Author Archive

Date: 2月 3rd, 2014
Cate: audio wednesday

第37回audio sharing例会のお知らせ(マークレビンソンに何を求めていたのか)

今月のaudio sharing例会は、5日(水曜日)です。

別項で書いているように、久しぶりにマークレビンソンのLNP2を聴く機会があった。
バウエン製モジュールとマークレビンソン製モジュールも比較できた。

LNP2が登場して40年が経つ。
LNP2はいうまでもなくトランジスターアンプである。
進歩の激しいトランジスターアンプの流れにおいて、40年前のアンプを聴いて感じることは、
どういう意味があるのか、それとも意味などないのか。

1970年代の後半、マークレビンソンからの新製品には、特別な感情を抱いていた。

新製品は、マークレビンソン以外の会社から数多く登場していた。
その中にあってマークレビンソンの新製品に何を求めて、何を期待して、何を見ていた(聴いていた)のか。

それに関係することでオーディオにおけるニューウェーヴとは、どういうことなのか。
はたしてマークレビンソンはニューウェーヴだったのかどうか。

時間はこれまでと同じ、夜7時です。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 2月 2nd, 2014
Cate: カタチ

趣味のオーディオとしてのカタチ(その4)

アルテックの604の開発にはランシングも携わっていることを知っていれば、
ランシングが自殺しなければ、JBLという会社の経営がうまくいっていれば、
JBLからも同軸型ユニットが登場したかもしれない、と夢想してしまう人は私の他にもきっといるはず。

どんな同軸型ユニットになったであろうか。
ベースとなるウーファーはD130であり、中高域は175DLHであってほしい、とおもう。

いま目の前にHarknessがあって、そのバッフル板にはD130と175DLHがついている。
だからこそ、そんな同軸型ユニットの姿を想像してしまう。

604とD130とどちらも15インチだが、コーンの頂角が大きく違う。
だからD130+175DLHから構成される同軸型ユニットの姿は、604とはずいぶん違うものになる。

D130+175DLHの場合、どれだけホーンレンズを張り出させるかによって、
ユニットの印象は変ってくる。
あまり前に張り出させずに、
D130のセンターのアルミキャップがそのまま175DLHのホーンレンズに置き換えられたのであれば、
なかなかスマートな外観で、同軸型ユニットとはすぐにはわからない人も出てくるかもしれない。

音も見た目も、604とは異る同軸型ユニットに仕上っていたはずだし、
私が思い描いているとおりの同軸型ユニットままで登場していたら、
604よりも、デザインに関しては高く評価することになった、とおもう。

それにくらべるとマルチセルラホーンの604シリーズは、いわば武骨なところがある。
洗練された、とは言い難い。
なのに、604を正面からみると、いいカタチしてるな、とおもうのは、私が男だからなのか……、
そうも思ってしまう。

Date: 2月 2nd, 2014
Cate: 新製品

新製品(その3)

JBLのHarknessに、トーレンスのTD224、
それからJBLの2441+2397、
他にもずいぶん以前のオーディオ機器が手元にあり、それで音楽を聴いている。

このブログでは、JBLの4343、マークレビンソンのLNP2について、何度も書いている。
これからも書いていくであろう。

だからといって、ヴィンテージ機器、ヴィンテージ・オーディオとか、
最近でそう呼ばれるようになった、そういう時代のオーディオ機器だけが好きなわけではない。

新しいオーディオ機器が好きだし、むしろ、古いオーディオ機器よりも好きなところがある。
それにHarknessにしろ、TD224にしろ、
これらのモノが登場したときには、新製品であった。

いまでは古くなってしまったオーディオ機器であっても、
新製品だった時が、かならずあった。

この項のタイトルは「新製品」にした。
新製品を紹介するためのタイトルではなく、
「新製品」とは、について書いていくためのタイトルである。

Date: 2月 1st, 2014
Cate: 新製品

新製品(その2)

ステレオサウンド 56号の「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」の扉をめくると、
そこにはトーレンスのリファレンスがあらわれる。

