Archive for category デザイン

Date: 7月 19th, 2023
Cate: デザイン

管球式プリメインアンプのデザイン(その3)

1975年のステレオサウンドのムック「世界のオーディオ」のラックス号で、
井上先生が、SQ38FD/IIについて語られていることが、
私にとっての管球式プリメインアンプのデザインを考えるうえでの根っこになっている。
     *
永井 井上さんがステレオサウンドに、離れて眺めたらどうか書いていましたが、それはラックスの製品の一つの特徴的な見方かもわかりませんね。
上杉 離れて見たら、ってどういうことですか。
井上 普通アンプはそばで見ると、なるほどと思うことが多いのですが、ラックスのアンプは離れてマクロ的に見たときにいわゆるアンプらしさが感じられるということです。そばで見れば、フロントパネルに細かい文字のレタリングがすごく多く入っています──たとえば、メイド・イン・ジャパンまで書いてあるのは他社にはないはずです。
永井 ちょうど38FDのパネルが、ちょっと暗くなったんですね。遠くから見るというのが、おもしろいと思った。
岩崎 大体、日本のアンプは、すぐ目の前に置いて見るようにしか作ってないからね。離れた状態で見るなんて考えてないでしょう。
     *
井上先生の《離れて眺めたらどうか》は、
SQ38FD/IIだけのことではなく、ラックスのアンプ全体についてのことだとはわかっている。
そのうえで、この井上先生が語られていることを読んだ上で、
もう一度、ステレオサウンド 42号のプリメインアンプの総テストを読み返す(眺めると)、
確かにヤマハのCA2000とラックスのSQ38FD/IIのデザインの、
もっとも大きな違いは、このことだと気づく。

42号よりも先に「世界のオーディオ」のラックス号は出ているが、
私は42号を読んで、けっこうあいだがあいて、「世界のオーディオ」のラックス号を読んでいる。

そういうことがあって、SQ38FD/IIのデザインについて語る上で、
《離れて眺めたらどうか》は、いまも忘れていないし、
ここでのテーマである管球式プリメインアンプのデザインについても、
私の価値判断の基準となっているのも、
実のところ《離れて眺めたらどうか》なのかもしれない。

Date: 7月 15th, 2023
Cate: デザイン

管球式プリメインアンプのデザイン(その2)

ステレオサウンド 42号の特集に登場する35機種のプリメインアンプのなかには、
ヤマハのCA2000(158,000円)も含まれている。

CA2000よりも高価な製品もいくつかあったけれど、
42号の時点で、最優秀機といえば、CA2000と多くの人が思っていたはずだ。

私はそうだった。
物理特性もふくめて、試聴記を何度も読み返しては、
CA2000こそ最優秀プリメインアンプなのだ、と感じていた。

そのCA2000は、いかにも当時のヤマハの製品らしいデザインに仕上がっていた。
CA2000を見て、オーディオのことを何も知らない人であっても、
ソリッドステートアンプだと思うだろう。

CA2000をみて、管球式プリメインアンプと思う人は一人もいないはずだ。
このことが、ここでのテーマでは重要になってくる。

プリメインアンプとしてのベストデザイン、
好ましいと感じるデザインについて、ではなく、
あくまでもなく管球式プリメインアンプとしてのデザインについて、であるからだ。

ラックスのSQ38FD/IIは、当時、唯一といえる管球式プリメインアンプだった。
ラックスの製品としては、5L15も誌面に登場している。

5L15を見て、管球式プリメインアンプと思う人は、これもまた一人もいないと思う。
そのくらい、SQ38FD/IIと5L15ではまとっている雰囲気が大きく違う。

オンキョーのIntegra A722nIIはどうかというと、
このデザインならば、管球式プリメインアンプといわれれば、納得しそう──、
私はそんなふうに感じていた。

このアンプも、SQ38FD/IIほどではないにしても、
そんな雰囲気をまとっている気がした。

SQ38FD/IIとIntegra A722nIIは、
開発年代が、他の33機種とは違って古い。

Date: 7月 14th, 2023
Cate: デザイン
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管球式プリメインアンプのデザイン(その1)

真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その16)」に、
Tadanoさんのコメントがあった。

