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Date: 1月 7th, 2016
Cate: audio wednesday

第60回audio sharing例会(アンプを愉しむ・その1)

毎月第一水曜日に四谷三丁目のジャズ喫茶喫茶茶会記で行っているaudio sharing例会。
昨夜は60回目、丸五年やってきたわけだ。

以前書いているように、喫茶茶会記のスピーカーが新調され、
常連のKさんがアンプを持ち込んでくれることになり、アンプの試聴会を行った。

audio sharing例会で本格的な音出しは今回が初めてである。
初めて来られる方もいるかな、と思ったけれど、
来られた方は常連の方ばかりで、その分、愉しんでもらえたように感じた。

アンプは是枝重治氏のアンプがコントロールアンプが一機種、パワーアンプが三機種がメインといえよう。
管球王国19号に発表されたコントロールアンプを固定して、
ラジオ技術2013年12月号発表の6AQ5プッシュプル、管球王国57号の7695シングル、
管球王国59号発表の807Aプッシュプルの順に聴いていった。

807Aプッシュプルを聴いた後で、コントロールアンプをゴールドムンドのMIMESIS7に替える。
MIMESIS7と807Aプッシュプルの音を聴いて、パワーアンプを7695シングルに替える。

次はオーラデザインのプリメインアンプVA40、
それからゴールドムンドのMIMESIS7とMIMESIS6のペアを聴いた。

スピーカーシステムはアルテックだが、
通常のセッティングではなく、この日のためにセッティングを変えた。
通常の喫茶茶会記での鳴り方とはずいぶん違った面を出せたと思っている。

ゴールドムンドのペアで、試聴ディスク以外をかけることになった。
そこでポリーニ/アバドのバルトークのピアノ協奏曲が鳴った。
1977年の録音である。

いまではバルトークの音楽は現代音楽ではなくなっているけれど、
このころは、まだ現代音楽であったように、私は感じている。
だからこそのアバドとポリーニの演奏だと思っている。

ここでの両者の気迫は、このディスクを最初に聴いた時、圧倒された。
いまでもそのことははっきりと憶えている。

アルテックのA7に準ずるユニット構成で、
そんなバルトークが鳴るものか、と思われるかもしれないが、
昨夜来られていた人で、このディスクを初めて聴いた人は、驚いていた。

そうだろうと思っていた。
まだまだ十全な鳴り方とはいえないところも多々あるけれど、
それでも1977年に、この演奏がなされた意図は、その音から伝わってきたのではないだろうか。

Date: 1月 5th, 2016
Cate: audio wednesday

第60回audio sharing例会のお知らせ(アンプを愉しむ)

今月のaudio sharing例会は、6日(水曜日)です。

明日の試聴機器です。
CDプレーヤーは、喫茶茶会記常備のラックスのD38u。

アンプは是枝重治氏のアンプがコントロールアンプが一機種、パワーアンプが三機種。
コントロールアンプは管球王国19号に発表されたモノで、組立ては別の人とのこと。
パワーアンプは、管球王国59号発表の807Aプッシュプル、管球王国57号の7695シングル、
ラジオ技術2013年12月号発表の6AQ5プッシュプル。
パワーアンプはすべて是枝氏の組立て。

トランジスターアンプはゴールドムンドのMIMESIS6とMIMESIS7のペア、
それからオーラデザインのプリメインアンプVA40。

この他は喫茶茶会記常備のマッキントッシュの管球式プリメインアンプMA2275、
コントロールアンプのC27の予定です。

あとARのModel 6。
CelloのAudio Paletteと同コンセプトのイコライザー。

スピーカーはアルテックの416-8C(ウーファー)、807-8A+811B(ドライバー+ホーン)、
グッドマンDLM2(トゥイーター)。
エンクロージュアはジェンセンがオリジナルのウルトラバスレフ型(日本では昔オンケン箱とも呼ばれていた)。

今回はスピーカーのセッティングを少し変えようと考えています。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 1月 4th, 2016
Cate: audio wednesday

第60回audio sharing例会のお知らせ(アンプを愉しむ)

今月のaudio sharing例会は、6日(水曜日)です。

ラジオ技術、管球王国に真空管アンプを発表されている是枝重治氏。
是枝氏が管球王国に発表されたアンプも、常連のK氏のご好意で聴けることになりました。

メーカー製のアンプと一緒に聴ける機会は、あまりないと思います。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 12月 30th, 2015
Cate: audio wednesday

