価格、価格帯とベストバイ(その1)
またか……、と思う人もいれば、楽しみにしている人もいるステレオサウンドの特集、ベストバイ。
定番といえるベストバイは35号から始まった。
二回目は一年後の39号ではなく、さらに一年後の43号。
おそらく35号の時点では、毎年掲載するようになるとは考えていなかったのだろう。
以前も書いているが、ベストバイという企画は編集者の体を休ませる意味合いもあった、と編集部の先輩から聞いている。
あの頃のステレオサウンドの総テストは、本当に大がかりだった。
そのため編集者の肉体的負担も小さくなかった。
毎号、総テストをやっていては体がもたない──。
試聴という取材がいらない企画としてのベストバイ。そういうふうにして始まったそうだ。
これも以前書いているが、ベストバイの号でいちばん面白った(読みごたえ)があったのは43号だ。
この43号からベストバイは、ステレオサウンドの定番の記事としてスタートといえよう。
三回目のベストバイは47号。ここまでは価格帯がなかった。
四回目の51号から価格帯ごとのベストバイとなっていくわけだが、
51号、55号のベストバイは面白くなかった(読みごたえがなかった)。
改悪だと感じていた。
59号のベストバイは、少し良くなっていた。ここでも価格帯が設けられていたが、高額な機種に関しては、いわゆる特別枠としてのベストバイという分け方だった。
読者として読んでいたころから、価格帯は意味がないと思っていた。
そこから四十数年経って、オーディオ機器の価格はずいぶん変った。いまでも価格帯が存在しているが、価格帯で分けることの意味はあるのか、といままで以上に思うだけでなく、無理も生じているし、大きくなっている。
なのになぜ価格帯を設けるのか。
二年ほど前、別項で書いているように、一位の数(機種)を増やすためであろう、と思っている。