Archive for category High Resolution

Date: 4月 21st, 2021
Cate: High Resolution, James Bongiorno

MQAのこと、James Bongiornoのこと(その2)

TIDALで、“Mark Levinson”を検索したならば、
この人も忘れてはならない。

ジェームズ・ボンジョルノ(James Bongiorno)である。
ボンジョルノのアコーディオンとピアノの腕前は、
《アマチュアの域を超えている》と菅野先生が、
ステレオサウンド 53号に書かれているほどだから、そうとうなものなのだろう。

そのボンジョルノのCDが出ていることは知っていた。
Ampzilla 2000で復活をしてしばらくしたころに出したようである。

いつか買おう、と思いながらも、アメリカに注文してというのを億劫がって、
今日まできていた。

Mark Levinonがあるくらいだから、James Bongiornoもあるはず、と検索したら、
二枚とも表示された。

“Alone Again”と“This is The Moment”である。
残念なことにMQAではない。

Mark LevinonもMQAではないのだけれど、
こちらはMQAでないことをそれほど残念とは思わなかった。

James BongiornoがMQAでなかったのは、ちょっと残念に感じている。

Date: 4月 17th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、否定する人のこと(その3)

MQAをとにかく否定する人が、日本にはいる。
どのくらいいるのかまでは把握していないが、
否定する人の声は、大きいように感じている。

私はMQAのエヴァンジェリストでありたい、と思っている者だけれども、
MQAが理想であり、最善であり、ほかの方式はまったくダメだとは考えていない。

けれど、MQAに否定的な人は、そうではないところが不思議である。
とにかくMQAに対して攻撃的である。

認めなければいいだけではないか──、
私はそう思うのだが、そうはいかない人たちが、MQAに否定的なようであり、
MQAそのものを葬り去りたいようでもある。

日本だけのことなのかなぁ、とも思っていた。
けれど、他の国でもそういう人たちはいることを、先日、facebookで知った。

海外にも、MQAをとにかくなくしたいと思っている人たちがいる。
日本における、そういう人たちと同じく攻撃的のようにも感じる。

TIDALで音楽を聴くようになって、五ヵ月。
MQAで聴ける曲が順調に増えてきている。

五ヵ月前はMQAでは聴けなかった曲も、いつのまにかMQAで聴けるようになっている。
このこともMQAに攻撃的な人たちは気にくわないようだ。

Date: 4月 12th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その11)

TIDALで音楽を聴くようになって、約五ヵ月。
ここにきて少し変ってきたのは、聴き較べをわりとやるようになってきたことだ。

クラシックを聴くということは、
同じ曲を、多くの演奏家で聴くということでもある。

世の中には、というか、日本にはグレン・グールドのピアノしか聴かない、という人がいる。
そんなスノッブな人は別として、クラシックを聴き続けてきている人は、
たとえばベートーヴェンのハ短調交響曲にかぎっても、
少ない人でも数枚は、多い人だと百枚を超えて所有し、聴いていることだろう。

フルトヴェングラー指揮のハ短調交響曲にかぎっても、
どの演奏(録音)がいいか、は昔からいわれつづけている。

クラシックを聴き始めたころは、
とにかく聴きたい曲、聴きたい演奏を充実させることが優先である。

偏った聴き方をする聴き手であっても、
ハ短調交響曲ばかり百枚ほどもっていて、
ほかの曲はまったく所有していない、という人は、いないと思う。

ふり返ってみると、私はあまり聴き較べをしてこなかった。
コレクションはそこそこあった。
聴き較べをしようと思えば、ある程度は可能だった。

それでもベートーヴェンのハ短調交響曲を聴きたい、と思ったら、
誰の演奏(録音)でなのかを決めてから、聴き始める。

聴き終って、別の誰かの演奏で、もう一度ハ短調交響曲ということは、
ほとんどしなかった。

ハ短調交響曲の新譜が出る。買ってくる。
初めて聴く演奏のあとに、
これまで聴いてきた別の誰かのハ短調交響曲を聴く、ということもほとんどしてこなかった。

私にとって、演奏の比較は、聴いた記憶のなかだけということが多い。
コレクションがアナログディスクから、CDがメインになってからでも、
そのことに変りはなかった。

ようするに、今日はハ短調交響曲を聴き較べるぞ、ということはなかった。
そんな私が、TIDALでは、よくやるようになった。

Date: 3月 30th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(余談・その1)