コメントの最後に、
《ところで宮崎さんに質問したいのですが、宮崎さんの思う真空管プリメインアンプのベスト・デザインを、ぜひ教えてください。また、その理由についてもお聞かせいただけると嬉しい限りです!》
とある。

無視するわけにはいかないとおもいながらも、この質問は難しい。
別項「プリメインアンプとしてのデザイン、コントロールアンプとしてのデザイン」、
ここでのテーマと関係してくることだし、
《真空管プリメインアンプのベスト・デザイン》でもある。

Tadanoさんのコメントを読んだのが昼過ぎ。
それからいままであれこれ思い浮べてきたけれど、
《真空管プリメインアンプのベスト・デザイン》は、いまのところない、としかいいようがない。

けれど好ましいと思う管球式プリメインアンプがないわけではない。
これまで難度も書いているように、私が最初に読んだステレオサウンドは41号。
その次の42号は、プリメインアンプの特集だった。

53,800円(オンキョーIntegra A5)から、
195,000円(マランツModel 1250)までの35機種がとりあげられていた。

この35機種のなかで、オーディオに興味を持ち始めたばかりの中学三年生だった私が、
デザイン的に、他のアンプとは明らかに違うと感じたのは、
オンキョーのIntegra A722nIIとラックスのSQ38FD/IIの二機種だった。

管球式プリメインアンプはいうまでもなくSQ38FD/IIであり、
Integra A722nIIはソリッドステート(半導体)アンプだった。

Date: 2月 26th, 2023
Cate: デザイン

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(続ヤマハのヘッドフォン)

五年ほど前に、ヤマハのヘッドフォンのデザインに違和感を覚える、と書いている。
そのころのヤマハのヘッドフォンは、ハウジングのところに、
大きくヤマハのマークが入っていた。

遠くから見ても、はっきりと、すぐにヤマハのヘッドフォンとわかるくらいに、
大きくロゴがあった。

五年前に書いているのだが、
そのころのヤマハのヘッドフォンと同じように、
ロゴやマークが大きく入っているヘッドフォンは他社製でもけっこう多くあった。

それらの製品は、それでもいいと思っている。
ヤマハのヘッドフォンは、そうであってほしくない──、
これは完全に個人的なおもいいれでしかないのもわかっている。

1970年代からのヤマハのヘッドフォンを見てきている世代にとって、
マリオ・ベリーニによるデザインのHP1、
ポルシェデザインのYHL003は、印象に残っている。

なにも外部にデザインを依頼しろ、といいたいのではない。

こちらが勝手に思い描いているヤマハの印象にそうデザインのヘッドフォンを出してほしい、
ただそれだけなのだが、
そういう製品がメーカーから発売になることは、そう多くはない。

今回、ヤマハからワイヤレスヘッドフォンが発売になった。
YH-L700AとYH-E700Bである。

どちらのヘッドフォンも、五年前のヤマハとはまったく違っている。

Date: 11月 5th, 2022
Cate: デザイン

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(オーディオによるデザイン)

「オーディオのデザイン、オーディオとデザイン」をテーマに書いているけれど、
書きながら、「オーディオによるデザイン」について考えていかなければならない。
ここにきて、そうおもうようになってきた。

Date: 5月 22nd, 2022
Cate: デザイン

日米ヒーローの造形(その5)

「シン・ウルトラマン」を映画館で観て、ほんとうにそうだ、と感じたのは、
その4)でも書いているように、
ウルトラマン(着ぐるみ)でないウルトラマン(CGI)の立ち姿は、
仏像そのものであるということ。

着ぐるみに人が入っていて演じていては、絶対に実現できなかった姿である。

仮に、アメリカの映画会社がウルトラマンをCGで作り出したとしても、
こういうふうには描かないはずだ。

「シン・ウルトラマン」は、日本でこその造形だ、と思うだけでなく、
最近のハイエンド・オーディオと呼ばれる製品のデザインを見ていると、
正反対の世界であるだけでなく、醜悪の方向に向っているようにも感じてしまう。

このことは、日本のオーディオだけでなく、欧米のオーディオ機器を見ても、
そう感じる。

Date: 3月 17th, 2022
Cate: デザイン

日米ヒーローの造形(その4)

