Date: 3月 2nd, 2015
Cate: prototype
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prototype(その8)

テクニクスのリニアフォースドライブスピーカーも、ビクターと同じように専用アンプ込みの技術である。

テクニクスは、スピーカーの歪の発生メカニズムを、Bl歪と電流歪の二つにわけられることとして、
この二つの歪の発生原因を専用アンプによる電子制御で除去しようとするものである。

Bl歪とは、ボイスコイルがギャップから離れたり、
ボイスコイル電流がギャップの磁束密度を変調させたりすることに起因する歪とある。

電流歪はボイスコイルが、ヒステリシスをもつ材質、
つまりポールピースや磁気プレートに囲まれているために発生する、
ボイスコイルのインピーダンスの非直線歪とある。

テクニクスの、この二つの歪解消のため、プッシュプル磁気回路を採用。
マグネットの両側にプレートがあり、ボイスコイルは二組ある。
そしてプレート間には制御コイルがあり、
ボイスコイルの両端にある磁気検出コイルからの信号により、
制御コイルに対して専用アンプが磁束フィードバックをかけている。

電流歪に対しては定電流駆動アンプを用いている。
磁束フィードバック用のアンプも定電流アンプである。

テクニクスもビクターも、理想といえるスピーカーシステムの開発には、
スピーカーだけでの技術ではなく、専用アンプ込みの技術をとっている共通点がある。
しかも汎用性の高い定電圧駆動のアンプではなく、定電流アンプを採用していることに注目したい。

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