KEFがやって来た(その1)
KEFとJBL。
イギリスのスピーカーメーカーとアメリカのスピーカーメーカー。
ダイレクトラジエーション型をメインとするKEF、
ホーン型を得意とするJBL。
どちらもアルファベット三文字のブランド。
私より上の世代では、
JBLの反対の極にあるスピーカーといえば、タンノイがあった。
JBLでジャズを、タンノイでクラシックを、
ピアノはJBL、弦はタンノイ、
そんなことが語られていた時代があったし、
そのころのオーディオ雑誌に登場するオーディオマニアは、
確かにJBLとタンノイが同居していた。
私は、といえば、JBLとタンノイという気持がある。
でも同時にJBLとBBCモニターという気持が、同じかそれ以上に強い。
BBCモニターの中に含まれるといえば、そうなのだが、
でも私のなかでは少し違うところにあるメーカーとして、
そしてJBLとKEFという気持が、はっきりとある。
これは瀬川先生の影響である。
KERFのModel 103、Model 104aB、Model 105、Model 303、
これらの瀬川先生の評価はよかった。
これらはすべて聴く機会があった。
Model 105は瀬川先生が調整された音を聴けたことは、以前書いている。
そのころのKEFのスピーカーは、真面目な音である。
決してハメをはずすことのない、
聴く人によっては、つまらない、という、そのくらいにイギリスのスピーカーとして、
アキュレートサウンドを目指したスピーカーである。
それにLS5/1Aを市販したのはKEFである。
私にとってKEFは、JBLの一方の極として、あのころ常に気になっていたブランドだった。