Date: 9月 6th, 2009
Cate: the Reviewの入力
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the Review (in the past) を入力していて……(その4・補足)

511で、あれだけ高い技術力を示したAGIが、なぜパワーアンプを開発できなかったのか、
その理由の正確なところは、開発者以外には、誰にもわからないことだけれど、
おそらくフィードフォワード方式にこだわったためであろう、と私は考えている。

あまり知られていないことだが、511はフィードフォワード方式を採用し、
歪率、周波数特性などの諸特性を改善している。

フィードフォワードは、1937年にフィードバック(NFB)理論を発明したH・S・ブラックが、
さかのぼること9年前に発明していた技術で、
アンプの出力信号から歪成分を検出し、これをいったん180度位相反転し、ふたたび加えることで、
歪のみを打ち消すという理論である。

NFBは、その名の通り、出力信号の一部を入力に戻す(バック)することで、特性を改善するわけだが、
歪率を低減化するためには多量のNFBが必要となる反面、1970年代後半に、
マッティ・オタラによって問題提起されたTIM歪に関しては、減らすどころか、発生のメカニズムになっている。

理論としては、先に発明されたフィードフォワード方式が優れていると言ってもかまわないだろう。

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