Archive for 3月, 2018

Date: 3月 18th, 2018
Cate: ロマン

オーディオのロマン(ソニー SS-R10・その1)

1996年だったか、ソニーからコンデンサー型スピーカーシステムSS-R10が登場した。
ペアで300万円という価格もそうだったが、それ以上にソニーからコンデンサー型、ということでも、
驚いた記憶があるし、ながくオーディオをやっている人ならば、
ソニーとコンデンサー型スピーカーとが結びつきにくかっただろう。

唐突に登場してきた感があった。
ソニーはコンデンサー型マイクロフォンは、それ以前から手がけていたのだから、
それほど唐突でもないだろう、といわれるかもしれないが、
ソニーのスピーカーの流れを知っていれば、唐突といえたし、
SS-R10の技術を活かした普及クラスの製品や、後継機種が登場したわけでもない。

唐突だな、は、いつしか唐突だったな……、に私の中では変っていた。

2010年秋、瀬川先生の文章を集中的に入力していた数ヵ月がある。
そのとき気づいた。
ステレオサウンド 5号、瀬川先生の「スピーカーシステムの選び方まとめ方」、
その中に、こう書いてあった。
     *
 コンデンサー型スピーカーについては、中〜高域の透明な美しさにくらべて、低音域の厚みが不足したり、力強さがないなどという意見がよく聞かれる。その当否は別として、QUADのスピーカーを中域から上で使うようにして、低域をふつうのコーン型のウーファーに分担させるという、ソニーの大賀氏のアイデアを実際に聴かせて頂いて仲々よい音質だったので、使いこなしのひとつのヒントとしてご紹介させて頂く。
     *
聴かせて頂いて、とあるから、大賀典雄氏のシステムだったのだろう。
つまり大賀氏は、この時期(1967年ごろ)、QUADのESLを鳴らされていたことになる。

これがSS-R10と結びついた。
私のなかでむすびついただけであって、事実かどうかはわからない。
けれど、SS-R10開発のゴーサインは、大賀氏が出されたのではないだろうか。

SS-R10はコンデンサー型とは思えない重量である。
スピーカー本体が78kg、別筐体のネットワークが18kg、100kg近い。
QUADのESLはネットワークは内蔵されていて、18kg。
ずいぶんと違う。
どちらも3ウェイである。

ソニーという会社とQUADという会社の規模の違いともいえそうな、
この重量の違い、いいかえれば物量投入の違いは、
QUADのESLを鳴らしながらも、
低音をコーン型ウーファーで補っていた大賀氏の不満から生じたもののような気もする。

Date: 3月 17th, 2018
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアとして(圧倒的であれ・その2)

三年前に「オーディオマニアとして(圧倒的であれ)」を書いた。
昨年暮にも「二度目の「20年」(オーディオ少年よ、圧倒的であれ)」を書いた。

圧倒的であれ、といまも強くおもう。
同時に圧倒的な何か、についてもおもう。

50をこえたから、よけいにそうおもうのかもしれない──、
圧倒的な破壊衝動が、オーディオ少年だったころにはあった(もっていた)ような気がする。

「THE DIALOGUE」が呼び起こしてくれた感覚だ。

Date: 3月 17th, 2018
Cate: ディスク/ブック

ソング・オブ・サマー

ソング・オブ・サマー」が出ていたのを、
つい先日知った。

エリック・フェンビーによるディーリアスの本だ。
ディーリアスの名前だけは知っていた。
けれど、まだきいたことがなかった高校生のころ、
ケイト・ブッシュの三枚目のアルバムに「Delius」があった。

その歌詞に、フェンビーの名が出てくる。
フェンビーの名前を初めて知ったのは、ケイト・ブッシュの「Delius」のおかげだ。

とはいえフェンビーのことについて、すぐに何かを知ることができたわけではない。
二、三年して、やっとフェンビーのとディーリアスの関係について知った。

それでもフェンビーによるディーリアスを聴けたわけではない。
そのころの日本では、ビーチャム、バルビローリによる演奏が、
ディーリアスの定番となっていた。

どちらも聴いた。
でも、私は、ビーチャム、バルビローリによるディーリアスの音楽を聴く前に、
ケイト・ブッシュの「Delius」を聴いている。
その影響があるのは自分でもわかっている。

