アッカルドのロッシーニ:弦楽のためのソナタ集
サルヴァトーレ・アッカルドによるロッシーニの「弦楽のためのソナタ集」は、ステレオサウンドにいたころ、よく聴いた。
といっても、自分でディスクを買って聴いていたのではなく、試聴レコードの一枚として、何度となく聴いていた。
耳にタコができるほどではなかったが、同じところをくり返し聴いていた。
試聴レコードとして使われていたのだから、録音は良かった。演奏も良かったし、当時、レコード雑誌でも高い評価をつけられていたと記憶している。
聴いている人は、だからけっこう多いだろう。でも、私はアッカルドの、このディスクは買わなかった。CDになった時も、CDになったんだ、くらいの感想しか待てずに、そのままだった。
思い出したように聴くようになったのは、ストリーミングがあるからだ。ストリーミングでのジャケットは、廉価盤CDのジャケットだから、当時のアルバムとは違って、そっけない。
でも、そんなことは、音が鳴ってきた瞬間、昔のジャケットが浮かんできた。あのころは、まだLPだったから、試聴室のアナログプレーヤーの置き台に立てかけてあった。
試聴によく使うLPは、置き台に立てかけてあった。ジャケットからディスクを取り出して、プレーヤーのターンテーブルプラッターにおく。そんなことを、よく聴いたなぁということとともに思い出した。
あの頃はロッシーニは、あまり聴かなかった。いまもたいしてかわらなくて、あまり聴かない。そんな私でも、アッカルドによる「弦楽のためのソナタ集」は、ふと聴きたくなることがあるし、聴き始めると、時間があれば最後まで聴いている。
あの頃は、最後まで聴くことは一度もなかった。ストリーミングをやってなかったならば、ストリーミングで配信されていなかったら、聴き直すこともなかっただろう。