トーレンス
リファレンス
¥3,580,000

これらの文字が続いて目に入り、

超マニア用「トーレンス・リファレンス」はたいへんな製品だ。すごい可能性、すごい音質、そしてその偉容

という見出しがあり、そこには瀬川冬樹の文字もあった。

このリファレンスの記事は8ページあった。

このリファレンスの記事だけでも、それまでの新製品紹介のページと、
56号からの「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」が大きく違っていて、
「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」が「あたらしいページ」であることを実感できた。

リファレンスについての瀬川先生の文章もいい。

リファレンスという、
当時のアナログプレーヤーの多くとは決定的に異る偉容をもつプレーヤーにふさわしい。

55号までのスタイルでの新製品紹介であっても、
リファレンスのすごさは伝わってきたであろうが、
ここは瀬川先生以外誰がいたであろうか。

そして56号から新製品紹介のページを大きく変えたのは、
リファレンスが登場してきたからではないのか──、そんなことさえ思ってしまう。

Date: 1月 31st, 2014
Cate: 新製品

新製品(その1)

ステレオサウンドの新製品の紹介記事は時代によって変化してきている。
私が読みはじめたのは41号からで、
この時代の新製品の紹介は井上先生と山中先生のふたりが担当されていて、
スピーカーシステム、アンプ関係、プレーヤー関係と大きく三つにわけられていて、
まずその号での新製品の動向について語られ、
つづくページで個々の製品について書き原稿であったり、対談であったりしていた。

このやり方が大きく変ったのは、56号からである。
56号から新製品の紹介記事にカラーページが使われるようになった。

そしてカラーページには「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」、
モノクロページには「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」とそれぞれタイトルがつけられている。

「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」の扉には、こう書いてあった。
      *
あたらしい、すぐれた製品との出会いは、私たちにとって、いつもドラマティックな体験です。心おどろせ、胸はずませて、あたらしい出会いを待ち受け、そして迎えるさまは、とうていマニアでない人びとには理解してもらえないでしょう。
そのマニアの中のマニアともいうべき、本誌筆者の方々に、毎号いちばんあたらしい、いちばん感動的な出会いについて書いていただこうというのが、このあたらしいページです。
やがて月日が経つとともに、それぞれの方々の出会いの歓びの鮮度は色あせていくかもしれません。あるいは、使いこんでいくうちに、日ましにその製品がもたらす歓びは色濃くなっていくかもしれません。
でも、それぞれ筆者自身にとっての、いまの真実は、ここに記されているとおりです。
     *
文末に(編集部)とある。
新製品の紹介ページの扉の文章だから、読んでいないという人がいても不思議ではない。
読んでいても、さらっと読んだくらいで、どんなことが書かれていたのかなんて、
まったく憶えていない人も少なくないだろう。

あまり日の目をみないところに書かれた文章ではあるけれど、
当時読んでいてもいい文章だと思ったし、いまあらためて読み返してみて、
こうやってキーボードで入力してみても、さりげないけれど、いい文章だと思っている。

Date: 1月 30th, 2014
Cate: オリジナル

オリジナルとは(続々トーレンスTD224のヘッドシェル)

ステレオサウンド 39号に登場しているトーレンスのTD224は、
私のところにあるTD224そのものであり、つまりは岩崎先生のモノだったTD224である。

そのTD224にオリジナルの、オルトフォンのGシェルに似たヘッドシェルではなく、
SMEのヘッドシェルと同じように肉抜きの穴が開けられたタイプのヘッドシェルがつけられているということは、
岩崎先生は、この穴あきのヘッドシェルを使われた、とみるべきだろう。

「クラマツマンシップの粋」の記事中には、オリジナルのヘッドシェルは別のものだと記述されている。

なぜオリジナルのヘッドシェルではなく、穴あきタイプのヘッドシェルだったのか、
その理由については、いまではもうわからない。

でも,岩崎先生は穴あきのヘッドシェルを(も、かもしれない)使われていたことは、確かである。

それに私がTD224を写真で見たのは、ステレオサウンド 39号の写真であり、
この写真の TD224が、私にとってのオリジナルのTD224といえる。

そして、岩崎先生のTD224が私のところにあるのだから、
穴あきタイプのヘッドシェルを、私は選ぶ。

私にとっての「オリジナル」とはそういうことであり、
そういう意味では「オリジナル」であることにこだわりたいところも持っている。

そういうわけで、今回、穴あきタイプのヘッドシェルであることが、私にはうれしいことなのだ。

Date: 1月 30th, 2014
Cate: オリジナル

オリジナルとは(続トーレンスTD224のヘッドシェル)

