Date: 3月 14th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 全生新舎からの告知

全生新舎は、整体協会・身体教育研究所/狛江稽古場を拠点とする
野口晴哉氏のお孫さんの野口晋哉さんの団体。
全生新舎のインスタグラムでは、毎月のaudio wednesdayのフライヤーが公開されます。
フライヤーをつくられているのは、野口晋哉さんです。

下記の紹介文も野口晋哉さんです。
     *
audio wednesdayは毎月第一水曜日に(公社)整体協会・狛江稽古場にて行われているクラシック音楽鑑賞会です。毎月異なるハイエンド・ヴィンテージオーディオを組み合わせ、その妙を活かしながら比較的大きい音量で音を鳴らしています。通常、和室は音響が沈む傾向にあり、音楽を聴く場所として適切でないとされますが、当和室は音が響く特性があり、コンサートホールでも自室でも経験できないような特徴的な音響経験を鑑賞いただけます。音楽、もしくオーディオに興味のある方のご参加をお待ちしております。
     *
全生新舎のX(旧twitter)もあります。
野口晴哉記念音楽室レコード鑑賞会の告知も、全生新舎のインスタグラム、Xでなされます。

Date: 3月 13th, 2024
Cate: plain sounding high thinking

オーディオはすでに消えてただ裸の音楽が鳴りはじめる(その17)

《オーディオはすでに消えてただ裸の音楽が鳴りはじめる》
3月6日のカザルスの無伴奏チェロ組曲は、私にとって答にかぎりなく近い、と信じられる。

Date: 3月 13th, 2024
Cate: Pablo Casals

カザルスのバッハ 無伴奏チェロ組曲(その2)

カザルスによるバッハの無伴奏チェロ組曲は、
SP盤をアクースティック蓄音器でも聴いている。

LPでも、日本盤とイギリス盤で聴いている。
CDを聴いている。SACDも聴いている。

どれが一番だということは、鳴らす機器によっても大きく違ってくることだから、
それぞれが、自分で聴ける範囲で聴いていくしかない──、そうとしかいえない。

3月6日のaudio wednesdayでの、TIDAL(MQA)でのカザルスは、
すでに書いているように私がこれまで聴いた中では最高といえるほどだった。

1936年の演奏(録音)とは、まったく思えなかった。
もちろん最新のデジタル録音のように聴こえてきたわけではない。
冷静に聴けばモノーラルだし、復刻につきもののスクラッチノイズもある。

けれどカザルスのリアリティは群を抜いていた。
正直、ここまで鳴るのか、と困惑も少しばかりあった。

別項で「オーディオはすでに消えてただ裸の音楽が鳴りはじめる」を書いている。
私にとっての「裸の音楽」が、この時のカザルスが最初でないのか。
そんなことを思いながら、ただ聴くだけだった……

Date: 3月 13th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第三夜・Apogee Duetta Signature + 1.0(その4)

4月3日のaudio wednesdayでは、
アキュフェーズのCDトランスポート、DP100、
それからD/Aコンバーター兼コントロールアンプとしてメリディアンの818を使う。

3月の会ではメリディアンのULTRA DACだったのに、
今回はなぜ818? と思われるだろうが、
4月のシステムはDP100だけが私のモノで、クレルもアポジーもHくんの私物である。
Hくんが宇都宮の自宅から運んできてくれる。

つまりHくんのシステムそのものを鳴らすということでもある。
同じシステムでも部屋が変れば、当然音は大きく変る。

セッティングして鳴らす人が変れば、ここでも音は変る。

自分の使っているオーディオ機器を、ほぼすべて移動して別の空間で鳴らすというのは、
大変なことだ。
それでも同じ個体をもってくるだけに、そこでの音の違いをどう受けとめるのか。
これは、その人次第である。

どちらがいい音で鳴るのかは、誰にもわからない。
それでも、その結果を真正面から受けとめれば、
自身のシステムの可能性を確かに探ることになる。

得られることはある。他では得られないことでもある。

Date: 3月 12th, 2024
Cate: ハイエンドオーディオ

ハイエンドオーディオ考(その7)

