4350の組合せ(その4)
井上先生の4350Aの組合せはどうだろうか。
ステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’80」での組合せは次のとおり。
●スピーカーシステム:JBL 4350AWX(¥850.000×2)
●コントロールアンプ:マッキントッシュ C29(¥438.000)
●パワーアンプ:マッキントッシュ MC2300(低域用・¥798.000)/MC2205(中高域用・¥668,000)
●エレクトロニッククロスオーバー:JBL 5234(¥120.000)+52-5121(¥5,000×2)
●カートリッジ:オルトフォン MC20MKII(¥53.000)
●プレーヤーシステム:パイオニア Exclusive P10(¥300.000)
●昇圧トランス:コッター MK2 Type L(¥240.000)
組合せ合計 ¥4.227.000(価格は1979年当時)
菅野先生、瀬川先生の組合せでは予算の制約は設けられてなかったが、
井上先生の組合せでは400万円という予算の制約があってのものだ。
予算がもう少し上に設定されていれば、
アナログプレーヤーは上級機のExclusive P3になっていたと思う。
とはいえ、井上先生の意図は伝わってくる。
菅野先生、瀬川先生の組合せでは、アンプは最初から決っていたといえるのに対し、
井上先生の組合せではアンプ選びから始まっている。
最終的にはマッキントッシュのコントロールアンプとパワーアンプに決っているが、
最初はコントロールアンプを、瀬川先生と同じマークレビンソンのML6を使い、
低域に、当時ステレオサウンド試聴室のリファレンス的パワーアンプであったマランツのModel 510M。
このふたつを固定して中高域用のアンプとして、
ヤマハのB5、ビクターのM7050、デンオンのPOA3000を試されている。
この中ではPOA3000が粒立ちが滑らかですっきりとした音を聴かせてくれて、
組合せとしてはいいかな、ということになったけれど、
聴きつづけていると、4350Aの音を十全に鳴らしていないような感じがしてきた、ということで、
アンプの選択をコントロールアンプから再検討されている。