Date: 3月 6th, 2015
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(再会という選択・その4)

オーディオ機器との再会は、自分自身の選択以外にもある。
オーディオをながくやっていれば、オーディオマニアのリスニングルームに訪れる機会は、
少ない人でも何回はあるし、多い人はそれこそ数えきれないほどでもある。

とにかく誰かのリスニングルームで、以前使っていた・鳴らしていたオーディオ機器と、
ふたたび出会うことはまったくないわけではない。

こういうことが多いのか少ないのかは、なんともいえない。
JBLの4343、マークレビンソンのLNP2といったモデルであれば、そういう機会は割とありそうだし、
例えばSUMOのThe Goldあたりになると、めったになさそうともいえる。

何かの理由で手離したオーディオ機器と再会する。
予期できた再会もあれば、予期せぬ再会もある。

「いまさらLNP2ねぇ……」「いまさら4343ねぇ……」、
そんなことは懐古趣味だとばかりに短絡的判断を下す人は、
そんな時にも口に出さないまでも心の中で「いまさらねぇ……」とつぶやくのだろうか。

人によっては口に出してしまう人もいる。
誰かのリスニングルームに行き、そこで「いまさらねぇ……」という行為は、愚かしいとしかいいようがない。

Date: 3月 6th, 2015
Cate: ジャーナリズム

オーディオの想像力の欠如が生むもの(その1)

オーディオの想像力の欠如が生むものが、現在のオーディオ界である──、
そうは思いたくない。

けれど、完全に否定できずにいる。

オーディオに関わっている人すべてから、オーディオの想像力が欠如しているわけではない。
けれど、欠如しているとしか思えない人が、少なからずいる、と思える。

Date: 3月 6th, 2015
Cate: バッハ, マタイ受難曲

カラヤンのマタイ受難曲(その4)

カラヤン/ベルリン・フィルハーモニーによるマタイ受難曲。
CDは三枚組で、昨夜一枚目だけを聴いた。

いま聴いて良かった、と思っていた。
カラヤンのマタイ受難曲は1972年には出ている。

10代、20代のとき、聴こうと思えば聴けたわけだが、
もしそのころ聴いていたら、一回聴いて、それでいいや、ということになったと思うからだ。

若いうちに積極的になんでも聴いていくことは決して悪いことではないが、
必ずしも、それだけがよいことだともいえないのではないか、とも思う。
少なくとも私に関しては、カラヤンのバッハ演奏に関しては、そういえる。

人によって、聴くべき時期は違っている、ということかもしれない。

Date: 3月 5th, 2015
Cate: audio wednesday, 五味康祐

第51回audio sharing例会のお知らせ(五味康祐氏のこと、五味オーディオ教室のこと)

4月のaudio sharing例会は、1日(水曜日)です。

1980年4月1日、五味先生が逝去された。
だから4月1日の例会のテーマは「五味康祐」である。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 3月 5th, 2015
Cate: atmosphere design

atmosphere design(その2)

「空なる実装空間」

川崎先生のコメントには、そう書いてあった。

Date: 3月 5th, 2015
Cate: ステレオサウンド, 黄金の組合せ

黄金の組合せ(ステレオサウンド 194号)

昨夜、audio sharing例会でステレオサウンド 194号をじっくり見た(読んだとはあえて書かない)。

194号の特集が「黄金の組合せ」だと知り、
私だったら、こんなふうにする、と勝手に想っていた。

「黄金の組合せ」という表現を、いまあえて使い、
ステレオサウンドがどういう記事にするのか、非常に興味があった。

なにも私が想像していた通りでなければダメだとはまったく思っていない。
とにかくどういう内容で、どういう誌面構成にしたのかに興味があった。

特集の内容については、あえて書かない。
194号を見ながら考えていたのは、なぜ、この内容の特集に「黄金の組合せ」を使ったのか、である。

しかも「黄金の組合せ2015」となっている。
ということは、今回の特集の評判がよければ、来年の春号では「黄金の組合せ2016」をやるのだろうか。
冬号では、毎年恒例のステレオサウンド・グランプリとベストバイ、
春号は「黄金の組合せ」ということになれば……、
もうなんといったらいいのだろうか、言葉に迷ってしまう。

