オーディオの楽しみ方(つくる・その25)
わずか5mmだから、そのことで耳に到達する音圧がどれだけ下るかといえば、
ほとんど変化ない、といえるけれど、聴いた感じはそうとうに違ってくる。
これならいける、という感触の得られる音になってきた。
この状態で数曲聴いて、さらにもう5mm下げる。
最初の位置からすれば1cm後に下がっている。
さらにいい感じに鳴ってきた。
こうなってくると、特にアッテネーターの必要性を感じさせない。
SICAのフルレンジユニットの高域をカットすることも、いまのところやる必要性はない。
それから、もうひとつ、どんなことをやったのかは書かないが、
そのことによって、最初に鳴った音とは印象が大きく違ってきた。
まだまだやれることはいくつもあるが、しばらくはこの状態で聴いてもらい、
次のステップに進もう、ということになった。
AUDAXのトゥイーターは、うまくいった、といえるし、
今回やったことは、いわゆるスピーカーの教科書に書いてあるようなことではない。
でも、誰でも試せることばかりである。
マルチウェイのシステムとして、もっともミニマムな構成てあっても、
やれることはそうとうにある。
それらをどういう順序で試していくか、ということが重要でもある。
この順序を何も考えずに、手あたり次第やっていっても、
それらが無駄になるとはいわないが、
音の変化を理解するには、変化を生み出した状況をまず把握することが重要であり、
把握なしに理解することはできない──、
このことを強調しておきたい。