TIDALのウェブサイトに“Local Editor, Japan TIDAL”という、
求人のページが出来ている。
これが何を意味するのかはいまのところはっきりしたことは何もわからないが、
つい、いよいよか、と期待してしまう。

日本でのサービスが近々開始されるのか、
そうでなくてもTIDALのラインナップに日本の楽曲が大幅に追加されることになるのか。

Date: 3月 30th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その10)

ハイレゾリューションの配信を、
インターネットを介しているという理由だけで否定している人は、
MQA-CDには期待している、と自身のブログに書いているそうだ。

その人のブログを直接見たわけではないから、
その人がどこまでMQAについての理解があるのかはわからない。

おそらく、その人は、MQAエンコードに関して、
専用のハードウェアが存在していて、
録音スタジオにはそれがあると思っているのではないのか。

MQAエンコードは、MQA(会社)が行っている。
つまりPCMのデータをMQAに送り、MQAがエンコードしたデータを受けとり、
配信やMQA-CDのマスターとするわけだ。

ようするにMQAにPCMデータを送るときにも、
MQAからエンコード・データを受けとるときにも、インターネットを介して行われる。

調べれば、わりとすぐにわかることだ。
その人は、このことを知らずにMQA-CDに期待したい、といっているのだろう。

MQA-CDに期待したい、というのは、
MQAのエヴァンジェリストを自認する私にとってはうれしいことではあるが、
その人がMQA-CDに期待したい、とする理由(根拠)があまりにも無知なところに立ってのものだ。

その人が、このブログを読んでいるのかどうかは私にはわからない。
読まずにいてくれたほうがいい。

そしてMQA-CDを聴いて、いい音だ、と感じてくれたら、
MQAについて調べてほしい、と思う。
そうすれば、その人のストリーミングに対するアレルギーは消えていくだろうから。

Date: 3月 22nd, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その9)

アメリカで録音されたのであればアメリカ盤を、
イギリスで録音されたのであればイギリス盤を買えば、
インターネットを介したデータの受け渡しが行われないか、といえば、
おそらく違うはずだ。

録音スタジオ、マスタリングのスタジオとプレス工場が同じ敷地内にあれば、
そうかもしれないが、たいていは違う場所にある。

そうなればアメリカ国内においても、スタジオからプレス工場へのデータは、
インターネットを介して行われているとみたほうがいい。

ヨーロッパになると、各国にプレス工場があるわけではなく、
やはりインターネットを介して行われているはずだ。

それは日本でも同じはずである。
日本で録音した場合でも、つまり日本にマスターがあっても、
プレス工場にはインターネットを介してデータが送られる。

インターネットを介しての音楽データは信用できない、と主張している人は、
こういうことを想像しないのだろうか。

つまり輸入盤しか買わないとしても、インターネットとまったく無縁でつくられるディスクは、
まったくないとはいわないが、ほとんどないといっていい。

もちろん、どの世界にも例外はあるから、
インターネットをまったく介さずに製造されるディスクもあるとは思う。
それでも、それらはごく少数なのではないのか。

勘違いしないでほしいのは、
デジタルはそういうことで音は変化しない、といいたいのではない。

Date: 3月 20th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その8)

1982年にCDが登場し、録音もデジタル方式に大半が移行していても、
海外から日本のレコード会社にマスターテープのコピーが送られてくることにかわりはなかった。

変ったのは、マスターがデジタルになったことぐらいだろう。
インターネットが普及し始めたころでも、それはかわらなかったはずだ。

かわってきたのは、常時接続が当り前になり、
高速回線が普及してからだろう。

さまざまな業界でデジタル化がすすみ、データの受け渡しは、
以前は光磁気ディスクやCD-Rなどにコピーして、
それらを相手先に届けるのはアルバイトだったり、
バイク便を使ってだったりだった。

いまではインターネットを介してのデータの受け渡しが当り前である。
原稿にしてもそうだし、もっとデータ量の大きなファイルであっても、
以前ならば何かにコピーして渡していたのが、
簡単に短時間で相手先に届くのが、いまのインターネットである。