月曜日に、映画「ザ・バットマン(THE BATMAN)」を観てきた。
今日、5月から公開の「シン・ウルトラマン」の新しい映像が公開になった。
ウルトラマンの後ろ姿である。

いろんな意味で対照的だな、と思い、
その3)からあいだが空いてしまったけれど、また書き始めている。

「シン・ウルトラマン」に登場するウルトラマンは、
ウルトラマン(着ぐるみ)ではなくウルトラマン(CGI)である。

そのことがあって、というか、そのための、というべきなのだろうが、
ウルトラマンのデザイナーである成田亨氏の元のデザインそのもの、といえる。

ウルトラマン(着ぐるみ)にあった着脱に必要なファスナーを隠すための背びれがない。
カラータイマーもない。

それだけでない体型そのものが、人間のようでいて、人間と違っている。
後ろ姿を見ると、よけいにそのことを感じる。

なにか似ている──、と思いつつ、
シン・ウルトラマンの後ろ姿が公開になったことを友人のAさんに伝えると、
「仏像のような雰囲気ですね」という返事があった。

たしかに、そうだ。
仏像のようなシルエットである。

仏像のようなシルエットのウルトラマンが、怪獣と戦うのか。

Date: 12月 30th, 2021
Cate: デザイン

簡潔だから完結するのか(その6)

私が熱心に読んでいたころのステレオサウンドには、
若いころ、オーディオのいろんなことに挑戦してきた人が、
ある年齢に達してからは、高能率のスピーカー(ラッパ)と直熱三極管のシングルアンプの組合せ。

これが一つのオーディオの「あがり」のように、
音楽を楽しまれているオーディオマニアの方が登場していた。

私がまっさきに思い出すのは、(その4)で触れている長谷川氏である。
ステレオサウンド 54号の「スーパーマニア」に登場されている。

長谷川氏のリスニングルームの写真を、十年ほど前に、
別のオーディオ雑誌でみたことがある。
JBLのパラゴンを鳴らされていたころの写真だ。

長谷川氏は「スーパーマニア」の本文を読んでもらえばわかるように、
まさしくスーパーマニアと呼べる人である。

ハイエンドオーディオ機器を一式揃えて鳴らしているから、といって、
その人をスーパーマニアと呼べるとは限らない。

その長谷川氏が、「あがり」として、
シーメンスのオイロダイン、伊藤先生製作のアンプ、EMTの927Dstである。

このスタイルが、すべての人にとっての「あがり」となるわけではない。
長谷川氏にとっての「あがり」であり、
長谷川氏にとっての「あがり」とは、耳に近い音の実現ではなく、
心に近い音を鳴らすことだった──、
今年になって、そうおもうようになった。

Date: 8月 5th, 2021
Cate: デザイン

プリメインアンプとしてのデザイン、コントロールアンプとしてのデザイン(その11)

amazonがKindle Unlimitedのサービスを開始したとき、
ラインナップにそれほど魅力を感じずに、利用しようとは思わなかった。

それからずいぶん経って、今年になって、友人からステレオサウンドが、
Kindle Unlimitedで読めることを聞いた。
ステレオサウンド以外にオーディオアクセサリーも読めるし、
レコード芸術もある。

契約しようか、と思っていたところに、最初の二ヵ月間99円で利用できるキャンペーンが始まった。
なので先月から利用している。

ステレオサウンドも、四冊分読んだ。
217号のベストバイのところを読んでいて、
ここで書いている(取り上げている)ヤマハのコントロールアンプのC5000のところで、
目が留まった。

黛健司氏が書かれている。
《このデザインのオリジナルは1973年に登場したCA1000プリメインアンプで、和の洗練の極みと言いたいテイストに衝撃を受けた》
とある。

私はC5000のデザインは、コントロールアンプとしてのデザインではなく、
プリメインアンプのデザインだと書いていたのは、的外れなことではなかった。

いわれてみるとCA1000に似ているといえばそうなのだが、
C5000を見て、CA1000を思い浮べたことはこれまでなかった。

私がオーディオに関心をもったころには、すでにCA1000はCA1000IIIになっていた。
CA1000にメーターはなかった。
CA1000IIもメーターなしだったが、III型になり、メーターがつくようになった。
CA2000と共通のデザインでもある。