TD224に附属していたヘッドシェルは、オルトフォンのGシェルに似た形状のものであり、
Googleで画像検索すれば、すぐに見つかる。

今回(週末には届く予定)のヘッドシェルは、これではない。
ステレオサウンド 39号の「クラマツマンシップの粋」で紹介されているTD224につけられているモノと、
同タイプの、SMEのヘッドシェルのように肉抜きの穴がいくつか開けられているタイプである。

その意味では、オリジナルではない、と思う人がいる。
とにかく新品の時と少しでも違うものがついていたり、つけられていたりすると、
「オリジナルではない!」と否定する人が、けっこういる。

そういうタイプの人からすれば、
岩崎先生のTD224にオリジナル以外のヘッドシェルをつけるなんてまかりならん、ということになる。

私は、そういうオリジナル至上主義ではない。
オリジナル至上主義の人の中には、少なからず、オリジナルと少しでも違うところがあれば、
そのモノの価値が目減りする、という。

オーディオを資産価値とみて判断するならば、そうであるけれど、
私には、そういうところはまったくない。

それにオリジナルと違うところがあれば、音が変る、というオリジナル至上主義もある。
これはわからなくもないではないが、オリジナルであることに頼りすぎている、ともいえる。

オリジナル至上主義の人であれば、今回私がするようなことはせずに、
eBayで、いわゆるオリジナル・ヘッドシェルを落札して手に入れることだろう。

でも、私にとって、今回のヘッドシェルの方が、別の意味での「オリジナル」である。

Date: 1月 30th, 2014
Cate: オリジナル

オリジナルとは(トーレンスTD224のヘッドシェル)

岩崎先生が使われていたトーレンスのTD224が私のところにあるのは、以前書いた通りだ。

このTD224にはヘッドシェルが附属していなかった。
日本で一般的なヘッドシェルとほぼ同じように見えるが、
コネクターのピンの規格が、日本のヘッドシェルとは大きく違っている。

だから、この部分をなんとかしなければTD224でレコードを聴くことはできない。

海外のオークションサイト、eBayにはTD224のヘッドシェルが出ている。
ただ、どれも強気の値段がつけられている。
これを買えば問題は解決なのだが、なんとなく癪にさわる。

まあ、これは個人的な感情であって、どうしても手に入らなければ、
eBayでの強気の価格のヘッドシェルを買うしかない。

もしくはTD224についてきているトーンアームの先端部分を、
一般的なトーンアームのものと交換する、という手もないわけではない。

どうするのか、結論を先延ばししていると、eBayでのヘッドシェルも手に入らなくなる可能性もある。
そろそろどうするか決めるか、とおもっていたところに、
「一個あまっていますから、差し上げます」という人があらわれた。

Date: 1月 29th, 2014
Cate: EXAKT, LINN

LINN EXAKTの登場の意味するところ(その9)

別項「続・再生音とは……」で、ロボットのことに触れている。

オーディオのシステムのことをロボットと捉えたり、ロボット的という見方をする人はいない。
私も「続・再生音とは……」を書くまではそうだった。

だが、「続・再生音とは……」とこの項を書きながら、
オーディオのシステム全体を、ひとつのロボットととらえることができることに気づいているところである。

Date: 1月 28th, 2014
Cate: Claudio Abbado

アバドのこと(その7)

1989年に、オーチャードホールが開館した。
こけら落しは「バイロイト音楽祭日本公演」だった。

この「バイロイト音楽祭」でブーイングがあった、ときいている。
なぜブーイングをしたのか、その理由を何かで読んだ。

「フルトヴェングラーの演奏と違うから」ブーイングをした、ということだった。
この人は、フルトヴェングラーの「ニーベルングの指環」をかなりの回数聴いていて、
それは記憶してしまうほどで、フルトヴェングラーの「指環」こそが「指環」であるから、
それと違うのは認められない──、
そうとうに極端な聴き方であり、意見(主張)でもあった。

