Archive for category テーマ

Date: 9月 7th, 2022
Cate: ディスク/ブック

BINDER QUINTET: Featuring John Tchicai

今日は第一回audio wednesday (next decade)で、
ジャズ喫茶めぐりをしていた。

最後に行った店は、新宿のナルシス。
ここだけは、最後に行こう、と最初から決めていた。

18時ごろに入店。
ドアを開けて入ったら、目の覚めるような音が鳴っていた。

かかっていたのが、ビンダー・クインテットの“Featuring John Tchicai”だった。
私は熱心なジャズの聴き手ではないから、聴いて、すぐにそれが誰の演奏なのかはわからない。

クラシックだって、これまで聴いたディスク(録音)よりも、
聴いていないディスク(録音)のほうが多いのだから、
ジャズに関しては、聴いているディスク(録音)はわずかでしかない。

ビンダー・クインテットの名も、初めて知った。
最近では、こういう場で気に入った曲がかかっていると、
店の人に訊ねる前に、iPhoneにインストールしているアプリShazamで検索する。

多くの人が、Shazamを使っていることだろう。
便利なアプリである。
けれど、Shazamでも、ビンダー・クインテットの“Featuring John Tchicai”は表示されなかった。

なのでジャケットにある“BINDER QUINTET”の文字を手入力しての検索。
すぐに、どのディスクなのか判明したが、
TIDALで聴けるだろう、と思い検索してみると、
ビンダー・クインテットは一曲のみ表示されるだけ。
アルバムの検索結果はゼロだった。

いまのところ、CDも入手はできないようだ。
とはいえ、ビンダー・クインテットの“Featuring John Tchicai”は手に入れたい、
自分の音で聴いてみたい。

今日は、このディスクとの出逢いがあった。

Date: 9月 7th, 2022
Cate: German Physiks, 新製品

ジャーマン・フィジックス HRS130(とサウンドクリエイト・その1)

7月10日から日本での発売が開始になったジャーマン・フィジックスのHRS130。

タイムロードが扱っていた頃は、よかった。
2006年に、突然輸入元がゼファンになった。
それからは、ひどかった。

ジャーマン・フィジックスの製品、その音がひどかったのではない。
ゼファンによる扱いがひどかった。
しかもわずかな期間で取り扱いをやめてしまっている。

それからは、ジャーマン・フィジックスの日本での取り扱い元はなかった。
かなり長い間、そういう状態だった。
ジャーマン・フィジックスの不在の時期は、私にとっては実際の年月よりも長く感じられた。

今年6月に、タクトシュトックが取り扱うニュースが届いた。

まだいまのところ取り扱い製品は、HRS130だけである。
それでも、いい。とにかくもう一度ジャーマン・フィジックスが聴ける。

とはいえ、これまで聴く機会はなかった。
今日、聴いてきた。

場所は、サウンドクリエイトである。
サウンドクリエイトは、銀座二丁目にある。

私は、以前から銀座にきちんとしたオーディオ店があるべきだ、と思っていた。
親しい人とも、そんなことを何度か話したことがある。

サウンドクリエイトは、以前の場所のときに、ほんのちょっとだけのぞいたことがあるくらい。
ほんとうにわずかな時間だったから、今回が初めて、といっていい。

どういうオーディオ店なのかは、なんとなくは知っていたけれど、
それはなんとなくでしかなかったことを、実際に行って感じていた。

HRS130は今日までの展示・試聴だった。
もしこれが、トロフィーオーディオ店と呼ぶしかない、そんな店だったら、
私は行かなかった。

今回は、ジャーマン・フィジックスのスピーカーということ、
そしてサウンドクリエイトということが重なって、
こういうことにはやや重い腰の私でも、行って聴いてこよう、になる。

Date: 9月 7th, 2022
Cate: ディスク/ブック

ヘルマン・プライの「冬の旅」(その1)

