オーディオマニアとしての「純度」(その15)
ダイアモンドがそうであるように、高い硬度があるから磨かれる。
磨かれることで表面を、きわめて滑らかにすることができる。
レコード針がそうである。
竹針は柔らかい。
柔らかい素材を磨いていっても、ダイアモンドのような滑らかさは得られない。
レコード針として、
アクースティック蓄音器では鉄針よりも竹針が使われていた。
高価であったSP盤を傷つけないためにも、柔らかい針(竹針)のようがいいだろうということでもあった。
だが音質的なことを抜きにすれば、竹針の表面は磨いたところで、けば立っている。
もしかするとよく研磨され、表面がきわめて滑らかな鉄針であったら、
竹針よりもSP盤を傷つけることはなかったのではないか。
そうであるならば竹針よりも鉄針、鉄針よりもダイアモンド針ということになる。
オーディオマニアとしての「純度」に硬度が必要だとしたら、
オーディオマニアとしての「純度」とは磨かれていくものなのか。
磨いていくには、磨かれるものよりも硬度の高いものが必要となる。
その意味でも、硬度が必要なのかもしれない。