4月3日のaudio wednesdayで、別項で触れているように、
アポジーのDuetta SignatureをクレルのKMA200で鳴らす。

時代的に揃っている組合せであり、
1980年代のハイエンドオーディオをふり返ることにもなる。

そこであらためてハイエンドオーディオについて考えてみたい。

ハイエンドオーディオが使われはじめたのが、いつなのか。
おそらく1970年代後半あたりからであろう。
一般的に広くつかわれるようになったのが約十年後、1980年代半ば過ぎからか。

とにかく四十年以上が経っている。
そのあいだにハイエンドオーディオの使われ方も、ずいぶんと変ってきた。

名器やヴィンテージオーディオと同じように、安っぽい使われ方も見受けられるようになった。
なんでもかんでも名器と呼ぶ人がいるし、
すこしばかり古い製品の大半をヴィンテージオーディオと呼ぶ人も増えてきている。

これが名器? これがヴィンテージオーディオ?
そう問いたくなることが増えているのは、ソーシャルメディアを眺めていると、
どうも日本だけではなく他の国でもその傾向はある。

ハイエンドオーディオも、その傾向があるが、
それ以前に、ハイエンドオーディオのはっきりとした定義はどこかにあるのだろうか。
使われ始めたころは、なんとなくではあっても共通の認識のようなものはあった。
少なくとも私はそう感じていた。

価格が高いモノだけがハイエンドオーディオの範疇ではなかった。
それがいつしか非常に高額なモノがそう呼ばれるようになってきた。

けれど、ここで考えたいのは、非常に高額なオーディオ機器は、
そのブランドの最高級機であるから、その意味では確かにハイエンドオーディオといえる。

でも、最近のそれはハイエンドオーディオと呼ぶよりも、
ラグジュアリーオーディオであって、そのラグジュアリーオーディオのなかには、
ハイ・ラグジュアリーオーディオ、その上のハイアー・ラグジュアリーオーディオ、
さらにその上のハイエスト・ラグジュアリーオーディオがあるような印象を持っている。

このラグジュアリーオーディオは、もうオーディオマニアのモノではない。
そんな感じすら受ける。

Date: 3月 11th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第三夜・Apogee Duetta Signature + 1.0(その3)

4月3日のaudio wednesdayには、私はエラックの4PI PLUS.2を持っていく。
Hくんからのリクエストでもあるし、
実を言うと、2月、3月のサウンドラボの時にも持っていこうかな、と考えていただけに、
アポジーとエラックの組合せは、私自身、ぜひとも聴いてみたいし、
おそらくこれから先、そういう機会はないだろう。

ただうまくいくのかはなんともいえない。
アポジーはリボン型で後方にも前方と同じように音を放射している。
当然、前方は正相であれば後方は逆相のダイボール型の指向特性のスピーカーである。

一方エラックの4PI PLUS.2は同じリボン型でも、水平方向360度の無指向性。
前方であっても後方であっても正相、逆相は同じである。

そこでアポジーの高域とエラックの高域とが、どんなふうに干渉するのかは、
やってみないとわからない。ちょっと予想がしがたい。

タイトルでは、Apogee Duetta Signature + 1.0としている。
+1.0とはエラックのことなのだが、失敗すれば-1.0になることだってある。
曲(録音)によってうまくいったり、そうでなかったりするのか。
これも楽しみのひとつである。

4月のaudio wednesdayは、1980年代のハイエンドオーディオの音の再現ともいえる。
そのころすでにCDは登場していたけれど、44.1kHz、16ビットのPCMだった。
いまは違う。
そのことが出てくる音にどう作用していくのか。

Date: 3月 11th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第三夜・Apogee Duetta Signature + 1.0(その2)

アンプも暖まっていない。
スピーカーも、どうなのかははっきりとはいえないが、
しばらく鳴らされていなかった感じを受けた。

それでも鳴ってきた音は、懐しいだった。
Duetta Signatureの下のモデル、Caliper signatureは真剣に導入を考えた。
このサイズならば、六畳間でもなんとかいける。
そうとうに心は動いていた。

