the Review (in the past) を入力していて……(その4・続補足)
にも関わらず、あとに発明されたNFBが、大半のアンプに採用され、
アンプの発展をうながしてきたのは、フィードフォワード方式を現実の製品に組み込む難しさ、
回路構成の複雑さ、それにパワーアンプへの採用が、かなり困難だったこともあるだろう。
動的特性の改善を実現した511だけに、ペアとなるパワーアンプにも、
ほぼ間違いなくフィードフォワード方式を採用しようとしたはずだ。
けれど満足のいく特性、というよりも安定度を確保できなかったのではないだろうか。
フィードフォワード方式を、パワーアンプで、実際の製品に搭載したのは、
おそらくサンスイのプリメインアンプ、AU-D607F/707F/907Fが最初であろう。
サンスイのアンプは、フィードフォワードだけを採用しているのではなく、
NFB方式と組み合わせることで、実使用時の安定度を確保している。
言葉で書いていると、簡単なことのように受け取られるかもしれないが、
実際の開発には5年間の歳月と、2度の挫折があったときいている。