それとも来年秋の50周年記念号以降は、隔月刊にでもするのだろうか。
そのための布石としての「黄金の組合せ2015」だったのか、と、ちょっと思ったけれど、
隔月刊化は可能性としては低い。

そんなことよりも、なぜステレオサウンド編集部は、194号の特集に「黄金の組合せ」とつけたのか。
私は、ここに、なにがしかの「オーディオの想像力」を感じとることはできなかった。

Date: 3月 5th, 2015
Cate: 書く

オーディオにおけるスケッチとは(その3)

ならば「耳」の想像力とは、いったいなんなのか。

以前、組合せはオーディオの想像力、と書いた。
これはいまもそう思っている。

オーディオの想像力が、「耳」の想像力でもあるのだろうか。

Date: 3月 4th, 2015
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これまで(その1)

私が熱心にステレオサウンドを読んでいたころも、
私がステレオサウンドで働いていたころも、
日本のオーディオ機器には個性がない、とか、オリジナリティがない、とか、
海外オーディオのモノマネの域を脱していない、などよくいわれていた。

そういう面がまったくなかったとはいわない。
これらを言っていたのは、確かな人たちであり、なぜいわれるのかも納得はしていた。
けれど、ふり返ってみれば、その時代の国産MCカートリッジに関しては、
それらのことはあてはまらない、とはっきりいえる。

1970年代後半にMC型カートリッジのブームがおきた。
それまでMC型カートリッジに積極的でなかったメーカーも製品を出しはじめた。
これらのカートリッジの詳細と図解は、ステレオサウンド別冊HIGH-TECHNIC SERIES 2を参照してほしい。
長島先生による本である。

この本こそ、ステレオサウンドは電子書籍化して、
これから先何十年経っても読めるようにしてほしいと思う。

HIGH-TECHNIC SERIES 2の図解をみていけば、誰もが気付く。
国産MC型カートリッジの構造のオリジナリティに、である。

鉄芯巻枠を使った、いわゆるオルトフォンタイプのMC型もあるが、
ここから完全に脱却した各社独自のMC型カートリッジがいくつもの登場している。

Date: 3月 4th, 2015
Cate: 書く

オーディオにおけるスケッチとは(その2)

川崎先生の3月4日のブログ『アナログスケッチからデジタルスケッチへ・・』にある、
《それはスケッチがアナログであろうがデジタルであろうが、
「手」の想像力を訓練する一番の方法だと思っているからです。》と。

オーディオにおけるスケッチとは、「耳」の想像力を訓練する一番の方法ということになる。

Date: 3月 3rd, 2015
Cate: 老い

老いとオーディオ(その7)

ケイト・ブッシュが1989年に”THE SENSUAL WORLD”を出した。
センシュアルワールドであって、決してセクシュアルワールド(sexual world)ではなかった。

センシュアルとセクシュアル。
似てはいるけれど、まったく同じ意味の言葉ではないからこそ、どちらも存在しているわけである。

このときは「あぁ、オーディオはセンシュアルワールドだな」と思った。
26歳の時にそう思っていた。

いまちょうど倍の年齢になっている。
やはりセンシュアルワールドだな、と思いつつも、
セクシュアルワールドではない、とはっきりと言い切れるのか、となると、
いま考え込んでいる。

それは歳とともに増していく、己の執拗さに気づいているからだ。

Date: 3月 3rd, 2015
Cate: 黄金の組合せ

黄金の組合せ(タイムレスということ)

金は最も安定した金属だといわれている。
輝きを失わないのが金である。

ならば黄金の組合せも、そういう組合せであるべきではないのか。
10年経っても20年経っても、輝きを失わない組合せを、
人は意図的につくり出せるのだろうか。

黄金の組合せは、どこか発見するものような気がする。

Date: 3月 2nd, 2015
Cate: atmosphere design

atmosphere design(その1)