そういう時代に、レコード会社がマスターテープのコピーを、
日本のレコード会社に送るだろうか。

コピーをつくるのにも時間とお金がかかる。
それを日本に送るのにもお金と、けっこうな時間がかかる。

いまでは、元のデータのコピーをつくることなく、クリックだけでわずかな手間と時間で送れる。
そんな時代なのだから、日本でMQA-CD、SACDを製造するにあたって、
マスターテープのコピーが、モノとして送られてくることはないと考えた方がいい。

元となるマスターが、インターネットを介して日本のレコード会社に送られてくる。
海外と日本のレコード会社間の光ファイバー回線が、
オーディオ用の特殊な回線であるなんてことは、もちろんない。

その経路は、TIDALのストリーミングで聴く際とほぼ同じはずである。
少し考えれば、すぐにわかることである。

ストリーミングやファイルのダウンロード、
つまりインターネットを介しての音楽データは信用できない、と主張している人は、
このことをどう捉えるのだろうか。

もしかすると、だから輸入盤しか買わない、というかもしれない。
いいそうである。

Date: 3月 19th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その7)

インターネットを介しての音楽鑑賞に、懐疑的、否定的な人はいる。
どのくらいいるのはわからないが、少なくないと感じている。

先日、ある人から、こんなことを耳にした。
その人がたまたま読んだオーディオ関係の個人サイトに、
インターネットを介しての音楽、
それがストリーミングであろうと、ファイルをダウンロードしてのことであろうと、
伝送経路のクォリティを考えると、
とうていハイクォリティは望めない、という趣旨のことが書かれていた、とのことだ。

世の中に完璧な技術はないわけだから、
インターネットのベースになっている光ファイバーにしても、
完璧なわけでなはい。

それにTIDALのように海外にサーバーがあれば、かなり離れたところにあって、
そこから自分の部屋までの伝達経路を考えたら、気が遠くなる……らしい。

当然中継地点にブースターもあるだろう。
そのクォリティも当然音質に影響してくる。

もっといえば光ファイバーの設置の仕方も、そういうことに関係してくる──。

そう主張する人は、だからMQA-CD、SACD、Blu-Ray Audioなどに期待する、そうだ。

その話を聞いていて面白いな、と思っていた。
どんな人が、そんなことを主張しているのかは知らないが、
その人はMQA-CD、SACD、Blu-Ray Audioなどの物理メディアのマスターは、
海外レーベルからどうやって送られてくると思っているのだろうか。

アナログディスク全盛時代は、
マスターテープのコピーが海外から送られてきて、日本のレコード会社でカッティングしていた。
一部のレコード会社はメタル原盤を輸入して、プレスのみ日本で、ということをやっていた。

その場合、マスターテープのコピーにしても、メタル原盤にしても、
いわゆるモノが海外から送られてくるわけだ。

おそらく、いまもそうやって日本のレコード会社に届くのだ、とその人は思っているのだろう。

Date: 3月 16th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その2・あと少し補足)

夜おそくなると、iPhone 12 proとHiByのFC3を使ってヘッドフォンで聴いている。
もう少しグレードの高いヘッドフォンにしようかな、とおもうこともあるが、
そうしたら今度はD/Aコンバーター/ヘッドフォンアンプ(FC3)ではもの足りなくなり、
こちらももっとグレードの高いモノにしたいという欲がわいてくるのは必定なので、
全体のバランスを考慮すると、このままのほうがいい。

再生用アプリはAmarra Playである。
アプリ内課金によって、MQA再生(コアデコード)とTIDALが聴けるようになる。

抜群にいい音とはいわないけれど、
TIDALで気に入ったアルバムを見つけると、つい聴き入ってしまうことが増えてきた。

次の日の起床時間を考えるとそろそろ寝ないと……、と思いつつも、
ついついあとすこし、もう一曲と聴いてしまう。

だから気に入っているシステム(というほど大袈裟な構成ではない)だ。
けれどAmarra Playは、曲順が、本来のあり方と違ってしまうことが意外と多い。

アルバムの収録曲数が多いほど、順番が入れ替わる傾向がある。
きちんとなっているアルバムもある。

なのでクラシックでオペラや全集ものなどは、楽章ごとに違う曲になることだってある。
以前から指摘されていることなのに、いまだ修整されていない。

この点が残念なのだが、それでも代りのアプリが見つからなければ、
まだまだ使い続けていくであろう。

Date: 2月 20th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その2・補足)

