カザルスのバッハ 無伴奏チェロ組曲(その1)
バッハの無伴奏チェロ組曲を、一度も聴いていないというクラシック好きの人はいない。
確認したわけではないが、そう断言してもいいと思っている。
もしクラシック好きといっておきながら、無伴奏チェロ組曲を聴いていない人は、
クラシック好きではない、といってもいい。
クラシック好きでない人でも、バッハの無伴奏チェロ組曲は、どこかで耳にしている。
ドラマで使われていたりする。
そういう曲において、カザルスの演奏は別格だった。
私も、まずはカザルスの演奏(録音)を聴く、と、
その存在を知ってときからそう心に決めていたし、実際にカザルスのLPを最初に買った。
それからフルニエを買った、マイスキーなど何人ものチェリストの演奏(録音)を聴いた。
カザルスによる無伴奏チェロ組曲は、歴史的重みもあった。
でも、だからといって、バッハの無伴奏チェロ組曲を聴く時、
常にカザルスを聴いていたわけではなかった。
最初のころはカザルスを多く聴いていた。
けれどカザルスのディスクを取り出すことは減っていった。
CDで登場した時も、すぐに買った。
それでも常にカザルスというわけではなかった。