なのでCA1000といえば、私にはCA1000IIIの印象である。
今回、CA1000の写真を見較べた。

私には、CA1000IIIからメーターを外したデザインというふうに映った。

Date: 4月 15th, 2021
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その32)

オーディオ機器のデザインについて考え語るときに、
忘れてはならないのは調和ということのはずだ。

オーディオ機器は、何度も書いているように、単体で成り立つわけではない。
アンプが一台あったところで、それだけで音が鳴らせるわけではない。
スピーカーにしてもそうだ。
スピーカーだけでは、そこから音は鳴ってこない。

つまるところオーディオはオーディオ・システムにほかならない。
だからこそ、オーディオ機器のデザインで特に重要となるのは、調和だと思うようになった。

ならばプレーヤーからアンプ、スピーカーシステムまで、
ワン・ブランドで揃えるのが、調和もとれて素晴らしいのか、となると、
オーディオ・システムの調和とは、それぞれに個性あるモノを集めての調和を求めたい。

この項で、ずんぐりむっくりのアンプのことを取り上げている。
アキュフェーズのE800にしても、
少し前のラックスのアンプ、それからテクニクスのSU-R1000もずんぐりむっくりだ。

皮肉めいたことをいえば、ずんぐりむっくりのオーディオ機器がこれからも登場し、
誰も苦言を呈することなく、それがあたりまえのようになってしまったら、
それはそれで調和がとれるようになるのかもしれない。

調和を求めたいからこそ、
オーディオ・システムのデザインの中心ということを考えるわけだ。

Date: 10月 24th, 2020
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その31)

アキュフェーズのE800のずんぐりむっくりは、すんなり受け入れられているようである。
私がみた範囲で、E800のずんぐりむっくりしたプロポーションに、
否定的なことを書いているオーディオ評論家はいなかった。

そうだろうな、と思いつつも、
その一年後に、今度はテクニクスから、ずんぐりむっくりのプリメインアンプが登場した。
価格的にも、ずんぐりむっくり的にもE800のライバル機種といえる。

数年前までのラックスの、ずんぐりむっくりに対しても、
オーディオ評論家は、何も言わなかった。
擁護する発言をする人はいたけれど。

音さえよければ──、という考えが、そこにはあるのだろうか。
ガレージメーカーの製品であれば、
それもデビュー作であったりすれば、しかたないかも……、とまだおもう気持はあるが、
ずっとオーディオメーカーである会社が、
恥ずかしげもなく、ずんぐりむっくりのまま市場に出してくる。

誰も何もいわなければ、ずんぐりむっくりのまま市場に送り出す方がラクだ。
それでいて、デザインにも配慮した、みたいなことをいう。

デザインに関しては、音のためにすべて犠牲にしました──、
そんなことをいったりはしない。

そして、今回のテクニクスのプリメインアンプのずんぐりむっくりに、
何もいわないオーディオ評論家ばかりなのだろう。

Date: 4月 22nd, 2020
Cate: デザイン

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(シルバーのヤマハ C2・その4)

CT7000のポジションに関しては保留するとして、
ヤマハのカセットデッキはどうだろうか。

マリオ・ペリーニによるデザインのTC800は除外する。
その後のヤマハのカセットデッキで本格的なモデルといえば、K1である。

1979年当時、95,000円と10万円を切る価格であっても、
ヤマハのカセットデッキのトップモデルであった。
そして、ここでK1を取り上げるのは、もう一つ理由があって、
シルバーパネルのK1だけでなく、ブラックパネルのK1Bも用意されたからだ。

このことはCA2000、CA1000IIIといっしょに使ってほしいカセットデッキであるだけでなく、
C2との組合せも考えてのカセットデッキなのではないのか。

K1が登場したころには、C2はC2aになっていた。
シルバーパネルのC2は、C2aではない。

いつごろ作られたのか、はっきりしないのだが、
CT7000、K1との組合せを考慮してのシルバーパネルだった可能性もなくはない。

アンプとチューナーの組合せといえば、
ついアンプを先に、というか中心に考えがちだが、
プログラムソースの機器として、コントロールアンプよりも上流に位置しているだけに、
チューナー、カセットデッキの仕上げに、アンプをあわせる、という考えもできる。