もっと違うディーリアスがあっていいのではないか──、
そんなふうに感じるところがあった。
何かもどかしさを感じていたともいえる。

フェンビーによるディーリアスのCDが出たのはいつだった。
1985年、もう少し前だったか、
六本木のWAVEで見つけたときは、嬉しかった。
やっとフェンビーの演奏でディーリアスが聴ける。

一方的な期待を持ちすぎて、初めてのディスクを聴いてしまうのは、おすすめしない。
フェンビーのディーリアスは、よかった。

ケイト・ブッシュの「Delius」で、私の中になにかが出来上っていたディーリアス像、
それにぴったりとはまるような感じを受けた。

正直にいおう、フェンビーのディーリアスを聴いて、
初めてディーリアスの音楽がいい、と思えた。

フェンビーの「ソング・オブ・サマー」は、評価も高いようだが、
残念なことにフェンビーによるディーリアスのCDはほとんどないのが現状だ。

CD-Rの七枚組を見つけた。
20代前半に聴いたフェンビーのディーリアス、
30年後に、もう一度聴けるだろうか、どう感じるのだろうか。

Date: 3月 17th, 2018
Cate: High Resolution

Hi-Resについて(山下達郎と中島みゆき)

「山下達郎 ハイレゾ」で検索すれば、
DSD、SACDには興味がない、という発言をFM放送でした、という記述が見つかる。
ロックンロールは、48kHz、24ビットで十分で、ハイサンプリングにすれば、
ロックンロールの疾走感が失われる、とのこと。

だから山下達郎のSACDがないのはわかる。
けれど中島みゆきがないのはどうしてだろうか。

CDの保護層の新素材が出ると、中島みゆきのCDは採用が早い。
ガラスCDまで出している。
3月にはHQCDも発売である。
にも関らずSACDは、ライヴ盤一枚だけである。
これもマルチチャンネル再生のためのSACDのようである。

SACDを出さないのはヤマハミュージックの方針なのか、
それとも中島みゆきも、山下達郎と同じように感じているのか、
それとも別の理由があるからなのか。

Date: 3月 16th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その51)

バッファーアンプをつけ加えることは、
ノイズ的に考えれば、ゲイン0dBのノイズをつけ加えることである。

ゲイン0dBだからノイズのレベルは低いはずだが、それでもゼロというわけではない。
LNP2を測定してみれば、バッファーの有り無しでは、ノイズに違いがあるはず。

このゲイン0dBのノイズだけが、バッファーがあったほうが、
LNP2の表現力が増す理由のすべてではないと考えているが、重要な要素だと捉えている。

バッファーをつけなくとも、LNP2にはゲイン0dBにできる機能がある。
INPUT AMPのゲインは、どの時代のLNP2であっても0dBのポジションがある。

ここを0dBにしておけば、高価なモジュールLD2を二個追加する必要はなくなるのか。
別項「LNP2になぜこだわるのか」の(その5)、(その6)、(その7)、(その8)に書いているが、
このdB GAINの切り替えは、音に大きく影響する。

瀬川先生も書かれていたし、私も何度も試してみたが、ゲインは高くしたほうがいい。
鳴らすスピーカーの出力音圧レベル、パワーアンプのゲインによっては、
ゲインを高くすると、やや使いづらくなる面は確かにあるが、それでも音のよさにはかえられない。

矛盾しているではないか。
そういわれるかもしれない。
INPUT AMPのゲインの0dBの音は認めてなくて、
バッファーの0dBはいいのか、と。

Date: 3月 15th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その50)

瀬川先生が、LNP2はバッファーアンプ付きの音で評価されていたのは、
瀬川先生がLNP2について書かれた文章を読んできた者には、いわば常識である。

バッファーアンプ付きということは、LD2モジュールを追加することである。
PHONO入力からライン出力まで、LNP2は三つのLD2を経由しているわけで、
バッファーアンプを付けるということは、四つめのLD2を経由して、信号は出力される。

バッファーアンプのゲインは0dBである。
バッファーアンプがあろうとなかろうと機能的には変りはない。

通常のオーディオの捉え方では、余分なアンプ(モジュール)をひとつ通るわけだから、
それで音が良くなるわけはない──、そうなる。

そんなことは瀬川先生も承知のうえで、バッファーアンプについて書かれていた。
口の悪い人、なんでも色眼鏡で見てしまう人などは、
瀬川冬樹の耳もあてにならない、とか、
瀬川冬樹も輸入元からの鼻薬で、そんなことを書いていた、とかいう。