第60回audio sharing例会のお知らせ(アンプを愉しむ)

2016年1月のaudio sharing例会は、6日(水曜日)です。

以前、瀬川先生がいわれたことがある。
定期的に来られていた熊本のオーディオ店での、アンプの試聴のときだった。

わかりやすくいえば、スピーカーの音の違いは人に例えれば外面であり、
アンプの音の違いは人の内面に関係することだから、
スピーカーによる音の違いと較べると、わかりにくい、把握しにくい──、
そんな趣旨のことを話された。

もちろん、ここでの話されたことがアンプによる音の違いのすべてではないわけだが、
たしかにそういう面があることはいえよう。

実際にスピーカーの違いはすぐにわかるけれど、
アンプの違いはわかりにくい、という人もいるのは、そういうこととの関係でもあるはずだ。

ステレオサウンド 36号で、黒田先生がアンプの音について書かれている。
     *
 かつてぼくは、アンプを食物にたとえたことがあった。たとえはついにたとえでしかなく、本質をいうことはできないにしても、食物が人間の身体に与える、じわじわとした、決してきわだちはしないが、確実な影響は、アンプがききてに与える影響と似ているところがあると思う。そのたとえにならっていえば、スピーカーは、部屋の窓にさげるカーテンということになるかもしれない。
     *
瀬川先生の喩えも黒田先生の喩えも、首肯ける。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 12月 29th, 2015
Cate: audio wednesday

第60回audio sharing例会のお知らせ(アンプを愉しむ)

2016年1月のaudio sharing例会は、6日(水曜日)です。

すでに告知しているように、1月のaudio sharing例会はアンプをいくつか集めての音出しを行う。
アンプ試聴と書かなかったのは、厳密な比較試聴ではなく、アンプの音を愉しみたいという目的からである。

アンプの大半は常連のKさんが用意してくださる。
トランジスターアンプだけではなく、真空管式アンプも加わる予定である。

毎回例会は19時から始まり、23時くらいまでやることもある。
今回は音を出すのが中心になり、しかもアンプを切り替えてということもあるので、
おそらく23時くらいまでやまことになると思う。

四時間やっている。
途中入場も途中退場も自由である。
堅苦しい雰囲気にはしたくない、と思っている。

アンプを愉しむ、といっても、基本は試聴であるから、
かけるCDは何枚かは同じものを使うことになる。
ただ、その数枚をくり返しかけるのではなく、リクエストがあれば応じていきたいとも思っている。

実際にはやってみないことにはなんともいえないが、
できるだけ臨機応変にやる予定である。

リクエストには応じる予定でいるので、聴きたいCDを持ってきていただきたい。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 12月 16th, 2015
Cate: audio wednesday

第60回audio sharing例会のお知らせ

2016年1月のaudio sharing例会は、6日(水曜日)です。

何度か告知しているように、1月の会はアンプの比較試聴を行う。
といっても、厳密な意味での比較試聴ではなく、
もっと気楽な意味でのアンプの聴き較べと思っていただきたい。

今回はそうなるわけだが、いつかは厳密な意味での比較試聴というものを、
喫茶茶会記のスペースでできるだけ再現してみたい、と考えている。

ここでの比較試聴とは、私がいたころのステレオサウンドでの試聴が、
どんな感じで行われていたのかを、大事なポイントを抑えなから再現できないか、と思っている。

アンプの比較試聴でもいいし、カートリッジの比較試聴でも、
対象となる機器は特にこだわらない。

どれかに決めて、例えばカートリッジの試聴ならば、どういったことに気をつけて試聴を行っていたのか。
私がいたころ、カートリッジの試聴は井上先生だけだった。

この時の記事は私が担当だったから、どんなふうに試聴を進んでいったのかははっきりと憶えている。
どういうことに注意しながら、プレーヤー、カートリッジ、トーンアーム、レコードを扱っていたのか、
そのへんのことも細かなことまで憶えているから、というよりも身体感覚となっているから、
いくつかの制約の中であっても、再現できる自信はある。