別項「この空間から……」の(その1)に、
Facebookで川崎先生のコメントがあった。

atmosphere designをどう定義するのか──、
真っ先に浮んだのが川崎先生のコメントだった。

Date: 3月 2nd, 2015
Cate: atmosphere design, デザイン
1 msg

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(atmosphere design)

オーディオのデザイン、オーディオとデザインについて考えていると、
オーディオ機器のデザインだけにとどまらず、
もうそろそろ空気のデザインということを考えていく時期に来ているように感じてしまう。

空気のデザイン、
つまりはリスニングルーム内の空気、
特定の空気であるから、アトモスフィア(atmosphere)のデザインとなる。

それはリスニングルームに、音響パネル、その類のモノを置くことも含まれはするが、
それだけのことにとどまらず、
リスニングルーム内の空気をどうデザインするかの領域を含んでの考えである。

Date: 3月 2nd, 2015
Cate: prototype

prototype(その8)

テクニクスのリニアフォースドライブスピーカーも、ビクターと同じように専用アンプ込みの技術である。

テクニクスは、スピーカーの歪の発生メカニズムを、Bl歪と電流歪の二つにわけられることとして、
この二つの歪の発生原因を専用アンプによる電子制御で除去しようとするものである。

Bl歪とは、ボイスコイルがギャップから離れたり、
ボイスコイル電流がギャップの磁束密度を変調させたりすることに起因する歪とある。

電流歪はボイスコイルが、ヒステリシスをもつ材質、
つまりポールピースや磁気プレートに囲まれているために発生する、
ボイスコイルのインピーダンスの非直線歪とある。

テクニクスの、この二つの歪解消のため、プッシュプル磁気回路を採用。
マグネットの両側にプレートがあり、ボイスコイルは二組ある。
そしてプレート間には制御コイルがあり、
ボイスコイルの両端にある磁気検出コイルからの信号により、
制御コイルに対して専用アンプが磁束フィードバックをかけている。

電流歪に対しては定電流駆動アンプを用いている。
磁束フィードバック用のアンプも定電流アンプである。

テクニクスもビクターも、理想といえるスピーカーシステムの開発には、
スピーカーだけでの技術ではなく、専用アンプ込みの技術をとっている共通点がある。
しかも汎用性の高い定電圧駆動のアンプではなく、定電流アンプを採用していることに注目したい。

Date: 3月 2nd, 2015
Cate: 「スピーカー」論

「スピーカー」論(ピストニックモーションにまつわる幻想・その1)

ソニーのマイクロフォンの広告からエレクトロボイスのことを思いだし、
エレクトロボイスといえば、フェノール系のダイアフラムのことを私は連想する。

アルテックにしろJBLにしろ、
ウェスターン・エレクトリック系のコンプレッションドライバーのダイアフラムは金属である。
JBLのドライバーにも、フェノール系のダイアフラムのモノはあった。
2470、2482などがそうである。
だがこれらのドライバーはPA用に使われることが多く、
スタジオモニター、家庭用のスピーカーでは使われていなかったし、
JBLのコンシューマー用ドライバーにはフェノール系のダイアフラムのモノはない。

そのため、どうしても金属系のダイアフラムの方が音のクォリティは上で、
フェノール系は下にみられることもある。

それにコンプレッションドライバーのダイアフラムとして使われ、
ピストニックモーションの範囲内でしか使わないのであれば、
ダイアフラムの材質固有の音はしない、という意見もある。

そう主張する人たちは、フェノール系よりも金属系のほうがピストニックモーション領域が広い、
なのでフェノール系のダイアフラムを使う意味はない、ということになるらしい。

だが、そう言い切っていいのだろうか。
ほんとうにピストニックモーションの帯域においては、
ダイアフラムの材質固有の音はしない、と言い切れるのか。