シューベルトを集中的に聴いていることは、
別項で聴いているとおりだ。いまもシューベルトを、まず聴くようにしている。

ここ一週間ほどは、シューベルトの歌曲をよく聴いていた。
「美しき水車小屋の娘」、「冬の旅」、「白鳥の歌」も聴いている。

これまで「冬の旅」がとくにそうなのだが、
ディートリッヒ・フッシャー=ディスカウを主に聴いていた。

他の歌手による録音をまったく聴かなかったわけではないが、
それで比率としてはかなり少なかった。

ディートリッヒ・フッシャー=ディスカウだけを聴いていれば、それでよし、とは、
もちろん思っていないけれど、そうなっていた。

実を言うと、今回初めて、ヘルマン・プライの「冬の旅」を聴いた。
1971年の録音、ピアノはサヴァリッシュである。

エンゲルのピアノによるプライの「冬の旅」も聴いていなかった。
私が聴いたことがあるのは、デンオン録音、ビアンコーニによるピアノの「冬の旅」である。

さほど期待していたわけではなかった。
それでも素晴らしい歌唱は、そんなバイアスをきれいに吹き飛ばしてくれる。

Date: 9月 6th, 2022
Cate: 録音

ショルティの「指環」(その17)

昨日(9月5日)、クラシック好きの人は、
ショルティの「ニーベルングの指環」の2022年リマスター盤登場のニュースに、
いちばん驚いた(もしくは喜んだ)のではないだろうか。

SACDが登場したときから、ショルティの「ニーベルングの指環」は、
いつSACDとして登場するのだろうか、と思っていた。
ながらく出なかった。

結局、2009年12月に、エソテリックから発売になった。
やっと出た、買おう、と思ったけれど、
その値段を見てすぐにあきらめた。

はっきりとは憶えていないが、確か六万円ほどだった。

そして2012年9月に、デッカから新たなリマスターCDが登場した。

十七枚組のCDにDVD、30cm×30cmのブックレット、
それとは別の冊子などのほかに、この限定盤の最大の目玉(特典)といえるのが、
ブルーレイディスク一枚におさめられた96kHz・24ビットによる音源である。

こちらも価格はもう忘れてしまったが、エソテリックとは違い納得のゆくものだった。
ならば買ったのか、というと、こちらも買っていない。
Blu-Ray Audioの再生環境を持っていなかったからだ。

それに少しだけショルティの「ニーベルングの指環」に対しての熱も冷めかかっていた。

いまはどうか、というと、MQA(44.1kHz)で聴ける。
e-onkyoでも発売しているし、TIDALでも配信されている。

そこに今回の2022年リマスター盤の登場である。

Date: 9月 5th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その12)

50CA10のヒーターは、50V、0.175Aとなっている。
これは50CA10を二本直列にすることで、AC100Vに直接接続できる。

電源トランスから出力管用のヒーター巻線を省ける。
そういうメリットがある。

50CA10の単段シングルアンプでは、50CA10を左右チャンネルで二本使うわけだから、
その二本を直列にすればいいわけだが、
ではどちらを上にするのか、という問題が生じる。

50CA10のプッシュプルアンプならば、四本になり、
二本、二本の直列接続は、左チャンネルの二本、右チャンネルの二本とわけることで、
左右チャンネルを同条件にできる。

それでもプッシュプルの上の球を、ヒーターの配線ではやはり上にするか、
それとも意図的に下にもってくるのか──、
まだ試していないが、それによる音の違いはあるはずだ。

それがシングルアンプとなると、片方の50CA10を上にするということは、
どちらかのチャンネルの50CA10を上にするわけで、
どちらを上にするか(下にするか)は、左右チャンネルの音に影響をもたらす。

50CA10のシングルアンプで、ヒーター配線をどう処理するか。
私は抵抗を介しての接続を考えている。

こうすることで、ヒーターの寿命も多少はのびるはずだからだ。

Date: 9月 5th, 2022
Cate: ディスク/ブック

音響道中膝栗毛(その2)

(続)音響道中膝栗毛」には、
ステレオサウンドに連載されたものがおさめられている。

伊藤先生の文章とは、伊藤先生のアンプ記事よりも先に出あっている。
中学生のころから読みはじめたステレオサウンドには、伊藤先生の連載があった。

そのころは、伊藤先生がどういう人なのかは全く知らなかったが、
それでも書かれたものを一つでも読めば、
中学生であっても、伊藤先生がどういう人なのかは、直観的につかめていたところがある。

