2023年をふりかえって(その4)
二人の死は訃報で伝わってきたからはっきりとしている。
けれど、もう一人、友人でありオーディオ仲間のAさんが亡くなったようである。
はっきりとそうだとわかっているのではない。
けれど亡くなったとしか思えないことがいくつもある。
Aさんと出逢ったのは、2005年の秋だった。
インターナショナルオーディオショウのあとに、共通の友人のYさんが、Aさんを紹介してくれた。
きっと二人は相性がいいだろう、という予感があったそうだ。
二年前ぐらいから、体調がすぐれないとは本人からきいていた。
検査入院もしたけれど、特に悪いところは見つからなかった、ときいていたから、
いずれ体調も快復してくれるだろう──、そんなふうに思っていた。
けれど今年5月に、もう一度、検査入院をすると連絡があった。
彼が入院しているときにショートメールで少しやりとりしただけで、
退院してきたら、以前のように会えるだろう、と思いながら、
いつぐらいに退院なのかというメールを送信したところ、戻ってきてしまった。
えっ、と思い、電話してみると通じなくなっている。
自宅の固定電話も同じだった。
Yさんに確認してもらったけれど、同じだった。
彼のところにも5月の終りごろに短いメールが届いていた、とのこと。
このこと以外にもいくつかのはっきりした事実からいえるのは、亡くなったのだろう、だ。