいだっただけに、残念である。

今年はじめ、ベーゼンドルファーをヤマハが買収したニュースをきいて、
いちばん心配だったのがスピーカーの製造が終了してしまうことだった。
案の定だ。

ピアノメーカーがつくったスピーカーだけに、ピアノの再生は得意だけど、
ほかのものは……、という印象が強かったようだが、
響きの忠実性は、高いものを持っていたスピーカーだった。

去年のノアのブースでかけられていたカンターテ・ドミノだが、
教会で録音されていることはよく知られているが、
この教会は石造りではなく、木で造られた教会だけに、
一般にイメージされる教会の響きと違い、暖かく柔らかい。
この木の感じを、よく出してくれる。

そして次にかかった、同じ教会でも石造りのところで録音されたCDでは、
そういう響きを見事に響かせてくれる。

いわゆる音場感とは違う、響きの再現性。
なかなかこういうスピーカーはないだけに、ひじょうに残念だが、
ベーゼンドルファーのスピーカーに関する主要スタッフは、ふたりだけらしい。
もしかすると、彼らが独立して、またスピーカーづくりをはじめるかもしれない、
という情報も耳にした。期待している。