だから、この人の書くものは、きちんと読もう、と思った。
伊藤先生の書かれたものに、最新のオーディオ機器のことは登場しない。

古いオーディオ機器のことが書かれてあるかというと、
こちらもウェスターン・エレクトリックやシーメンスのことがたまに出るくらいで、
そういう文章ではない。

けれど、伊藤先生の文章はオーディオについての文章だった。
伊藤先生の文章を、いつ読むのか。

大人になってから、老いてから読んでもいい。
けれど10代のころに読んでいるのといないのとでは、その後に違いがあるはずだ。

私は運が良かった、とオーディオに関してはそう思う。
オーディオに関心をもつ大きなきっかけが「五味オーディオ教室」だったし、
その後すぐに、伊藤先生の文章を、その時代に読めたからだ。

Date: 9月 4th, 2022
Cate: ステレオサウンド

3.11とステレオサウンド(その4)

その2)で触れている「ステレオサウンドは、なぜ変らないんですか」という問い。
これを発した人にとって、そのころすでにステレオサウンドはつまらなく感じていて、
それゆえの「ステレオサウンドは、なぜ変らないんですか」だった。

ステレオサウンドは変っていっている。
おそらく私に「ステレオサウンドは、なぜ変らないんですか」と訊ねた人も、
そう感じている。

そうであっても、その人は「ステレオサウンドは、なぜ変らないんですか」と訊く。
くり返すが、それはステレオサウンドがつまらくなっていて、
そのことが変らないからである。

ステレオサウンドがつまらない──、
そういう人もいるし、そうでない人もいる。
面白い、という人ももちろんいる。

223号の「オーディオの殿堂」を、オーディオの歴史の勉強にもなる、
そんなふうに高く評価している人が、ソーシャルメディアにいた。

そうなのかぁ……、としかいえないのだが、
受けとり方は人によって大きく違うのだから、
「ステレオサウンドは、なぜ変らないんですか」が、
ステレオサウンドはつまらなくなったまま、という捉え方も、
その人個人のものでしかないわけだ。

それでも、その人は私に、そう訊ねてきたのは、
その人は私もそう感じていると思ったからなのだろう。

私は、どう感じているのか。
ここ十年のステレオサウンドを眺めて思っているのは、
つまらない、とか、変らないなぁ、とか、そういったことではなく、
ダサくなった、である。

Date: 9月 4th, 2022
Cate: ディスク/ブック

音響道中膝栗毛(その1)

誠文堂新光社から出ていた伊藤先生の「音響道中膝栗毛」が、
復刊ドットコムから復刊される。

音響道中膝栗毛」と「(続)音響道中膝栗毛」の二冊ともである。

この二冊を熟読しても、伊藤先生のアンプが作れるようになるわけではないし、
真空管アンプを設計できるようになるわけではないが、
ほんとうに熟読すれば、感じるところはそうとう多くある筈だ。

Date: 9月 3rd, 2022
Cate: モニタースピーカー

モニタースピーカー論(家庭用スピーカーとは・その3)

アルテックのModel 19に深い思い入れはないのだが、
ふと何かの機会で思い出す存在であることは確かだ。

私は、ステレオサウンド 43号の特集ベストバイで、
瀬川先生が書かれていることを読んでから、である、このスピーカーに関心をもつようになったのは。
     *
 周波数特性のワイド化と、ユニットやエンクロージュアの無駄な共鳴音や夾雑音の類をできるかぎり抑え込むというのが新しいスピーカーの一般的な作り方だが、アルテックの新型は、周波数特性こそ従来の同社製品からは考えられないほど広帯域化しながら、キャビネットやホーンの共鳴音も適度に残してあって、それが何ともいえず暖かくふくよかな魅力ある音に聴こえ、新型であってもどこか懐かしさのようなものを感じさせる一因だろう。
     *
45号のスピーカーシステムの総テストでも、評価はよかった。

Model 19と同時にModel 15も登場していた。
型番からいっても、同じシリーズの兄弟機のように感じられるが、
アピアランスは随分違っていて、Model 15には魅力を感じなかったし、
Model 15のオーディオ雑誌での評価はあまりよくなかった。

アルテックもそのことは感じていたのだろう。
しばらくしてModel 14を発表している。
型番からすればModel 15の下のモデルのようであるが、
Model 15が当時189,000円(一本)に対し、Model 14は195,000円だった。

