2008年ショウ雑感(その2・続×六 補足)
以前、こんなことがあった。
井上先生が、パワーアンプの電源を、コンセントの下からとってみろ」といわれた。
いわれるままにコンセントの下の口に差し換えて、音を出す。
「どうだ?」ときかれる。
たしかに、微妙だが、音が違うのがわかる。
上に戻した音を、もういちど聴く。2回ほどくり返すと、音の違いがはっきりしてきた。
コンセントの構造上、たいていの場合、室内配線は上の口のほうにつながっており、
下の口へは真鍮製のバーを通って供給されるわけだが、
このわずか数センチの真鍮の存在によるキャラクターがついてくる。
モノーラルアンプで、同一コンセントから電源をとったにしても、完全には同一条件にはならないわけだ。
もっともコンセントの構造が、
上下の口に対して同条件である──上下の口を結ぶバーの中央に配線がつながる構造──ならば、いいのだが。
だから以前QUADのESLを使っていたときは、ひとつのACプラグに2本の電源コードをつないでいた。