電源に関する疑問(バッテリーについて・その1)
電源部から供給されるDC(直流)を、
信号に応じて変調して出力しているのが、アンプであるからこそ、
電源の質はそのまま出力の質でもある。
アンプの電源として、理想はバッテリー(電池)だと、
ずっと昔からいわれ続けてきている。
実際の製品でも、バッテリーを搭載したアンプはいくつか登場してきた。
MC型カートリッジのヘッドアンプは、以前から電池使用のモノがあった。
マークレビンソンのJC1は、AC電源仕様とDC電源仕様とがあった。
日本のメーカーからも、海外のメーカーからも、登場してきているし、
消費電力の少ないコントロールアンプだけでなく、
パワーアンプにもバッテリー電源を採用したモノもあった。
電池といっても、充電が行えるタイプ(二次電池)もあればそうでないタイプ(一次電池)もある。
電解液を個体に染み込ませた乾電池もあれば、液状のままの湿電池もある。
電池こそが理想の電源と主張する人たちであっても、
湿電池のほうがいい、という人もいれば、いや乾電池(一次電池)がいい、という人もいる。
さらに、それぞれの種類の中でも、このメーカーの電池が音がいい、
そういうことになっていく。
確かに電池の種類で音は少なからず変化する。
私がポータブルCDプレーヤーを買ったのは、28年前だった。
いくつかの電池を買ってきては、どのくらい音が違うのか、やってみた。
音は変る。
けれど、電池の銘柄による音の違いよりも、
同じ電池でも、使っているうちに音が変化することのほうが気になった。
買ってきたばかり(未使用)の電池が、音もいい、と、
最初は思い込んでいた。
しかし聴いているうちに、そうではないことに気づく。
電池が減ってきた、と表現するような状態での音の方がいいのだ。