人によっては、そんな細かなことにまで気を使ってやっているのかと思われるかもしれないし、
その程度なのかと思われるかもしれない。

どちらであっても、想像以上に試聴はしんどいものであることは伝えられるはずだ。

Date: 12月 3rd, 2015
Cate: audio wednesday

audio sharing例会(今後の予定)

2016年1月のaudio sharing例会ではアンプの試聴会を行う。
この試聴会とは別に、モノーラルCDを聴く会、というものも予定している。

私のところにはJBLのホーン2397がある。
コンプレッションドライバー2441もある。
スロートアダプターの2329もある。

2329は、コンプレッションドライバー二発を一本のホーンに取りつけるためのアダプターである。
2441が四発あればステレオで、ということもできるのだが、二本しかないから、
2397に2441をダブルで取りつけられるのは一本だけ、つまりモノーラルになってしまう。

喫茶茶会記のウーファーはアルテックの416-8C、15インチのコーン型である。
上の帯域がダブルなら、とうぜん下の帯域もダブルである。

左右ふたつのエンクロージュアを近接配置して、そのうえに2397+2441×2をのせる。
アルテックとJBLの混合部隊になってしまうが、
ウーファーもドライバーもダブルというシステムを構成できる。

これをネットワークで鳴らすのもいいければ、せっかくだからマルチアンプ(バイアンプ)で鳴らす。
喫茶茶会記のアンプはマッキントッシュの管球式プリメインアンプMC2275。
このMC2275の左右チャンネルを低域と高域にふりわける。

具体的にはCDプレーヤーとMC2275のあいだに、
コンデンサーと抵抗によるパッシヴのハイカットフィルターとローカットフィルターを挿入する。
ハイカットフィルターをMC2275の左チャンネルに、ローカットフィルターを右チャンネルに接続すれば、
左チャンネルは低域用、右チャンネルは高域用アンプとなり、
モノーラルCDしか聴けないが、プリメインアンプ一台でバイアンプが実現できる。

低域・高域のレベルコントロールはバランスコントロールで行える。
やや特殊なシステム構成となるが、おもしろいサウンドが期待できそうな予感もある。

モノーラルCDしか聴けない特殊な試聴会になるが、来年ぜひやってみたいと考えている。
ただ2397と2441(二発)、2329を私の部屋から運ぶ手段をどうするかが、
ちょっと面倒に感じているけれど……。

Date: 12月 3rd, 2015
Cate: audio wednesday

第60回audio sharing例会のお知らせ

2016年1月のaudio sharing例会は、6日(水曜日)です。

次回の例会でちょうど60回。まる五年になる。
だからというわけでもないが、アンプをいくつか集めての試聴会を予定している。

スピーカーは喫茶茶会記のアルテックの2ウェイをメインに、グッドマンのトゥイーターを足したシステム。
今日も例会の終りの一時間は、このスピーカーを鳴らしていた。
前回、少し不備があったネットワークが別のモノに置き換えられていた。
良くなった点もあるし、気になる点もいくつかあるように感じた。

アルテック本来の明るさと、やや異質の明るさを感じたのはネットワークのせいなのかもしれない。
市販品のネットワークなのだが、コイルとコンデンサーの配置を見ると、
ネットワークのパーツ配置の基本は、すでに忘れ去られているのか、と思ってしまう。
同じパーツでも、配置を変えれば、とも思う。
このへんはもう少し詰めていく必要があるけれど、
ホーンの鳴きの処理を含めて、今後、少しずつ音が整えられていくと思う。

どんなアンプが集まるかは、もう少し先になって報告する。
最新のアンプではなく、私と同世代、もしくは上の世代の方にとって懐しいアンプがいくつか集まる予定。

かけるソースはジャズが多くなると思うし、
アンプの入れ替えがスムーズに進んで時間に余裕があれば、
ディスクをお持ちいただければリクエストにも応じられると思う。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 11月 30th, 2015
Cate: audio wednesday

第59回audio sharing例会のお知らせ(スピーカーの変換効率とは)

12月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

今回のテーマは、意外にもにもいろんなことを思い出させてくれる。
五年前に「確信していること(その1)」を書いた。
たった三行である。

瀬川先生が追い求められていた音とは、
クレデンザ、HMVの♯202、203といったアクースティック蓄音器の名器の音を、
真の意味でワイドレンジ化したものだった、と確信している。

