2008年ショウ雑感(その2・続×十 補足)
アンプの重量バランスによる音の違いも、アンプを自作せずとも確認できる。
たとえばフロントパネルに電源トランスを取り付けているパワーアンプを、もしお持ちならば、
このアンプの置き方を変えてみるだけで、大きく音が変化する。
現役の製品では、アンプジラ2000がそうだし、以前のアンプではヤマハのMX10000、
プライマーの928 Mono Ampがそうだった。
最重量物の電源トランスを取り付けてあるぐらいだから、MX10000も928も、
フロントパネルは厚くしっかりしたものだった。
だから、さらに重量バランスはフロントパネル側に片寄っている。
これらのアンプを、直立させてみる。
つまりフロントパネルを下にして、アンプを90度起こした状態にするわけだ。
注意しなければならないのは、放熱のことで、この状態で長時間聴くことはやめてほしい。
だから、あくまでも試しに聴くということなのだが、音のバランスが、より安定してくる。
音の輪郭もしなやかになる。
もちろん、この音の変化は重量バランスの変化によるものだけではない。
プリント基板が水平だったのが垂直になるし、それにともない部品の向きも変わる。
こまかな違いはいくつか出てくる。
それでも、井上先生が言われていたことと同じ変化が聴きとれる。