それだけに懐しかったわけだ。

Hくんは、というと、彼にとってはアポジーはずっと憧れの存在だったそうだ。
そして、アポジーの音は初めてだ、ともいっていた。

リボン型スピーカーをつくっていたアポジー(Apogee Acoustics)は、1999年に解散している。
三十代のHくんにとっては、初めての対面なのは当然なのだろう。

3月6日、セッティングを手伝ってくれた数人だけ、アポジーのDuetta Signatureの音を聴いている。
二時間ほど鳴らしていただろうか。
鳴らし始めのころから音は次第に変ってくる。

このままDuetta Signatureを鳴らしたい気持も沸いてきたけれど、
そういうわけにはいかない。
それでサウンドラボに交替。

その音を聴いて、Hくんは思うところがあったようだ。
それもあって、4月3日のaudio wednesdayでも鳴らすことになった。

アンプはクレルのKMA200のまま。
セッティングは、3月6日はサウンドラボの位置だったが、
4月は思うところあって、大きく変えるかもしれない。
実際は音を聴いての判断になるから、こうするとははっきりとはいえない。

どういうセッティングになっているかは当日の楽しみにしていただきたい。

アポジーをステレオサウンドの試聴室で聴いていたころ、
私は二十代だった。いまでは六十を超えてしまった。
それだけに、当時のモデルを鳴らすにあたって、昔とは違う。

Date: 3月 11th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第三夜・Apogee Duetta Signature + 1.0(その1)

3月6日のaudio wednesdayでは、サウンドラボのスピーカーを鳴らした。
私のfacebookをみた人ならば、その前に鳴らしていたスピーカーがあることに気づいていよう。

喫茶茶会記でやっていたころからの常連のHくんがいる。
Hさんもいるから、私よりもかなり若いのでHくんとさせていただく。

彼は最初、愛知県豊田市から来てくれていた。
それから兵庫からになり、現在は栃木の宇都宮から、である。

2月と3月、サウンドラボを鳴らしたクレルのKMA200は彼の私物だ。
宇都宮から運んでもらっている。

3月には、別のモノがあった。
それがアポジーのDuetta Signatureである。

3月6日の数日前、彼はヤフオク!で、このスピーカーを落札している。
Duetta Signatureが出品されていたのは知っていた。
落札金額はかなり安いかった。

1980年代、アポジーが登場したころステレオサウンドで働いていただけに、
当時の昂奮ぶりを知っている(味わっている)者としては、
いまではこんな評価(金額)なのか──、と、思うしかない。

もっとも引き取り限定ということがあっての落札金額なのだろうが、
それにしても安かった。

それを落札していたのがHくん。
彼は3月6日の朝、Duetta Signatureを引き取っている。
そのままaudio wednesdayに来てくれて、セッティングの手伝いをやってくれた。

彼が言う、この部屋でDuetta Signatureを聴いてみたい、と。
私だって聴いてみたい。
それでクルマからDuetta Signatureを降ろして、サウンドラボの設置場所に置く。
ひさしぶりに聴くアポジーの音だった。

アンプはクレルのKMA200だから、アポジー登場時の組合せともいえる。
当時、クレルもアポジーも輸入元はRFエンタープライゼスだった。

Date: 3月 10th, 2024
Cate: ワーグナー

ワグナーとオーディオ(その10)

今年から音を鳴らしているaudio wednesdayは、
開始は19時からだが開場は18時で、すでに三回行っているが、
18時から来られた方に音を聴いてもらっている。

あくまでも本番は19時からなのだが、
システムのウォーミングアップや全体の調子をはかるうえでも、
本番では鳴らさないであろう曲を主にかけている。

3月の会では、カラヤンの「パルジファル」をかけた。
三十分ほど鳴らしていた。
そのまま続けて鳴らしたい(聴いていたい)と思ったけれど、
ワグナーの「パルジファル」を一方的に最後まで聴かせるというのは、
ある種の暴力に近いのかもしれない。

そんなことを思うから、途中でボリュウムを下げることになるわけだが、
それでもいつかは「パルジファル」か「トリスタンとイゾルデ」を、
最初から最後まで通してかけたい。

