妄想組合せの楽しみ(その32)
パラゴンを愛用されていた岩崎先生、
その岩崎先生の音を聴かれて、感銘を受けられた井上先生──
すこし話は脱線するが、ステレオサウンド 38号をお持ちの方はぜひ読みなおしてもらいたい。
井上先生が、それぞれの評論家のかたのシステムについての紹介文を書かれている。
もちろん音についても書かれている。
そのなかで、もっとも音について多く書かれていたのが岩崎先生について、だった。なぜなのかは、書かない──、
そしてパラゴンではないけれど、菅野、瀬川のおふたかたも、4350を鳴らすのにM4はいいといわれる。
結局のところは、これはドライバー──、つまり375であり、そのプロフェッショナル版の2440に対して、
M4は相性がいい、といわれているようにも受けとれる。
そういえば、M4は瀬川先生も、SAEのMark2500を導入されるまでは、4341を鳴らすのに使っておられたはず。
たしかにパラゴンの構造上、低音の鳴らしかたが難しいのは予想できる。
ただそこにばかり目が向きすぎがちにもなるのではなかろうか。
意外にも中音域(375)をうまく鳴らせば、
鳴らすのが難しいといわれているパラゴンの低音もすんなり鳴ってくれるのかもしれない。
別項にも書いているように、音に境界線は存在しない。
中音域がうまくなってくれれば、自然と低音域もよくなってくれるもの。
もちろん、組み合わせるパワーアンプだけですべて解決するわけではないとわかってはいても、
パラゴンにどんなパワーアンプをもってくるか、そのことについてM4から空想を拡げてみたい。