ハイ・フィデリティ再考(差延 différance)
以前から読もうと思っていた本、ジャック・デリダの「声と現象」を手に取っている。
差延という、デリダによる造語が出てくる。
私がいま読みはじめたちくま学芸文庫の訳註には、差延について次のように書かれてある。
訳者は林好雄氏。
*
差延(ディフェランス)「差異 différence」に対して「差延」は différance と綴られるが、フランス語の発音上は区別できない。フランス語の動詞 différer には、「異なる、同一ではない」という意味と「延期する、遅らせる」という意味があるが、その名詞である「差異 différence」には後者の意味がないことから、この両者の意味を生かすために考え出されたダリダの造語。
*
訳註はまだまだ続くし、訳註だけを読んでも……、というわけですべては引用しない。
それに私自身、差延の意味を完全に把握していない。
それでも「差延 différance」は、ハイ・フィデリティを考えていくうえで、
とても重要なことにつながっていく予感がしている。
差異ではなく差延。
「声と現象」を読み終り、しばらく時間をおいたら、この続きを書いていきたい。