バッファー付きのLNP2の音を聴かずに、そんなことをいう短絡思考の人がいる。
まず、なぜなのか、と考えないのか。

私は、LNP2のバッファーのことは、ずっと頭の隅にあった。
直接、瀬川先生に訊けるのであれば、その理由を知りたい。
おそらく、瀬川先生は、理屈なんてどうでもいいから、音を聴いてごらん、といわれるだろう。

それで音が良ければ、それでいいのである。
そう思って、私としては、納得のいく理由を、長いこと考えてきた。
別項で、そのことについても書いている。

そしてその理由のひとつが、バッファー追加で加わる新たなノイズである。

Date: 3月 14th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その8)

BYBEEを試したことはない。
BYBEEが謳っていることが事実だとして、
量子ノイズを取り除いてくれたとして、それがどういう音になるのかは、だから知らない。

ただBYBEEの中に無誘導巻線抵抗が使われていたという事実だけで、
メーカーも抵抗値も違う無誘導巻線抵抗を、電源ラインに挿入して実験しただけである。

結果は、1月に3Wのモノを作ったあとに、
アンプにも使えるように5Wのモノを作ったことで、察しがつくと思う。

さまざまな条件で試してみた上で、こまかいことについて書くつもりでいるが、
電源ラインとはいえ、直列に挿入される抵抗は、いわは余分な素子である。
通常ならば、デメリットしか考えられないが、
実際の音は、デメリットはあるが、メリットもある。

ほんとうに量子ノイズが取り除かれるのだろうか。
そうだとしたら、量子ノイズとは、いったいどういう性質のノイズなのだろうか。

わからないことだらけである。
それでも音は変る。
確かになんらかの効果がある変化も聴ける。

今度はラインラインに挿入してみようか、と考えている。
電源ラインへの挿入と同じ変化が得られるのか、
それとも変化の仕方に違いが見られるのか。

抵抗の値は、一桁大きい値にしてみたほうがいいのか、
同じように0.22とか0.1Ωがいいのか。

audio wednesdayで実験してみる予定である。

Date: 3月 14th, 2018
Cate: マルチアンプ

マルチアンプのすすめ(自動補正がもたらすもの・その2)

先日、非常に興味深い話を聞いた。
いま数社から発売されている自動補正機能をもつプロセッサーについて、だった。

どのメーカーなのかは、書かない。
この種の器材はソフトウェアのヴァージョンアップで、その問題点が解決されることがあるし、
他社製の同種の製品も、同じ問題点を抱えている可能性もあるからだ。

マッキントッシュのスピーカーシステム、XRT20に対して自動補正をしようとすると、
途中でフリーズしてしまうとのことだった。

自分の目で確認したわけではないから、
それがほんとうにフリーズといっていい現象なのか、はっきりとしたことはいえないが、
とにかく考え込んでしまっているかのように、動作が止ってしまう、らしい。

XRT20は3ウェイとはいえ、
トゥイーターは24個のソフトドーム型を直列・並列接続して使っている。
どうもXRT20のようなスピーカーシステムは、
自動補正機能にとって、想定の範囲外の存在のようなのだ。

想定の範囲内のスピーカーシステムであれば、
初対面のスピーカーであっても、きちんと動作するけれど、
そうでないスピーカーシステムが相手だと、対処できない。

これはXRT20のようなスピーカーに対してだけなのか。
BOSEの901に対しては、どうなんだろうか。
他にもいくつか、試してみたいスピーカーは浮ぶ。

おそらくXRT20にしてもトゥイーターセクションが、
ソフトドーム型24個ではなく、リボン型、コンデンサー型だったりしたら、
きちんと動作するのかもしれない。

Date: 3月 14th, 2018
Cate: ディスク/ブック

針と溝 stylus&groove

本の雑誌社から齋藤圭吾氏の「針と溝 stylus&groove」が出ている。

写真集だ。
「カートリッジとアナログディスク」ではなく「針と溝」の書名があらわしているように、
カートリッジの針とアナログディスクの溝をマクロ撮影した写真がおさめられている。

Date: 3月 13th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その7)