やりたいとは考えているものの、やることはないだろう。

Date: 3月 9th, 2024
Cate: Pablo Casals

カザルスのバッハ 無伴奏チェロ組曲(その1)

バッハの無伴奏チェロ組曲を、一度も聴いていないというクラシック好きの人はいない。
確認したわけではないが、そう断言してもいいと思っている。

もしクラシック好きといっておきながら、無伴奏チェロ組曲を聴いていない人は、
クラシック好きではない、といってもいい。

クラシック好きでない人でも、バッハの無伴奏チェロ組曲は、どこかで耳にしている。
ドラマで使われていたりする。

そういう曲において、カザルスの演奏は別格だった。
私も、まずはカザルスの演奏(録音)を聴く、と、
その存在を知ってときからそう心に決めていたし、実際にカザルスのLPを最初に買った。
それからフルニエを買った、マイスキーなど何人ものチェリストの演奏(録音)を聴いた。

カザルスによる無伴奏チェロ組曲は、歴史的重みもあった。
でも、だからといって、バッハの無伴奏チェロ組曲を聴く時、
常にカザルスを聴いていたわけではなかった。

最初のころはカザルスを多く聴いていた。
けれどカザルスのディスクを取り出すことは減っていった。

CDで登場した時も、すぐに買った。
それでも常にカザルスというわけではなかった。

Date: 3月 9th, 2024
Cate: High Resolution

TIDALという書店(その25)

その昔,瀬川先生が熊本のオーディオ店に定期的に来られている時、
しっかりしたケースに、けっこうな枚数のLPを持ってこられていた。

それらすべてのLPを試聴に使われていたわけではなかったから、
どんなレコードが他にあったのか、知りようがなかったし、
毎回、同じレコードを持ってこられていたわけではないことは確かだった。

LPにしてもCDにしても、車を持たない、車での移動が大変な長距離の場合、
持っていける枚数はどうしてもかぎりがある。

あれもこれも持っていきたいと思っても、それは無理。
四谷三丁目の喫茶茶会記でaudio wednesdayをやっていたときも、
ディスクの選定は迷うものだ。

今年1月からのaudio wednesday (next decade)では、
1月はTIDAL、2月はSACDを中心にディスク、3月はMQA-CD中心とTIDAL。

そのため3月の会では、メリディアンのULTRA DACの他に、
roon一式をハイレス・ミュージックの鈴木さんに用意していただいた。

トランスポートにアキュフェーズのDP100、D/AコンバーターにメリディアンのULTRA DAC、
TIDALにはroonのNucleusという構成だ。

使ってみると、頭でわかっていても、なんて便利なんだろう、と実感できる。
自分の部屋ではあたりまえのこととして捉えていても、
こうやってどこかで音を鳴らす際には、そのありがたさがよくわかる。

TIDALにすべてがあるわけではない。
TIDALにある曲でも、MQAで聴けなかったりもする。
両方あれば、以前のようなディスクの持ち運びから解放される。

もちろんある程度のディスクを持っていくことになるが、
あれもこれもと枚数が増えていくことはなくなる。

ディスクの持ち運びの大変さを知っている人ならば、いい時代になったと思えるはず。

Date: 3月 8th, 2024
Cate: マーラー

マーラーの第九(Heart of Darkness・その15)

3月6日は、
バーンスタイン/ベルリンフィルハーモニーによるマーラーの第九をかけた。
部屋を暗くして鳴らした。

当日まで、バーンスタインかジュリーニかで迷っていた。
MQAということで、バーンスタインにした。

次に迷ったのは、どの楽章をかけるかだ。
第一楽章にするか第四楽章にするか。

かける寸前まで迷っていた。
かけたのは第一楽章だ。

部屋を暗くしての約三十分間。
マーラーの音楽をあまり聴いていない人にとっては、しんどい時間だったかもしれない。

一楽章が終る──、
このまま第二楽章、第三楽章、第四楽章までかけたい──、
そう思っていた。

けれど会の最後にはカザルスの無伴奏チェロ組曲をかけると決めている。
時間の余裕はない。

マーラーの第九を最後までかける、ということはしなかった。
けれど、会が終って、お礼の言葉をくださった方は、
この録音を、こういう音で聴けるとは思ってもいませんでした、
第四楽章まで聴きたかった、ともいわれた。

