スイングジャーナルでの瀬川先生の組合せは次の通り。
この記事がいつだったのか正確には記憶していないが、1979年のものであることは確かだ。
ステレオサウンド 53号で4343を、
オール・マークレビンソン(しかもモノーラル仕様)のバイアンプで鳴らされた記事に、
このスイングジャーナルの4350の組合せ記事について触れられているのだから。
●スピーカーシステム:JBL 4350WXA(¥850,000×2)
●コントロールアンプ:マークレビンソン ML6L(¥980,000)
●パワーアンプ:マークレビンソン ML2L(¥800.000×6)
●エレクトロニッククロスオーバー:マークレビンソン LNC2L(¥630,000)
●カートリッジ:オルトフォン MC30(¥99,000)
●トーンアーム:オーディオクラフト AC4000MC(¥67,000)
●ターンテーブル:マイクロ RX5000+RY5500(¥430,000)
●ヘッドアンプ:マークレビンソン JC1AC(¥145,000×2)
組合せ合計 ¥8,996,000(価格は1979年当時)
LNC2はステレオサウンド 53号ではモノーラルで使われていたが、
スイングジャーナルでの試聴では都合がつかなかったのか、通常の使い方である。
1979年の瀬川先生は、ステレオサウンド 53号の「4343研究」で書かれている。
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サンスイオーディオセンターでの「チャレンジオーディオ」またはそれに類する全国各地での愛好家の集い、などで、いままでに何度か、♯4343あるいは♯4350のバイアンプ・ドライブを実験させて頂いた。そして、バイアンプ化することによって♯4343が一層高度な音で鳴ることを、そのたびごとに確認させられた。中でも白眉は、マーク・レビンソンのモノーラル・パワーアンプ6台を使っての二度の実験で、ひとつは「スイングジャーナル」誌別冊での企画、もうひとつは前記サンスイ「チャレンジオーディオ」で、数十名の愛好家の前での公開実験で、いずれの場合も、そのあとしばらくのあいだはほかの音を聴くのが嫌になってしまうなどの、おそるべき音を体験した。
その音を、一度ぐらい私の部屋で鳴らしてみたい。そんなことを口走ったのがきっかけになって、本誌およびマーク・レビンソンの輸入元RFエンタープライゼスの好意ある協力によって、今回の実験記が誕生した次第である。以下にその詳細を御報告する。
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このころの瀬川先生は世田谷に建てられた新居でのリスニングルームで、
4343をマークレビンソンのML6とML2の組合せで鳴らされていた。バイアンプではなくシングルアンプで。
つまり4350の組合せは、瀬川先生のシステムを、
4343を4350Aにし、4350の仕様から必然的にバイアンプになり、
パワーアンプは同じML2でも、低域に関してはブリッジ接続へとなっていったものといえる。
このころの瀬川先生が1979年の時点で、
ご自身のシステムをゼロから、それも予算の制約がなく組まれたのであれば、
この4350Aの組合せそのままになっていたであろう。
このスイングジャーナルでの組合せでは、こんなことも書かれている。
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いうまでもなく4350は、最初からバイ・アンプ・オンリーの設計になっている。だが、この下手をすると手ひどい音を出すジャジャ馬は、いいかげんなアンプで鳴らしたのでは、とうていその真価を発揮しない。250Hzを境にして、それ以下の低音は、ともすれば量感ばかりオーバーで、ダブダブの締りのない音になりがちだ。また中〜高音域は、えてしてキンキンと不自然に金属的なやかましい音がする。菅野沖彦氏は、かってこの中〜高音用にはExclusiveのM−4(旧型)が良いと主張され、実際、彼がM−4で鳴らした4350の中高域は絶妙な音がした。
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そういえば岩崎先生もパラゴンをExclusive M4で鳴らされていた。
パラゴンには375、4350には375のプロフェッショナル仕様の2440が使われている。
この時代、JBLの2インチ・スロートのコンプレッションドライバーにはExclusive M4が合っていたようだ。
井上先生もHIGH-TECHNIC SERIES-1でのパラゴンの組合せに、
《ここではかつて故岩崎千明氏が愛用され、
とかくホーン型のキャラクターが出がちなパラゴンを見事にコントロールし、
素晴らしい低音として響かせていた実例をベースとして》Exclusive M4を、やはり選ばれている。