そして大事なことは、アピアランスはModel 19のそれと同じである。
Model 14は12インチ口径のウーファー搭載と、やや小型化されているが、
ホーンに関しては、
アルテックのコンシューマー用モデルとしてはいち早くマンタレーホーンを採用している。

Model 19のアピアランスの完成度はけっこう高い、と思っている。
決して、当時としての最新のスタイルではないが、見飽きないのだ。

いまから十数年前、あるオーディオ店にModel 19の中古が並んでいた。
ひさしぶりに見たModel 19だった。

その時も、やっぱりいいなぁ、と感じていた。

瀬川先生が、「続コンポーネントステレオのすすめ」でこう書かれている。
《私個人は、アルテックの鳴らす音の世界には、音の微妙な陰影の表現が欠けていて少しばかり楽天的に聴きとれるが、それでも、アルテックが極上のコンディションで鳴っているときの音の良さには思わず聴き惚れることがある。》

このことも思い出して眺めていた。

Date: 9月 2nd, 2022
Cate: モニタースピーカー

モニタースピーカー論(家庭用スピーカーとは・その2)

モニタースピーカーについて考えていくのであれば、
コンシューマー用スピーカー、つまり家庭用スピーカーについて考えていくのも、
一つの手であるから、このテーマで書こうとは、
モニタースピーカーをテーマにした時から考えていたことだ。

なのにいまになって書き始めたのは、
マジコのM9が登場したことがきっかけになっているといえば、そうである。

ペアで一億円を超えるM9。
今年1月ごろから、M9が登場するというニュース、
そして日本では一億円を超えそうだということは伝わっていた。

価格もだが、M9の重量もすごい。454kgと発表されている。
当然ペアで使うわけだから、908kg。ほぼ1tである。

このM9はいうまでもなくスタジオモニターではない。
その意味では家庭用スピーカーであるわけだが、
M9を家庭用スピーカーと言い切っていいのだろうか。

もうそんなことでスピーカーを考える時代ではない──、
そういう考えもできるけれど、
JBLのモニタースピーカーやUREIの813、BBCモニター、
K+HのOL10など、そういった1970年代後半のモニタースピーカーに憧れてきた世代の私は、
そういう捉え方をしてしまうところが残っている。

そして、もう一つ。
アルテックのModel 19のことを最近思い出すことが増えてきた。
このことも、このテーマで書き始めたきっかけである。

Date: 9月 1st, 2022
Cate: モニタースピーカー

モニタースピーカー論(家庭用スピーカーとは・その1)

いまも続いているJBL 4300シリーズの全盛期は、1970年代後半といっていい。
4343があり、4350もあり、
4333、4331、4311、4301などがラインナップされていて、
そのどれもが、4343ほどではなかったけれど、よく売れていたし、
このうちの一機種か二機種、もしくはそれ以上が、
オーディオ販売店に展示してあったし、聴く機会も少なくなかった。

この時代のJBLは、
これらのモニタースピーカーをベースにしたコンシューマー用モデルも用意していた。

4331の家庭用がL200、4333はL300、
4343の場合はL400(残念ながらプロトタイプで終ってしまった)などがあった。

アルテックはどうだったか、というと、
Model 19があった。

ウーファーが416-8C、ドライバーが902-8B、ホーンが811Bからなる2ウェイ・フロアー型。
15インチ口径ウーファー搭載のフロアー型といっても、
サイズはW76.2×H99.0×D53.3cmである。

縦に長くスマートな印象の外観ではなく、
愛矯のあるズングリしたプロポーションともいえるが、
スピーカーの場合は、安定感にそれはつながっていく。

Model 19はステレオサウンド 45号のスピーカーシステムの総テストにも登場している。

Date: 8月 31st, 2022
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(再会という選択・その8)

別項で触れているラックスのKMQ60、
とある人が自作した50CA10のシングルアンプ、
これらのアンプは、ここでのテーマである「再会と選択」とは無関係といえば、
そうなのだが、でも一方で50CA10という真空管に目を向ければ、
それは私が初めて聴いた真空管のオーディオアンプに使われていた出力管であり、
50CA10には憧れも思い入れも特に持っていないが、
そう私が初めて聴いた真空管アンプ、ラックスのLX38には思い入れは、いまもある。