BYBEEに使われている無誘導巻線抵抗は、日本では入手しづらい。
けれどDALEのモノなら、簡単に入手できる。

どのメーカーの無誘導巻線抵抗かによっても結果は違ってくるだろうが、
まずは試してみることであり、それには手に入るモノでやってみる。

ということで昨年暮、秋葉原の海神無線で、
0.22Ω(2W)のDALEの無誘導巻線抵抗を買ってきた。
ほんとうは0.1Ωにしたかったが、3Wの0.1Ωは品切れだった。

それからACプラグのオスとメスも買ってきた。
電源ラインにDALEの無誘導巻線抵抗を直列に挿入するための購入である。

0.22Ωの抵抗はさほど大きくないので、ACプラグ内に収まった。
何も知らない人が見たら、ACプラグのオスとメスを数cmのケーブルで結んだだけの、
何ら変哲のない、何をやっているのかもわからないアクセサリーてある。

これを1月のaudio wednesdayで試した。
3Wという容量を考慮して、CDプレーヤーに使ってみた。
会の途中から挿入し、最後まで挿入したままで聴いていた。

1月に使ったモノは、常連のHさんに貸した。
3月のaudio wednesdayでは、0.1Ω(5W)を使い、同じアクセサリーを作った。
今回はマッキントッシュのプリメインアンプに使うつもりでの製作である。

製作といっても、ハンダ付けは四箇所。
すぐに作れるし、ポケットにいれて持っていける。

いままでだったら、こんなモノを作ろうとは考えなかった。
DALEの5Wの抵抗はそこそこ大きな抵抗とはいえ、
内部に使われている線材の径は細い。

電源ケーブルの芯線と比較すると頼りないくらい、である。
しかもACプラグが余分にふたつ、さらに短いとはいえケーブルもそこに加わる。

これだけでも音が良くなりそうには思えない。
むしろ悪くなりそうである。

それでも無誘導巻線抵抗に、なんらかのノイズを取り除く効果がもしあるのならば、
悪くなるだけでなく、良くなるところもあるはずだし、
やってみないことには始まらない。

Date: 3月 13th, 2018
Cate: audio wednesday

第87回audio wednesdayのお知らせ(YUME DE AETARA)

4月のaudio wednesdayのテーマは「ネットワークの試み」と、
先週書いたばかりだが、前半はネットワークの実験を行なって、
後半は3月21日に発売になる
EIICHI OHTAKI Song Book Ⅲ 大瀧詠一作品集Vol.3 「夢で逢えたら」(1976~2018)』を、
じっくり聴いていこう、と考えている。

「夢で逢えたら」一曲だけを、86テイク収めた二枚組のCD。
聴いていないカバーのほうが、多い。

すべてを聴いている人は少ないように思う。
これは聴いたことがある、
これ初めて、
意外にいいね、
そんなことを話ながら聴いていくのも、春だからいいように思う。

4月のaudio wednesdayは、4日。
場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。
19時開始です。

Date: 3月 13th, 2018
Cate: コントロールアンプ像

トーンコントロール(その表示)

その3)に書いているように、
ルボックスのプリメインアンプB750MK2の3バンドのトーンコントロールの真ん中の帯域は、
MIDではなく、PRESENCEとなっている。

3kHzより上の帯域をいじると、確かに空気感が変っていく。
ルボックスがMIDとはせずに、PRESENCEとするのもうなずける。

マーグオーディオ(maag AUDIO)というプロ用のイコライザーがある。

マーグオーディオのイコライザーにはAIR BANDとAIR GAINと呼ばれるふたつのツマミがある。
AIR BANDは周波数の切り替えで、2.5kHz、5kHz、10kHz、20kHz、40kHzから選択できる。
AIR GAINは文字通りブースト量の調整で、減衰はできない。

AIR BAND+AIR GAIN、確かに空気感である。

Date: 3月 12th, 2018
Cate: 使いこなし

喫茶茶会記のスピーカーのこと(その15)

アルテックの806と802はカタログに発表されている数値で比較すると、
磁束密度は13000ガウス(806)と15200ガウス(802)で、
出力音圧レベルは108dB(806)と110dB(802)、
重量は2.6kg(806)と3.18kg(802)で、
806よりも802は磁気回路が強力といえる。

