Date: 6月 6th, 2016
Cate: audio wednesday, LNP2, Mark Levinson
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LNP2になぜこだわるのか(その5)

今回のaudio sharing例会でかけた曲をあげれば、
スーパーギタートリオの”Friday Night In San Francisco”が、
LNP2のゲイン切り替えによる音の変化について説明しやすい。

LNP2のゲインを20dBから10dBにする。
もうこれだけで録音会場の雰囲気が大きく変化する。
10dBの時の音は、狭い空間のライヴハウスのようになる。
天井も低く感じられる。

そのことにより演奏しているパコ・デ・ルシアとアル・ディ・メオラとの距離が近くに感じられる。
そういう捉え方もできなくはないが、
どうしても窮屈な印象が出てきてしまう。

それに試聴に使った一曲目の”Mediterranean Sundance”での、
ふたりのギターの音色が、20dBの時ほど鮮明になってこない。
どこか似たような音色に感じられるし、
狭い空間での演奏と感じてしまうのは、どこか音が飽和しているような感じがつきまとうからである。

こういうことが関係してなのだが、
演奏している場の空気もどこか澱んでいるようにさえ聴こえる。
一言で表すなら、聴感上のS/N比が悪い音なのだ。

そういう場での演奏を好む人がいるを知っている。
そういうふうになってしまうのを知った上で、あえて10dBの音、さらには0dBの音を選ぶのならば、
私がとやかくいうことではない。

でも”Friday Night In San Francisco”は、そういう場での演奏ではない。
少なくとも、音場と音場感についてこだわりをもっているのならば、
10dB、0dBの音を選択することはありえない。

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