LX38を何らかの手段で購入していれば、
ようやくまた会えましたね、と心の中でつぶやく程度の再会といえなくもない。

けれど、私のところにやってきたのは、
50CA10を使っているし、SQ38FDのパワーアンプ部を独立させたといえるMQ60のキット版。
それでも、なんとなく再会という感じがしないわけではない。

とはいえ、今回KMQ60と50CA10のシングルアンプがやって来たのは、
選択した結果ではない。
偶然から、やって来たのだから、再会という選択をしているわけではない。

そんなことはわかっていても、やっぱり再会といっていいよね、とひとりごちる。

Date: 8月 31st, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その11)

真空管アンプの自作に強い関心をもつようになったのは、
無線と実験に載っていた伊藤先生のEdの固定バイアスのプッシュプルアンプである。

このアンプは、
ラジオ技術、初歩のラジオ、無線と実験などに掲載されていた真空管アンプとは、
とにかく佇まいがまるで違っていた。

伊藤先生以外の真空管アンプの記事は、
真空管、真空管アンプの勉強のために読んでいた、ともいえるが、
伊藤先生の記事だけは違って、これをそのまま作りたい、と初めて思ったほどだった。

つまり武末数馬氏の記事も、私にとっては、勉強のための記事であった。
武末アンプを作りたい、と思ったことはない。

その8)の最後に書いた、
武末数馬氏のアンプに憧れたことは一度もなかった──、
とはこういう意味を含めてである。

それでも武末数馬氏の記事は割と熱心に読んでいた。
ECC81のパワーアンプは、いまでも追試してみたいと思っている。

ECC81を複数本並列接続しての出力5W+5Wのパワーアンプは、
どんな音がするのか、なかなか想像がつかない面もある。

こういっていいのなら、私は武末数馬氏のアンプの音には関心がなかった。
勉強にはなる記事とは思っていたけれど、
だからといって、そのアンプが私の求める音、満足する音を聴かせてくれるようには、
なんとなくではあったけれど感じられなかった。

別に武末数馬氏のアンプだけではない、
ほとんどの自作アンプの記事が、私にはそうだった。

それでもここで武末数馬氏の名をあげているのは、
勉強になったからである。

Date: 8月 30th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その10)

50XA10の単段シングルアンプをつくるにあたって、
こういう音を目指す、というようなことは何ひとつない。

ただただ単純に、50CA10の単段シングルアンプを作る材料が、
主にトランス類が揃っているということ、
それに50CA10の音を、自分の手で確認しておきたい──、
そのくらいの動機である。

真空管も最初から50CA10だし、
トランス類もすべて決っている。

私が選択するのは抵抗とコンデンサーぐらいであるが、
それだって、単段シングルアンプだけに使用する部品数は極端に少ない。

あれこれいじって音作りをしようという目的には、あまりそぐわない。
だからといって、とりあえず音が出ればいいや、という気持で取り組むわけではない。

作る以上は、自分で使う気になるモノでなければならない。
音が求めるクォリティに達していなければ、すべて無駄とはいわないものの、
六十を目前の男が作る意味はない。

十代のオーディオに興味を持ったばかり、
真空管アンプの音に興味があって、自分で作ってみたい──、
もうそういうこととはなにもかもが違う。

Date: 8月 30th, 2022
Cate: 純度

純度と熟度(とモービル・フィデリティの一件・その6)

9月1日に、ステレオサウンド 224号が発売になる。
ステレオサウンドのサイトでは、224号の内容について告知されていないが、
電子書籍を配信しているフジサンのサイトでは、告知されている。

それによると特集は、「一斉試聴で探る最新スピーカー40モデルの魅力」。
そして第二特集が、「[オーディオの殿堂]入りモデル愛用者訪問」。

その他にいくつかの記事が続いて、連載記事である。
224号から、和田博巳氏が復活のようである。

ちなみに表紙はエソテリックのアナログプレーヤーである。

少なくともフジサンのサイトで公開されている224号の内容をみるかぎり、
モービル・フィデリティの記事は、ない。

予想通りというしかない。