老いとオーディオ(その7)
ケイト・ブッシュが1989年に”THE SENSUAL WORLD”を出した。
センシュアルワールドであって、決してセクシュアルワールド(sexual world)ではなかった。
センシュアルとセクシュアル。
似てはいるけれど、まったく同じ意味の言葉ではないからこそ、どちらも存在しているわけである。
このときは「あぁ、オーディオはセンシュアルワールドだな」と思った。
26歳の時にそう思っていた。
いまちょうど倍の年齢になっている。
やはりセンシュアルワールドだな、と思いつつも、
セクシュアルワールドではない、とはっきりと言い切れるのか、となると、
いま考え込んでいる。
それは歳とともに増していく、己の執拗さに気づいているからだ。