Archive for 2月, 2018

Date: 2月 14th, 2018
Cate: plus / unplus

plus(その16)

オーディオにながいこと取り組んでいると、
システムは複雑化の方向に走ってしまうことがある。

オーディオの知識がついてくる。
必要な知識、不要な知識、さまざな知識がついてきて、
そのことによってもシステムは複雑化していく傾向がある。

複雑なシステムを使いこなす快感も、オーディオという趣味にはひそんでいる。
複雑なシステムを組んで悦に入っている。

その人がなにかのきっかけで、その複雑なシステムを一度バラして、
正反対のきわめてシンプルなシステムにしてしまうこともある。

その16)に書いたアクセサリーも同じことである。
屋上屋を重ねる的使い方をしてきたアクセサリーを、
すべて(もしくはほぼすべて)取り去ってしまう。

その音に、ハッとすることは、多くの人が経験していることではないのか。

複雑なシステムからシンプルなシステムに戻した時に、じつはオーディオの発見がある。
複雑なシステムのときには、はっきりと意識してなかったけれど、
なんとなく感じていた、気づいていたようなことが、
シンプルなシステムにすることで、はっきりと気づく。

それが発見のはずだ。

シンプルなところからスタートして少しずつ複雑の方向へと向う。
そして一度シンプルなところに戻る。

でもしばらくすると、また違う方向の複雑化へと向い、またシンプルへ、と。
そのくり返しによって、発見は増えていく。

Date: 2月 13th, 2018
Cate: 情景

富士山は見飽きないのか(その1)

最寄りの駅が国立だから中央線によく乗る。
夕方早い時間でも、空気の澄んだ日は、富士山が見える。

見えるたびに「あっ、富士山だ」と心でつぶやく。
年に一度か二度ほど、後方でも、「富士山が見える」という声がすることがある。

今年になってよく行っているところも、窓から富士山が見える。
見えない日もある。
見える日は、「今日も富士山、きれいだな」とか思う。
なにか得した気持になる。

東京に住んで30年以上。
いったい何回富士山を見てきただろうか。
なのにいまでも「あっ、富士山だ」と思う。

富士山は見飽きないのか。

Date: 2月 13th, 2018
Cate: モノ

キヤノン AE1

中学二年になったばかりの春、
キヤノンからAE1というカメラが登場した。

当時読んでいた学研が出していた中学生向けの月刊誌にも、
AE1の広告は載っていた。

その数年前から父は写真に凝っていた。
モノクロ写真を自分で現像していた。

休日は、一日自分の部屋にこもっての作業をしていた。
そんな父の楽しそうな姿を見ていたから、
写真に興味をもった時期が、私にもあった。

ちょうどそのころと重なるようにAE1が登場した。
本体価格は、八万円くらいだった。
すぐには無理でも、なんとか買えそうな気がした。

中学生向けの月刊誌に広告を出していたくらいだから、
キヤノンも、10代の若者をターゲットにしていたのかもしれない。

最初に買うカメラはこれだ! と決めた。
よし貯金をするぞ、と思った。
1976年の春のことだった。

結局、この年の秋に「五味オーディオ教室」に出逢う。
そこでカメラへの興味を抑え込んだ。

まだ買えてなかったから、できたのかもしれない。
「五味オーディオ教室」との出逢いが二、三年遅れていたら、どうなっていただろうか。

AE1のこと思い出し、ふとそんなことを思うのは、
最近、写真家の野上さんと話すことが増えたからかもしれない。

まぁ、写真はヘタの横好きで終っていたであろう……

Date: 2月 13th, 2018
Cate: 使いこなし

喫茶茶会記のスピーカーのこと(その9)

2017年後半から、毎月第一水曜日のaudio wednesdayでは、
トゥイーターをJBLの075にしている。

075の設計はそうとうに古い。
曲によっては、そのことを如実に感じるし、
別の曲では、まったくそのことを感じさせずに、いい感じで鳴ってくれる、と感じることもある。
(もっともレベルもきちんと揃えていない状態での感想なのだが)