そんなふうにしてできあがってきたのがシルバーパネルのC2なのかもしれないし、
ここに書いているようなこととはまったく無関係に出てきたのかもしれない。

Date: 4月 22nd, 2020
Cate: デザイン

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(シルバーのヤマハ C2・その3)

C2、B2時代のヤマハは、くり返すが、
プリメインアンプのパネルはシルバー、セパレートアンプのパネルはブラックと分けられていた。

普及機のプリメインアンプCA-V1とペアとなるチューナーCT-V1は例外的にブラックだったのは、
若者向けを狙ってのことだった。

この時代のチューナーにT2がある。
型番からわかるようにC2とペアになるチューナーである。
パネルサイズも同じだし、ブラックである。

もちろん単体のチューナーと優秀であっただけに、
他社のアンプと組み合わせたり、
ヤマハのアンプとであっても、プリメインアンプとの組合せもあっただろう。

それでもデザインからいえば、T2とC2とペアになるモデルであることに変りはない。
そうやってチューナーのパネルの色をみれば、
CT1000は、プリアンプのCA2000、CA1000IIIとの組合せを前提としたモデルであることは、
価格的にもそういえる。

ではCT7000は、どうなるのか。
当時のヤマハの最高級チューナーであった。

シルバーのフロントパネルの本体を、木製のキャビネットに収める構造である。
見た目的にはCA2000、CA1000IIIに共通するといえるけれど、
造りはずっと手間もお金も賭けられているものだ。

CA2000よりも、CT7000は高価だった。
CT7000はヤマハのチューナーの位置づけからいえば、
コントロールアンプのCIとのペアを想定していたのかもしれない。

けれどできあがった製品は、CIとはまるで違う雰囲気に仕上がっている。

Date: 3月 27th, 2020
Cate: デザイン

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(シルバーのヤマハ C2・その2)

シルバーのヤマハのC2は、どうやら海外輸出用モデルのようだ。
パワーアンプのB2もシルバーモデルがあることが、Googleで検索してくれた人が教えてくれた。

海外向けはシルバー(もしくはブラック)で、
国内向けはブラック(もしくはシルバー)という例は過去にも現在でもある。

けれど吉祥寺のハードオフのサイトで公開されている写真をみると、
国内向けのモデルだということがわかる。

リアパネルは通常のC2同様ブラックで、
おそらく底板もブラックであろう。

ということは、外装だけを海外向けのシルバーに換装したのだろうか。
個人でもやれるだろうが、そういうモデルなのだろうか。

ヤマハが、特別に海外向けモデルの外装を使ったシルバーモデルのような気がしてならない。
もしかするとシルバーモデルも併売するつもりだったのかもしれない。

一台作ってみて、オーディオ評論家のところをまわって、
感想、意見を聞いて、いけるという判断をしたのならば、シルバーモデルが出ていたのかもしれない。

けれど、あまり芳しくなかったのか。
日本向けにはシルバーモデルは販売されなかった。

Date: 3月 26th, 2020
Cate: デザイン

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(シルバーのヤマハ C2・その1)

吉祥寺のハードオフに、いまヤマハのC2がある。
ヤマハのC2は、C2a、C2xと続いたロングセラーモデルであるし、
ベストセラーモデルともいっていいくらい、
昔から中古を扱うオーディオ店でみかける。

C2はあきらかにマークレビンソンのJC2に刺戟を受けている。
それでもJC2がトーンコントロールやフィルターを省略したのに対し、
C2はトーンコントロールを備えているところが、
ヤマハというメーカーの良心のようなものが顕れている、とも思う。

中学生のころ、
マークレビンソンのアンプは遠い憧れのモデルだっただけに、
「いつかはマークレビンソン」の前の段階として、いつかはヤマハのC2というおもいがあった。

ヤマハの、このころのプリメインアンプはシルバーパネルで、
セパレートアンプはブラックパネルだった。

ところが、吉祥寺のハードオフにあるC2はシルバーモデルである。
facebookを見ていて、初めて、こういうモデルが存在していたことを知った。

C2のシルバーモデルが存在していたなんてことは、いままでまったく聞いたことがない。

なにかの記念でつくられたモデルなのだろうか。
この時期のヤマハのセパレートアンプにシルバーモデルがあったということは、
ヤマハのデザインについて書いていく上で無視できない存在となってくる。