これは私にとって長い間考え続けてきているテーマでもある。
良質の、というよりも極上のアクースティック蓄音器の音をワイドレンジにできるのか。

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオ」ALTEC号で、瀬川先生が書かれていることを、
このことに関連して思い出す。
     *
 そこで再びアルテックだが、味生氏の音を聴くまでは、アルテックでまともな音を聴いたことがなかった。アルテックばかりではない。当時愛読していた「ラジオ技術」(オーディオ専門誌というのはまだなくて、技術専門誌かレコード誌にオーディオ記事が載っていた時代。その中で「ラ技」は最もオーディオに力を入れていた)が、海外製品ことにアメリカ製のスピーカーに、概して否定的な態度をとっていたことが私自身にも伝染して、アメリカのスピーカーは、高価なばかりで繊細な美しい音は鳴らせないものだという誤った先入観を抱いていた。
 味生氏の操作でシュアのダイネティックが盤面をトレースして鳴り出した音は、そういう先入観を一瞬に吹き払った。実に味わいの深い滑らかな音だった。それまで聴いてきたさまざまな音の大半が、いかに素人細工の脆弱な、あるいは音楽のバランスを無視した電気技術者の、あるいは一人よがりのクセの強い音であったかを、思い知らされた。それくらい、味生邸のスピーカーシステムは、とびきり質の良い本ものの音がした。
 いまにして思えば、あの音は味生氏の教養と感覚に裏づけられた氏自身の音にほかならなかったわけだが、しかしグッドマンとアルテックの混合編成で、マルチアンプで、そこまでよくこなれた音に仕上げられた氏の技術の確かさにも、私は舌を巻いた。その少し前、会社から氏の運転される車に乗せて頂いたときも、お宅の前の狭い路地を、バックのままものすごいスピードで、ハンドルの切りかえもせずにグァーッとカーブを切って門の中にすべりこませたそれまで見たことのなかった見事な運転に、しばし唖然としたのだが、音を聴いてその驚きをもうひとつ重ねた形になった。
 使い手も素晴らしかったが、アルテックもそれに勝とも劣らず、見事に応えていた。以前聴いたクレデンザのあの響きが、より高忠実度で蘇っていた。最上の御馳走を堪能した気持で帰途についた。
     *
これを改めて読みなおしてより確信している。
そして、アクースティック蓄音器の響きを、より高忠実度で蘇らせるには必要なことはなんだろう、と考える。
絶対条件とは断言できないけれど、スピーカーの変換効率の高さは深く関係しているような気がする。

低能率のスピーカーシステムからは、そういう音は絶対に出てこない──、
これもまた断言できずにいる。
出てくるのかもしれないが非常に出難いように、いまのところは感じている。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 11月 29th, 2015
Cate: audio wednesday

第59回audio sharing例会のお知らせ(スピーカーの変換効率とは)

12月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

昨年7月に「自由奔放に鳴るのか」を書いた。
書き始めたばかりの別項「手本のような音を目指すのか」とも関係してくることでもある。

自由奔放に鳴る音は、手本になるような音ではないはずだ。
自由奔放に鳴る音のスピーカーが、いまの時代に現行製品として少なくなってきているように感じている。
スピーカーの性能としての物理特性が向上していくということは、そういうことなのかもしれない。
そうは思いながらも、何か違うのではないか……、とも思っている。

そういえば毎月、この例会で場所を提供してくれている喫茶茶会記のスピーカーはアルテックであり、
いまアルテックはなくなってしまった会社である。

アルテックといえば、
ステレオサウンド別冊のALTEC号の巻頭に山中先生が書かれていたことも思い出す。
こう書いてあった。
     *
 一つの興味深い例として、アルテックと非常によく似た構造のコンプレッシャー・ユニットを使うJBLのスピーカーシステムと比べた場合、JBLがどちらかといえばシャープで切れ味本位の、また言葉をかえれば、各ユニットを強力に束縛して自由をおさえた設計をとっているのに対し、アルテックは同じようなユニットを自由に余裕をもって働かせている印象が強い。
 これが実は、アルテック・サウンドを分析するファクターで、独特のあたたかみ、そして一種の開放感を有無もとととなっている。したがってアルテックのスピーカーは、一歩使い方をあやまると、やたら百花斉放な音にもなりかねないが、しかし、この性向をうまく活かして使った場合、たとえばオーケストラなどスケールの大きなダイナミックレンジの広い音の再生を際立たせることができる。また、充実した中音域によって、人の声、合唱、そうしたメンタルな要素の覆いソースをすばらしく聴かせることも容易だ。
     *
衰退していく前のアルテックは、まさに自由奔放に鳴ってくれるスピーカーの代表であった。
そのアルテックがなくなってしまった大きな理由は別のところにあるのだが、
それを承知のうえで時代の流れ(変化)ゆえ、といいたくもなる面もあるのではないだろうか。