(その2)で、Amarra PlayはApp内課金することで、
MQA再生とTIDALの利用が可能になる、と書いた。

課金は2020年11月の時点では、860円だった。
けれど現在は1,600円になっている。
ほぼ二倍になっている。

二倍になったのか、
たまたま私が購入したときがディスカウントの期間中だったのかは定かではないが、
1,600円でも課金していたはずだ。

Date: 2月 11th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その6)

毎日のようにTIDALで音楽を聴いていると、
TIDALのサーバーはダウンしないのか、と思うこともある。
ダウンしたら、当然聴けなくなるわけで、そんな日がいつか来るのかなぁ、と思っていたら、
今日、そうだった。

夕方帰宅して、TIDALにアクセスしたらつながらない。
もしかして日本からのアクセスが遮断されたのか、と思った。
そうなったら困る、かなり困る……。

おそらくサーバーのダウンなんだろう、と思いつつも、
ここまでTIDALで音楽を聴くようになってきていると、
TIDALに頼らなくても音楽を聴く手段はあっても、
それが現実となったら、そうとうに困るしつらいと感じるようになってきている。

今回は聴こうと思ったらアクセスできなかったけれど、
気持ちよくTIDALで聴いている時に、いきなりサーバーがダウンしたら……。

こういう不安があるから、TIDALなんて、ストリーミングなんて、
という人がいるのはわかる。

いつか聴けなくなる……、という不安が完全になくなることはないだろう。
TIDALという会社がなくなることだって可能性としてはある。

それだってアナログディスクやCDを山のように所有していても、
火事やその他の事故で、すべてを失うことだって、可能性としてはある。

20代のころ、積極的にディスクを買い集めていた。
集めながら、もし火事になったら、どうしよう、と考えることがあった。

何を持ち出すのか。
何を見捨てるのか。

火事の際、自宅にいれば、まだ何枚かは持ち出せる。
けれど外出中に火事になったら……。
そんなことを真剣に考えるようになっていた。

蒐集癖のない人からすれば、ばかな心配をするものだ、と笑われるだろう。
でも私だけではない、と思う、そういう心配をしていた(いる)人は。

Date: 12月 8th, 2020
Cate: High Resolution

Chrome Remote Desktop

12月2日のaudio wednesdayは、iPhoneを音源とする予定だった。
iPhone 12 ProとMatrix AudioのX-SPDIF2との組合せを最初は考えていた。

別項で書いているように、うまく音が鳴らない。
なので急遽変更してMac mini(Late 2014)を使うことにした。

といってもMac miniはノート型ではない。
操作するにはキーボード、マウス、それにディスプレイが要る。
でも車を持っていない(運転できない)私は、それらを持っていけない。

Mac miniの起動は、後にある電源スイッチを押せばいい。
ログイン時のパスワードは、要求しないように設定しておく。
それから再生用のアプリケーションのAudirvanaを起動項目に入れておけばいい。

Audirvanaは、iPhoneにAudirvana Remoteを入れておけば、いい。

今回のようにMac miniを音源とする場合、
マウスもキーボードもない状態で問題となるのは、システム終了(電源を落す)である。

乱暴なやり方は、電源コードを抜く、である。
あまりやりたくない。

MacをiPhoneで操作すれば、終了の問題も解決する。
そのためのアプリケーションは、いくつかある。
VNC Viewer、Splashtopなどがある。他にもいくつかある。

私が今回使ったのは、Chrome Remote Desktopである。
VNC Viewerも試用してみたが、Chrome Remote Desktopにした。

名称からわかるように、Google Chromeの機能拡張である。
こう書くと、Google Chromeだけの操作しかできないように思ってしまうが、
ほかのアプリケーション同様、Macの操作が可能である。

設定も簡単である。
もっと早くMac miniを手に入れていれば、
audio wednesdayでの選曲の幅が大きく広がったなのに……、と最後になって思っていた。

MacBook Air、MacBook Proもいいけれど、
Mac miniとChrome Remote Desktopがあれば、これでいい。

Date: 12月 8th, 2020
Cate: High Resolution

MQAで聴きたいアルゲリッチのショパン(その6)