もっともそういうところが古い設計といえば、そうである。
075は、以前書いているように預かりモノだ。

たまたまやって来た075なのだが、
それ以前は、グッドマンのDLM2であり、
正直、このトゥイーターの鳴り方がどうにも不満だった。

別のトゥイーターに替えてみたい、と思っていた。
ちょうどそんなときにAUDAXのトゥイーターの存在を知った。

出力音圧レベルは、アルテックのシステムに組み合わせるに少々低いけれど、
音は試してみなければわからないから、一度やってみたい、と考えていた。
そんなときに075がやって来たから、購入することも試すこともしなかった。

けれど別項で書いている「オーディオの楽しみ方(つくる)」に、
AUDAXのトゥイーターを、SICAのフルレンジの上に足した音を聴いた。

これは実際に試してみるのもおもしろい、という手応えを感じてもいた。
やや変則的な3ウェイにはなるが、
まったくダメな結果になるとは思えない。

少なくとも、いくつかのポイントを調整していけば、
これはこれで075とはひと味も二味も違った印象の音にまとめることはできるはず。

Date: 2月 12th, 2018
Cate: フルレンジユニット

シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(その14)

たった二例(二社)だけの採用例なのに、
もう頭のなかでは三本のフルレンジユニットの配線をどうしようか、と考えている。

4Ωのユニットを三本並列にしたら、1.33Ωとなる。
これではいくらなんでも低すぎ。

8Ωのユニットだと2.66Ω。
これでも低すぎる。

となると4Ωのユニット三本を直列にすれば、12Ωとなる。
妥当な値である。

三本を直列接続するとなると、
それぞれのユニットの取付位置と接続の順番について考える必要がある。
通常の三角形配置の場合、
上側に位置するユニットの配線の順番をどうする。
一番目か二番目か、それとも三番目か。

考えてても、音を聴くまではなんともいえないのだが、
なんとなくなのだが、二番目、
つまり真ん中に位置するようにしたほうがいいように感じる。

実際に作ったときも、どこかにまず決めて配線をしなければならない。
決めて音を聴いて、配線の順番を変えてまた聴く、そのくり返しだ。

シーメンスのEurophonのように逆三角形の配置であっても、
下側にくるユニットの配線の順番は二番目のような予感がある。

その上にトゥイーターをつけるのであれば、
B&OのBeoLab 90ように三本を三角形配置にするのか、
それともEurophonのように縦一列にするのか。

Europhonのように四本のトゥイーターを縦一列にする場合、
BBCモニターのLS5/1のように、
上側のトゥイーターは3kHzあたりからロールオフさせたほうがいいのか、
そのほうが定位がシャープになるような気もする。

Date: 2月 12th, 2018
Cate: 電源

電源に関する疑問(バッテリーについて・その2)

一ヵ月ほど前、古くからの友人のKさんと電話で話していた。
その時、バッテリーのことが話題になった。

Kさんが立ち会ったある録音現場でのこと。
ノイマンのコンデンサーマイクロフォンの電源を、
本番の前に、フル充電のバッテリーに交換しておこう、としたら、
止められた、とのこと。

バッテリーの残りは、約半分。
そのくらいからが音がいいから、そのままの状態で、ということだったそうだ。

40年くらい前の話である。
そのころから、録音の現場(すべてではないだろうが)では、
電池の残りが少なくなってきたほうが、音がいいということは常識であった。

つまり一次電池、二次電池、どちらも同じなのだ。

AC電源かDC電源か。
どちらが音がいいのかは、人によって違っている。
絶対的に電池(DC電源)だ、という人もいるし、
いや、AC電源(商用電源)の方がいい、という人もいる。

電池といっても、さまざまな種類があるから、
どの電池でも音がいい、というわけではないし、
商用電源は外部からの影響を受けるから、これも一概にはいえない。

私としては、電池ならば、音がいい悪いよりも、
常に安定した状態の音が得られる、と期待していた。

つまり商用電源のように、どこかにつながっているわけではないから、
外部からの影響はない。
これは、ひとつの安心感である。

もちろん電池の劣化はあるものの、
商用電源が外部からうける影響の度合と変化にくらべれば、
それはある程度コントロールできる範囲でもある──、
そう思っていた。

けれど電池は減ってきた状態の方が、音がいい──、
このことは電池もまた別の意味で不安定な電源である。

Date: 2月 11th, 2018
Cate: 電源

電源に関する疑問(バッテリーについて・その1)