自由奔放に鳴るスピーカーをうまく活かして使えば……、とこのごろ強く思う時がある。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 11月 21st, 2015
Cate: audio wednesday

第59回audio sharing例会のお知らせ(スピーカーの変換効率とは)

12月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

アナログディスクの生産量が増えている、というニュースを今年は何度か目にした。
カセットテープの人気も復活している、というニュースもあった。

インターネットで「アナログ回帰」で検索すると、
こんなにも……、と思うほど検索結果が表示される。

デジタルの音は冷たい、アナログの音はあたたかい──、
そんなことがいわれ続けているし、ここに来て、その声は大きくなりつつあるようだ。

このことと同時に言われてきたのは、
アナログディスク再生でも、CDよりもぎすぎすした音、冷たい音の製品はいくつもあったということだ。
アナログはあたたかい、デジタルは冷たい──などと、そう簡単にはいえないにも関わらず、
アナログ回帰ということで、短絡的な評価が罷り通りはじめようとしている気もしてくる。

アナログディスクの人気は、もはやブームではなく、完全な復活だという人も出て来ている。
ほんとうにそうだろうか、と私は懐疑的に見ている。

私はアナログディスクとCDは、
エネルギー伝送メディアと信号伝送メディアというふうに捉えている。

アナログディスクはエネルギー伝送メディアであり、
ならばそこで重要となってくるのはエネルギーの変換効率ではないだろうか。
それは、何もカートリッジの電磁変化効率だけではない、
最終的に音を発するのは、もうひとつの電磁変換機であるスピーカーである。

ならば、ここでも変換効率の高さは、エネルギー伝送メディアの再生においては非常に重要なことのはずだ。
にも関わらず……、と私は思っている。

12月のaudio sharong例会では、スピーカーの変換効率について話す予定である。
スピーカーのことにとどまらず、アナログディスクのことまで話を広げるかもしれない。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
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Date: 11月 10th, 2015
Cate: audio wednesday

第59回audio sharing例会のお知らせ(スピーカーの変換効率とは)

12月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

11月の回で予定とは違うことをやってしまったことは、すでに書いた通りだ。
アルテックのユニットを中心とした喫茶茶会記のスピーカーは高能率型といえる。

11月の回では最後にグレン・グールドのブラームスを鳴らしたことも書いている。
このグールドのブラームスのディスクの一曲目、間奏曲 op.117-1。
この曲の終りの消え入るようなグールドのピアノの音。

この時の音を聴いていて、高能率スピーカーに共通する良さも感じていた。

CDが登場したころにアナログディスクとの比較でよくいわれていたことがある。
アナログディスクはS/N比の確保が難しい。
けれどアナログではノイズフロアーであっても、ノイズの中からピアニッシモを聴き取ることができる。

デジタルはそうではない。ノイズはないけれど、
そういった微妙なニュアンスを伝えるのに欠かせない微弱な音も亡くなってしまう──。

だから、どちらがS/N比がいいとは一概にはいえない。
そんなことがいわれていた。

このことを、実は思い出していた。
11月4日に聴いたグールドのブラームスのピアニッシモは、
アナログディスクで聴いているような感じのピアニッシモに感じられたからだ。

CDも登場してから30年以上が経ち、S/N比は向上してきている。
喫茶茶会記では比較的新しいCDプレーヤーがある。

なので高能率のスピーカーだから、とは言い切れないのはわかっていも、
それでも感覚的には高能率のスピーカーでは、どこまでも耳を欹てている自分に気がつく。
そして、これはアナログディスクの聴き方に共通するところがある、と思っていた。

