KEFがやって来た(その12)
KEFのModel 107の低音部は、ケルトン型の一種と考えられるが、
KEFではCoupled Cavityと呼んでいる。
Uni-Qユニット搭載の105/3、104/2にも、Coupled Cavityは採用されている。
どちらもトールボーイのエンクロージュア内部に二発のウーファーをおさめている。
ただ107と、105/3、104/2が違うのは、ダクトの形状と、その位置である。
105/3、104/2ではフロントバッフル中心よりもやや下のところに、
バスレフ型のダクトよりも二回りほど径のあるダクトが設けられている。
KEFのReference Seriesのカタログ(英文)には、
Coupled Cavityの簡略化した構造図がのっている。
103/3はウーファー一発で、
エンクロージュアが小型ということもあって、ダクトはエンクロージュア下部に下向きになっている。
ウーファーの二発の方は、この図では105/3、104/2のようにフロントバッフルにダクトはある。
通常、下か前である。
ところが107は上である。
107のアピアランスで、エンクロージュアの前面、中央あたりに、
Coupled Cavity用の大きめのダクトがひとつポツンとあっては、
けっこう無気味な感じがしよう。
ならばサランネットをつけるとか、下側につけるという手もある。
にも関らず上である。
その理由をレイモンド・クックに直接訊ねたいところだが、
クックは1995年に亡くなっている。
ならば考えるしかない。