電源部から供給されるDC(直流)を、
信号に応じて変調して出力しているのが、アンプであるからこそ、
電源の質はそのまま出力の質でもある。

アンプの電源として、理想はバッテリー(電池)だと、
ずっと昔からいわれ続けてきている。

実際の製品でも、バッテリーを搭載したアンプはいくつか登場してきた。

MC型カートリッジのヘッドアンプは、以前から電池使用のモノがあった。
マークレビンソンのJC1は、AC電源仕様とDC電源仕様とがあった。

日本のメーカーからも、海外のメーカーからも、登場してきているし、
消費電力の少ないコントロールアンプだけでなく、
パワーアンプにもバッテリー電源を採用したモノもあった。

電池といっても、充電が行えるタイプ(二次電池)もあればそうでないタイプ(一次電池)もある。
電解液を個体に染み込ませた乾電池もあれば、液状のままの湿電池もある。

電池こそが理想の電源と主張する人たちであっても、
湿電池のほうがいい、という人もいれば、いや乾電池(一次電池)がいい、という人もいる。

さらに、それぞれの種類の中でも、このメーカーの電池が音がいい、
そういうことになっていく。

確かに電池の種類で音は少なからず変化する。
私がポータブルCDプレーヤーを買ったのは、28年前だった。
いくつかの電池を買ってきては、どのくらい音が違うのか、やってみた。

音は変る。
けれど、電池の銘柄による音の違いよりも、
同じ電池でも、使っているうちに音が変化することのほうが気になった。

買ってきたばかり(未使用)の電池が、音もいい、と、
最初は思い込んでいた。
しかし聴いているうちに、そうではないことに気づく。

電池が減ってきた、と表現するような状態での音の方がいいのだ。

Date: 2月 11th, 2018
Cate: 快感か幸福か

快感か幸福か(秋葉原で感じたこと・その4)

別項「耳の記憶の集積こそが……」で、
耳の記憶の集積こそが、オーディオである、と書いている。

「功成り名遂げた人に相応しいオーディオ」のどこに、
耳の記憶の集積があるのか。

だから、あの店のあのフロアーはオーディオ店ではなく、
トロフィー屋にすぎないのだ。

Date: 2月 10th, 2018
Cate: 楽しみ方

オーディオの楽しみ方(つくる・その26)

今回のスピーカー作りで、あらためて実感したのは、
オーディオは裏切らないし、音は正直だ、ということ。

やることの順序を間違えずにきちんとやっていけば、
実に、出てくる音は素直に反応する。

今回使ったスピーカーユニットは、特に高価なモノではない。
普及クラス、入門者用ともいえる価格帯のモノであっても、
ツボをおさえたうえで、あれこれやっていくと、その反応の素直さに驚かれる人も出てくるだろう。

今回トゥイーターはインライン配置にしている。
おそらく左右にオフセットするよりも、インライン配置のほうがいい結果が得られるはずだ。

それでも、左右にオフセットした音も聴いてみてください、と伝えている。
音は変化するし、インライン配置よりもいい結果が得られるとは思えないが、
そのことも伝えたうえで、オフセットした音も聴いてほしいのは、
音の変化を理解していくうえで、必要だ、と私は考えているからだ。

トゥイーターの位置を変えることは、
フルレンジ(ウーファー)との音源の位置関係が変るだけではなく、
エンクロージュアの天板への加重も変化し、天板の振動モードもそれに応じて変化する。

天板の振動モードの変化は、エンクロージュアを構成する他の箇所の振動モードへの変化にもつながる。

何かを変化させる。
目に見えるのは、その変化だけだったりするが、
実際にはさまざまなところがわずかとはいえ変化している。
そのトータルとしての音を、われわれは聴いている。

音の変化を理解するとは、そういうことでもある。

Date: 2月 10th, 2018
Cate: 楽しみ方

オーディオの楽しみ方(つくる・その25)