11月は、結局高能率型スピーカーについて話さなかったので、
12月は上に書いたことも含めて、高能率型スピーカー(スピーカーの変換効率)について話したい。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 11月 5th, 2015
Cate: audio wednesday

audio sharing例会(アンプ試聴の会)

毎月第一水曜日に行っているaudio sharing例会は、
2011年2月が一回目なので、2016年1月の会が60回目、まる五年になる。

10月に予告していたアンプの試聴会は、12月に行う予定でいたが、
喫茶茶会記の店主・福地さんの要望と、もうひとつ理由があって1月6日(水曜日)に行うことに決定した。
60回という節目だから、それもいいかもしれない。

今日(すでに昨日になっているが)も例会をやってきた。
予定ではスピーカーの能率について話すつもりだったが、なぜかスピーカーの調整になってしまった。

10月25日に喫茶茶会記のスピーカーのエンクロージュアが新しくなった。
ユニットはアルテックのユニットそのままで、ウーファーのエンクロージュアのみ、
ジェンセンがオリジナルのウルトラバスレフ型(日本では昔オンケン箱とも呼ばれていた)タイプになった。

エンクロージュアが新しくなって二週間も経っていない。
調整も本格的には行われていない状態。
とにかく音を出してもらって聴いた。

自由にいじっていいとのことで、予定を変更して今回来てくださった方の前で、調整をはじめた。
最初から調整を行う予定であればCDを持参して行くのだが、今回はまったくの手ぶら。
喫茶茶会記にあるクラシックのCDで、調整をはじめる。

何をどういじった(調整)したのかは具体的に書くようなことではないので省くが、
ケーブルを変えたりアクセサリーの類は使っていない。
何も足さずに何も引かずに調整してきた。

抜本的に手を加えなければならない点もみつかった。
これは後日なんとかするとして、約二時間、スコーカーとトゥイーターだけを動かしての調整。

音はそうとうに変っていった。
来てくださった方も満足して帰られた。

その後、店主の福地さんにも聴いてもらった。
まるで違う、という感想だった。
ふたりであれこれディスクを変えて聴いていたところに、
喫茶茶会記の常連の方が来られた。

このOさんは、すでに新しくなったスピーカーの音を聴かれている。
オーディオマニアの方ではない。
Oさんも、前回の音と全然違う、といってくれた。
そして中央の位置から立ち上って、部屋の左右に移動。

私が調整する前の音は左右のスピーカーの中央でしかまとなに鳴っていなかったけれど、
今日の音は部屋の隅に行ってもちゃんと鳴っている、とのこと。

まだまだやりたいことはあるし、
もっともっとよく鳴ってくれるスピーカーではあるが、
喜んで聴いてくれる人がいる音にはなっている。

1月6日の60回のaudio sharing例会までにはもっと調整しておきたい。
アンプもいくつか集まる予定である。
楽しい試聴会ができそうだ。

12月の例会は、別のテーマで行います。

Date: 10月 27th, 2015
Cate: audio wednesday

第58回audio sharing例会のお知らせ(スピーカーの変換効率とは)

11月のaudio sharing例会は、4日(水曜日)です。

別項でオンキョーのスピーカーシステムGS1について書いている。
GS1の、能率を犠牲にしたシステムとしてのまとめ方について書いているところだ。

変換効率を犠牲にして周波数特性をよくするのは、GS1だけではない。
他にもいくつかの例がある。

スピーカーは変換器である。
変換効率は変換器として重要な項目であるはずなのに、
アンプの進化によってプライオリティは低くなっている。

私は、いま100dB/W/mをこえるスピーカーを鳴らしている。
98dB/W/mのスピーカーユニットを鳴らしていたこともある。

90dB/W/m以下のスピーカーもいくつか使ってきた。

やはり変換効率の高さは、いまも重要だと確信している。
それでも単に無響室での出力音圧レベルの値と初動感度の良さは、
完全に一致するとは感じていない。

本来ならば、出力音圧レベルが同じであれば初動感度も同じのように考えられそうだが、
聴感上の初動感度も出力音圧レベルも、また何かの要素が関係している。

今回は、スピーカーの変換効率と関連することについて話したい。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 10月 18th, 2015
Cate: audio wednesday

第58回audio sharing例会のお知らせ

11月のaudio sharing例会は、4日(水曜日)です。

テーマはまだ決めていません。
時間はこれまでと同じ、夜7時です。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。