オーディオ・システムのデザインの中心(その32)
オーディオ機器のデザインについて考え語るときに、
忘れてはならないのは調和ということのはずだ。
オーディオ機器は、何度も書いているように、単体で成り立つわけではない。
アンプが一台あったところで、それだけで音が鳴らせるわけではない。
スピーカーにしてもそうだ。
スピーカーだけでは、そこから音は鳴ってこない。
つまるところオーディオはオーディオ・システムにほかならない。
だからこそ、オーディオ機器のデザインで特に重要となるのは、調和だと思うようになった。
ならばプレーヤーからアンプ、スピーカーシステムまで、
ワン・ブランドで揃えるのが、調和もとれて素晴らしいのか、となると、
オーディオ・システムの調和とは、それぞれに個性あるモノを集めての調和を求めたい。
この項で、ずんぐりむっくりのアンプのことを取り上げている。
アキュフェーズのE800にしても、
少し前のラックスのアンプ、それからテクニクスのSU-R1000もずんぐりむっくりだ。
皮肉めいたことをいえば、ずんぐりむっくりのオーディオ機器がこれからも登場し、
誰も苦言を呈することなく、それがあたりまえのようになってしまったら、
それはそれで調和がとれるようになるのかもしれない。
調和を求めたいからこそ、
オーディオ・システムのデザインの中心ということを考えるわけだ。