わずか5mmだから、そのことで耳に到達する音圧がどれだけ下るかといえば、
ほとんど変化ない、といえるけれど、聴いた感じはそうとうに違ってくる。

これならいける、という感触の得られる音になってきた。
この状態で数曲聴いて、さらにもう5mm下げる。
最初の位置からすれば1cm後に下がっている。
さらにいい感じに鳴ってきた。

こうなってくると、特にアッテネーターの必要性を感じさせない。
SICAのフルレンジユニットの高域をカットすることも、いまのところやる必要性はない。

それから、もうひとつ、どんなことをやったのかは書かないが、
そのことによって、最初に鳴った音とは印象が大きく違ってきた。

まだまだやれることはいくつもあるが、しばらくはこの状態で聴いてもらい、
次のステップに進もう、ということになった。

AUDAXのトゥイーターは、うまくいった、といえるし、
今回やったことは、いわゆるスピーカーの教科書に書いてあるようなことではない。
でも、誰でも試せることばかりである。

マルチウェイのシステムとして、もっともミニマムな構成てあっても、
やれることはそうとうにある。

それらをどういう順序で試していくか、ということが重要でもある。
この順序を何も考えずに、手あたり次第やっていっても、
それらが無駄になるとはいわないが、
音の変化を理解するには、変化を生み出した状況をまず把握することが重要であり、
把握なしに理解することはできない──、
このことを強調しておきたい。

Date: 2月 10th, 2018
Cate: 楽しみ方

オーディオの楽しみ方(つくる・その24)

トゥイーターを含め、追加するのに必要なパーツ、
サブバッフル、台座、コンデンサー、ケーブルなどはすでに用意済み。

あとは結線とサブバッフルの加工である。
男ふたり、ひとりはサブバッフルの加工、私はハンダづけをやる。

特に難しい作業はない。
完成して、SICAの取り付けてあるエンクロージュアの上に置く。
ある程度の目安をつけて、トゥイーターは少し後方にセット。

ネットワークはSICAのフルレンジの上のほうはカットせずに、
AUDAXのトゥイーターだけ、下のほうをコンデンサーだけでカット。
つまり6dB/oct.スロープである。

出力音圧レベルはトゥイーターの方が高い。
通常ならばアッテネーターを挿入するけれど、今回はあえて使用せず。

音を出す。
明らかにトゥイーターが追加された印象の音が鳴ってきた。
悪くはないが、そのままではトゥイーターが、その存在を強調しすぎのように感じられる。

こんなとき、たいていはアッテネーターを挿入しましょう、となる。
確かにアッテネーターの挿入は楽なやり方である。

どんなにいい抵抗を使った固定パッドであっても、
アッテネーターを挿入することで、トゥイーターの音を、若干鈍らせる。

メーカー製のスピーカーシステムでも、
やはりアッテネーターの存在を嫌って、
ウーファーの能率にトゥイーターの能率を合せる、というやり方をとっているモノもある。

こんなことはユニットから開発製造できるメーカーだから可能なことであって、
自作のスピーカーではまず無理である。

そこで私がとったのは、トゥイーターの位置を5mm奥に引っ込めた。

Date: 2月 9th, 2018
Cate: フルレンジユニット

シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(その13)

Europhonは21cm口径のウーファー(三本)と10cm口径コーン型トゥイーター(四本)を、
250Hzクロスオーバー(それぞれに専用アンプを搭載)で構成されたシステム。

トゥイーターは縦一列配置で、下二本と上二本は軸方向を変えている。
ウーファーは逆三角形になっている。

私の知る範囲では、こういうユニット配置に他に見たことがない。
シーメンスの劇場用スピーカーEurodynは、最初ウーファーは38cm口径(一本)だったが、
1970年代の終りごろに、22cm口径ウーファー(三本)に変更になっている。
その配置も、Europhonと同じで逆三角形である。

ユニットの複数個使用は、指向特性(放射パターン)が、
一本のときとは違ってくる。
三角形配置の場合は、どうなるのか。
おおよそ、こうなるのでは……、とある程度は想像がつくものの、
そのメリットはどこにあるのか。
なかなか掴み難いと感じていた。

