the Review (in the past) を入力していて……(その41)
オーディオ・コンポーネントの主役は、いかなる時代においてもスピーカーシステムであって、
アンプは、そのスピーカーシステムを十全に鳴らすためのもの、ということは、
オーディオに関心をもち始めた頃から、なんども目にしたことであり、
この基本的事実はこれから先も変らない、ということは重々承知している。
オーディオ・コンポーネントの選択においては、まずスピーカーシステムが選ばれたのちに、
アンプ(それもセパレートアンプならパワーアンプがコントロールアンプよりも先に)が選ばれる。
にもかかわらず、マークレビンソンのアンプに合うスピーカーシステムは何だろう?
と考えていたころが、実はある。
決して「基本」は忘れていなかったが、それでもあえて「基本」を無視したくなるほど、
マークレビンソンのアンプは、主張の強い音だったように、いまは思う。
夢中になる人もいれば、拒否する人もいたのは、そのせいもあったのだろう。
この主張の強さは、ML2Lが登場したころが、ピークだった。
ML2Lの発表のあとに、HQDシステムも発表している。
以前も書いているが、ハートレイのウーファーと、QUAD・ESLのダブルスタック、
デッカのリボン・トゥイーターから構成されるスピーカーシステムを、
マルチアンプで駆動するという、大がかりなシステムではあるが、
意外にも、というべきか、当然ともいうべきか、ハートレイもQUADもデッカも、
いわゆるレビンソン的主張の強い音を持つものではない。