個人的には、まだまだと感じていた点は多々ある。
それでも、そういってくださる人がいるということは、
マーラーの音楽として鳴り響いていたことは間違いないはずだ。

Date: 3月 8th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その16)

3月6日のaudio wednesdayでは、
アンカーのモバイルバッテリーのPowerHouse 90が二台揃った。

一台は私の、もう一台は常連のHさんが持ち込まれたモノ。
私のPowerHouse 90は、前回と同じく、サウンドラボのスピーカーへの電源供給。

サウンドラボのコンデンサー型スピーカーの消費電力は2Wと発表されている。
もしかするともう少し大きいのかもしれない──、
と思っていたけれど、輸入元のクリストファーさんによると、やはり2Wとのこと。
実測中の写真も見せてもらった。たしかに2Wである。

ということは二台で4W。20W以下の消費電力ということで、
自動的に十五分ほどで電源が落ちるはずなのに、今回も問題なく最後まで、
約五時間ほど使えたし、残量も前回とほぼ同じだった。

HさんのPowerHouse 90もサウンドラボに接いでみればよかったのだが、
当日は、ちょっとばかりいろいろやっていて、その時間を確保できなかった。

HさんのPowerHouse 90は、会の最後のほうで、ハブ用に使った。
この効果はかなり大きかったと感じている。

昨日の「audio wednesday (next decade) – 第二夜を終えて」で書いている、
カザルスのバッハの素晴らしさは、このことも大きく関係しているように感じている。

Date: 3月 7th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第二夜を終えて

昨晩の第二夜を終えて、いくつか書きたいことがある。

昨日は朝から寒かった。
雨も降っていた。
しかも3月、年度末だから、来られる方は少ないだろうな、と予想していた。
予想していた通り、少なかったけれど、二人の十九歳の男子大学生が参加があった。

大学生以下は無料なのだが、そんな若い人たちが来てくれるなんて、
まったく思っていなかっただけに、このことはなかなかに嬉しいことだった。

二人ともオーディオマニアというわけではないが、
昨晩の音を聴いて、何か感じるものがあったのならば、次回以降も来てくれるだろう。

昨晩はほぼ一年ぶりにメリディアンのULTRA DACを聴いた。
いいD/Aコンバーターだ、という以上に、
私にとっては、やはり「心に近い」D/Aコンバーターだ、と確信できた。

それから予告していたことをやった。
バーンスタイン/ベルリン・フィルハーモニーによるマーラーの第九番を、
MQAで、部屋の照明を落としてもらっての再生を行った。
来られていた方から、お礼の言葉をいただいた。

最後にかけたのは、カザルスのバッハの無伴奏の第二番。
第一夜で、まったくといっていいほど鳴らなかったのだけれども、
昨晩の音は、私にとってかなりの驚きだった。

終了後、器材の片づけをしながら、
メリディアンを持ってきてくださったハイレス・ミュージックの鈴木さんと話していた。
鈴木さんも、カザルスの鳴り方にそうとう驚かれていた。

1936年の録音である。
いまから八十八年前の録音。
まったくそんなふうには感じられなかった。

SP盤復刻だから、スクラッチノイズがある。
そのノイズの聴こえ方が、いままで幾度となく聴いてきた鳴り方とは違う。

デジタルで再生しているにも関わらず、そのスクラッチノイズは、
良質のアナログプレーヤーをきちんと調整した時のそれそのものだった。

カザルスはTIDALでMQAでの再生である。

Date: 3月 6th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第三夜・Apogee Duetta Signature + 1.0

4月3日のaudio wednesday (next decade) – 第三夜は、
アポジーのリボン型スピーカーシステム、Duetta Signatureを鳴らす。

詳しいことは後日書くが、
Duetta Signatureにエラックの4PI PLUS.2を追加する。

アンプは引き続き、クレルのKMA200を使う。