806と802の関係は、JBLにおるけるLE175とLE85のようなものだ。
LE175の磁束密度は16000ガウス、LE85は19000ガウスで、
重量もLE85が1kg以上重い。

岩崎先生は、LE175とLE85の違いは、高域になるほど強くなる最強エネルギーの違いであり、
それは圧倒的な違いでもある、といわれている。

私はアルテックの806と802を比較試聴したことはない。
806と802にも、LE175とLE85の音の違いが、そのまま当てはまるのかどうかはなんともいえないが、
そう当らずとも遠からずだとは思う。

高域になるほど、806と802のエネルギーには違いが出てくるであろうし、
802よりも高域においてのエネルギーが弱いであろう806だから、
075とうまくつながったのかもしれない。

もしドライバーが802であったなら、クロスオーバーポイントを変えたり、
802の上をカットしたり、という工夫が必要になった可能性は、十分考えられる。

結果オーライである。

Date: 3月 12th, 2018
Cate: 使いこなし

喫茶茶会記のスピーカーのこと(その14)

まだ高校生だったころ、アルテックの2ウェイにトゥイーターを追加するならば……、
とあれこれ考えたことがある。

そのころはJBLはすぐに除外した。
合いそうにないと思ったからだ。

アルテックから3000Hという、
マイクロフォンの構造をそのままトゥイーターに流用したといえるホーン型トゥイーターがあったが、
これがうまくアルテックのドライバーとつながってくれるとは思えなかった。

他にトゥイーターといえば、パイオニアのリボン型(PT-R7)、
テクニクスのリーフ型(10TH1000)が、その優秀性を誇っていたし、
気になる存在ではあったが、アルテックの2ウェイにうまくつながるとは思えなかった。

リボン型では、アメリカのピラミッドのT1が良さそうだった。
とはいえペアで40万円ほどする非常に高価なトゥイーターだけに、憧れだけの存在でもあった。

いったい現実的な価格で、アルテックの2ウェイにあうトゥイーターはあったのか。
エレクトロボイスのT350かな、とそのころは考えていた。

ステレオサウンドで働くようになって、井上先生に何かの機会にきいたことがある。
井上先生は、アルテックにエレボイのトゥイーターは合わない、といわれた。
ちょっと意外だったが、よくよく考えてみると、そういうものかもしれないと思うところもある。

実際のところ、試したことはない。
井上先生のいわれるように本当に合わないのか、
それともなんとか工夫すれば、うまくいく可能性があったのか。
おそらく合わないのだろう。

結局JBLになってしまうのか。
今回075でうまくいった。
でも、それはドライバーが802ではなく806だったからかも、と思うところもある。

Date: 3月 12th, 2018
Cate: LNP2, Mark Levinson

Mark Levinson LNP-2(silver version・その5)

(その1)で紹介しているサイトは、
その後もシルバーパネルのLNP2についての情報が書き足されている。

シルバーパネルのLNP2は、これ一台だけなのだろうか。
だとしたら、これはやはり、マーク・レヴィンソンが、
瀬川先生のためにつくった一台なのかもしれない、というおもいが、強くなっている。

LNP2は、INPUT AMPのゲインを切り替えられる。
上記のリンク先には、こう記述されている。
     *
webを見ていて面白いことに気づいた
silver LNP のシリアルNo.は1929
この1番前のNo.1928がハイファイ堂で売られていたのだ
dB GAINを見ると0-10-20
1929のdB GAINは0-10-20-30-40
ということは
No.1001~1010 dB GAIN 0-10-20-30-40
No.1011~1928 dB GAIN 0-10-20
No.1929~○○○○ dB GAIN 0-10-20-30-40
No.○○○○~2667 dB GAIN 0-5-10-15-20
ということになる
○○○○が知りたいな
     *
このところを読んで、シルバーパネルのLNP2は、やはり瀬川先生のための一台だったんだ──、
少なくとも私のなかでは、そう信じられるようになった。

dB GAINに、30と40が加わっているからだ。
たったそれだけの理由? と思われるだろうし、
そんなことが理由になるの? とも思われるだろう。

私の勝手な思い込みなのは書いている本人がいちばん実感している。
まるで見当はずれのことを書いている可能性もある。
それでもいい。

シルバーパネルのLNP2は瀬川先生のための一台だった──、
そう信じ込んでいた方がいい、とおもう。