とはいえシーメンスというメーカーが、あえてこういう配置を採用しているのだから、
なんらかのメリットがあるはず──、そう思ってきたが、
Eurodynは終のスピーカーとして欲しい、と思っていても、
欲しいのはやはり一本ウーファーのほうであって、
三本ウーファーのEurodynには、さほど魅力を感じていなかったから、
それ以上深く考えることはしなかった。

なのに今回、三角形配置について書いているのは、
B&OのBeoLab 90のスコーカーとトゥイーター、BeoLab 50のスコーカーの配置がそうであるからだ。

BeoLab 90、BeoLab 50は三本のユニットを三角形配置している。
シーメンスは逆三角形だったが、B&Oは通常の三角形配置である。

BeoLab 90、BeoLab 50のスコーカーは4インチ口径(約10cm口径)のコーン型である。

Date: 2月 9th, 2018
Cate: 楽しみ方

オーディオの楽しみ方(つくる・その23)

ロジャースのPM510というスピーカーシステムの音は、
いまでもふと聴きたくなる。
聴いてしまうと、ふたたび欲しくなってしまうだろう、ともおもう。

このPM510のトゥイーターはオーダックスのソフトドーム型だった。
オーダックスはフランスのスピーカーユニットメーカーである。

一年ほど前だったか、オーダックス(AUDAX)ブランドのユニットが復活していることを知った。
ソフトドーム型のトゥイーターがある。
規格表には、KEFの104/2のトゥイーターと置き換えられる、とある。

写真を見ると、よさそうに思える。
そこには、オーダックスだから、というバイアスもかかっている。

SICAの10cmダブルコーンのフルレンジにトゥイーターに、
何を選ぶか、は選択肢はけっこう多い。

上を見ればキリがないが、SICAのユニットとの価格的バランスを考えて絞っていくと、
オーダックスのトゥイーターは、ちょうどいいポジションにいる。
もっともそう思うのは、PM510のトゥイーターのメーカーというバイアスがあるからだ。

トゥイーターのおすすめは? と訊かれて、オーダックスと答えていた。
ここまで読んで、なんと無責任なヤツと思う人もいるだろう。
オーダックスのトゥイーターといっても、PM510についていたモノと同じでもないし、
聴いているわけでもないトゥイーターをすすめているのだから。

とにかく、今日、オーダックスのトゥイーターをSICAのフルレンジの上につけてきた。

Date: 2月 8th, 2018
Cate: フルレンジユニット

シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(その12)

小口径フルレンジユニットの複数個使用。
そうなるとユニットをどう配置するのか。

これを考えていくのは、実に楽しい。
複数個の最小数二つの場合でも、縦配置か横配置かで、音は変ってくる。
一本は正面、もう一本は上に向けて、という配置もできるし、
正面と横という配置もできるし、前後というのもある。

二本でもさまざまな配置が考えられる。
これが三本、四本と増えていけば、配置の数も増していく。

縦にずらりと並べるトーンゾイレにしても、
エンクロージュアを真横からみた時に、
バッフルがストレートなのか、それとも内側に向けて湾曲しているか、
反対に反るように湾曲しているのか、
エンクロージュアの形状を含めて、ヴァリエーションは相当な数になる。

ユニットの数が増えていくと、コストもかかるが、
インピーダンスの問題も発生してくる。

BOSEの901のように、専用ユニットとしてインピーダンスを0.9Ωという低い値にし、
九本すべてのユニットを直列接続することで、0.9×9=8.1Ωとすることは、
アマチュアにはマネできない。

4Ω、8Ωなりのインピーダンスのユニットを、
うまく直列、並列を組み合わせて、妥当な値にしていく必要がある。

いま私が小口径フルレンジユニットを複数個使用するとなったら、三本にしたい。
配置は三角形になるようにする。

三本のユニットを配置したスピーカーシステムとして、
シーメンスのEurophon Studio Monitorがある。

シーメンスのスピーカーといえば、Eurodynがよく知られているが、
Europhonはアンプ内蔵のモニタースピーカーである。
ステレオサウンド 46号には紹介記事が載っている。

Date: 2月 8th, 2018
Cate: audio wednesday

第86回audio wednesdayのお知らせ

3月のaudio wednesdayは7日です。
テーマは未定ですが、音出しの予定です。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。
19時開始です。