Date: 10月 29th, 2008
Cate: ショウ雑感
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2008年ショウ雑感(その4)

ステサン──ステレオサウンドを、こう略して言う人は少なくない。
なぜ略すのか。

誌面に限りがあり、文字数をぎりぎりまで減らす必要があるならば、略すのもわかる。
しゃべりで、ステサンと言うのとステレオサウンドと言うのと、時間にしたらわずかである。
そんなに言葉を多く話すのがイヤなのか、それとも略すのをカッコいいとでも勘違いしているのか。

個人サイトやブログでも、略語を使う人はいる。
ネットの良さは、誌面の制限を受けないことだと思っている私には、略語を使う意味がわからない。
キーボードを打つのが面倒なら、単語登録しておけばすむこと。
そんなわずかな手間を惜しむのか。
だとしたら、「オーディオに向いていないよ、あなたは」と言いたくなる。
オーディオこそ、手間を惜しまず取り組むことを求められる趣味だから。

もうひとつ言いたいのは、モツレクとかベト7とか、ひどい略語についてである。
モツレクを、個人サイトではじめて見たとき、「えっ?」と、ほんのわずかな時間だが考えた。

モーツァルトのレクィエムのことである。ベト7はベートーヴェンの交響曲第7番のこと。
五味先生の著書を読んできた私は、レクイエムではなく、レクィエムと書く。

しかも、そのサイトの主は、モツレクは大好きな曲で愛聴盤だと書いている。
なのに「モツレク」である。言葉の響きとして、まったく美しくない。

モツレクと平気で言える人、書ける人の美意識──、
そんなのでほんとうにオーディオを追求していけるのか。

そんなことは音とは関係ないと言うだろう、そういう人たちは。
だけど、そんな小さなことにその人なりが表われるし、「音は人なり」である。

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