(その5)で、喫茶茶会記でコーネッタで、大きめの音量で、
アルゲリッチの“THE LEGENDARY 1965 RECORDING”のMQAを聴きたい、と書いた。

実をいうと、12月2日に鳴らした。
テーマはBeethoven 250だったから、19時の開始時間からベートーヴェンばかりをかけたが、
それまでの約一時間ほどは、ベートーヴェン以外の曲をかけていた。
そこで鳴らした。

アンプもあったまっていないし、
スピーカーのコーネッタに関しても一ヵ月まったく鳴らしていなのだから、
ウォーミングアップは必要になる。
それでも“THE LEGENDARY 1965 RECORDING”のMQAは、
ピアノの実体感が、CDで聴いたときとはまるで違う。

音の粒立ち、艶もそうだ。

そしてピアノの重量も、また感じていた。
グランドピアノはずっしりと重い。

アップライトピアノとは、そこが決定的に違う。

アルゲリッチの1965年のショパンは、彼女の気性とショパンの曲の性格とが相俟ってか、
ややもすると全体のバランスを欠いているというか、
自身のコントロールが失われそうになる瞬間があるようにも感じる。

そういうところも色濃く感じられた。

Date: 11月 27th, 2020
Cate: High Resolution

MQAで聴きたいアルゲリッチのショパン(その5)

アルゲリッチの“THE LEGENDARY 1965 RECORDING”を、MQAで聴きたい、と、
(その1)で書いた。

MQA-CDは出ていない。e-onkyoでも配信されていない。
半ば諦めていたら、TIDALにある。

44.1kHzではあるが、MQAである。
やっぱりMQAはいいな、と思う。

音の粒立ちがいい。
CDと比較試聴するまでもなく、TIDALのMQAのほうがみずみずしい。

(その2)で、音がよくて、1965年の録音とは思えなかった、と書いてしまったが、
MQAだと、その感はさらに強くなる。

このアルゲリッチのショパンを聴いていると、
audio wednesdayで、コーネッタで少し大きめの音量で鳴らしてみたい、と思うようになってきている。
私の部屋では、ちょっと無理な音量で、喫茶茶会記で鳴らしたいし、
その音、その演奏を、ぜひ聴いてほしい、と思うのだが、
その機会が訪れるのかどうかは、いまのところなんともいえない。

Date: 11月 19th, 2020
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その5)

カルロ・マリア・ジュリーニとシカゴ交響楽団によるマーラーの第九。
e-onkyoには、flacの192kHz、24ビットが以前からあった。

ドイツグラモフォンからは、MQAの配信がけっこうある。
いつかはジュリーニのマーラーもMQAの192kHzでの配信が始まるのだろう、と待っていた。

今年10月になって、ジュリーニのマーラーが新たに配信になった。
MQAか、と期待したけれど、DSF 2.8MHzが加わっただけだった。

これも嬉しいことと思っているが、なぜMQAにしないのか。
早く出してほしい、と思う気持は強くなるだけ。

それがTIDALにはある。
192kHz、24ビットのMQAで配信されている。
もうこれだけでTIDALに入ってよかった、と満足できるくらいにうれしい。

マーラーの九番でいえば、ワルター/ウィーンフィルハーモニーの、
あの古いライヴ録音もMQA(44.1kHz)である。

それにジャクリーヌ・デュ=プレに関しても、
e-onkyoでは未配信のタイトルだけでなく、MQAのアルバムがいくつもある。

個人的にかなり意外だったのは、
テレサ・ストラータスの「The Unknown Kurt Weill」がMQAであったことだ。
ノンサッチの初期のデジタル録音だから、期待薄だった。

44.1kHzであっても、MQAの音質的メリットはきちんとある。
MQAは決してハイサンプリングのためだけの技術ではない。
時間軸のボケをなくす技術だと捉えている私は、
44.1kHzのデジタル録音でも、できるだけMQAにしてほしい、と思っている。

だからこそストラータスのワイルのMQAは、ひじょうに嬉しい。

クラシックだけにかぎっても、他にもある。
まだまだすべてを眺めた、とはいえない段階で、けっこうあるな、と感じているところだ。

もちろん反対にTIDALにMQAはないけれど、e-onkyoにはある。
どちらかだけでいいわけではない。
TIDALとe-onkyo、両方あって、MQAでの好きな音楽が聴ける範囲が拡がりつつある。