記事には、確かフルトヴェングラーの「指環」を聴いた回数も書いてあった、と記憶している。
その回数を見て、この人はどれだけの時間を音楽を聴くことに費やしているのかと、
そして、その費やした時間のうち、フルトヴェングラーの「指環」以外を聴く時間はどのくらいなのか、
そんなことを考えてしまうほどの回数だったことは、はっきりと憶えている。

世の中にはいろんな人がいる──、
これで片付けられるといえばそうなのかもしれないけれど、
この記事を読みながら、この人は、フルトヴェングラーの「指環」は、
RAIローマ交響楽団の方ではなく、
きっとミラノ・スカラ座の方を何度も何度もくり返し聴いたのだろうな、と思っていた。

フルトヴェングラー/ミラノ・スカラ座による「ニーベルングの指環」は、そういうレコードである。
アバドが熱狂したのも、このミラノ・スカラ座との「ニーベルングの指環」である。

Date: 1月 28th, 2014
Cate: Claudio Abbado

アバドのこと(その6)

フルトヴェングラーとミラノ・スカラ座による「ニーベルングの指環」は、
イタリア・チェトラから、ステレオ録音で発売される、ということで、話題になった。

発売(輸入)されてみると、モノーラル録音だった。
なぜチェトラはステレオ録音だと発表したのだろうか。
もしかすると、ほんとうはステレオ録音だったのかもしれない。
けれど、なんらかの事情によりモノーラルでの発売になったのかもしれない……。

このフルトヴェングラーの「指環」は私も買った。
立派なボックスにおさめられていた。かなり無理して買ったものだった。

ステレオ録音ということがアナウンスされていたくらいだから、
モノーラルとはいえ、かなりいい録音なのではないか、とも期待していた。

演奏はすごい、けれど、音は……だった。

フルトヴェングラーの「ニーベルングの指環」全曲盤は、
RAIローマ交響楽団を指揮しての、コンサート型式のライヴ録音がある。

レコードとしてみれば、RAIローマ交響楽団のほうが、いわゆるレコードとしてのキズが少ない、といえる。
ミラノ・スカラ座のほうは、レコードとしてのキズが多い、といえる。
けれど、どちらをとるかといえば、私はミラノ・スカラ座のほうである。

ミラノ・スカラ座との「ニーベルングの指環」は、ほんとうにすごい。

Date: 1月 28th, 2014
Cate: 広告

広告の変遷(を見ていく・その6)

スイングジャーナルの10年分のスキャン作業を終って、
一段落ついたところに、ステレオサウンドのバックナンバーを譲ってもいい、という話が届いた。

私のところには、ほぼすべて揃っている。
創刊号が欠けているのと、一桁の号数のステレオサウンドも歯抜けになっている。
あと一部欠けている号はあるものの、けっこう揃っている。

ステレオサウンドに掲載された広告とスイングジャーナルに掲載された広告は、
同じ月に発売された両誌を見比べれば、同じものもあれば違うものも意外にあることがわかる。

それにどちらかにしか掲載されていない広告も、またある。

広告のスキャンに関しては、ステレオサウンドもバラしてやっていくしかないけれど、
私でも、ステレオサウンドをバラすのは抵抗感がある。
できればバラしたくない。

となれば、もう一冊ずつバックナンバーを揃えればすむことなのはわかっているけど、
いまからまた集めることも、それもバラすために集めるのは気乗りしない。

そんなところへ、譲ってもいいという話。
こんなにタイミングよくありがたい話が来るんだな、と思っている。

これですべてのバックナンバーが二冊ずつ揃ったわけではないけれど、
歯抜けだったバックナンバーも、創刊号をのぞけば、ほぼ揃った。
そのうえで二冊あるバックナンバーもあるわけだ。

とりあえずはステレオサウンドをバラしてのスキャンは、すぐには行わない。
とにかくこれまでスキャンした画像をレタッチして、公開していっている。

the Review (in the past)に「広告」というカテゴリーをつくった。

右サイドバーの国内ブランドと海外ブランドのあいだに「広告」のカテゴリーは表示されている。
ここをクリックすれば、広告をまとめたページが表示される。

今日現在で100本の広告を公開している。
全体の数がはっきりしていないけれど、公開できるであろう広告の約5%くらいだ。

まだまだではあるけれど、これからも少しずつ公開していく。

Date: 1月 28th, 2014
Cate: ナロウレンジ

ナロウレンジ考(その13)

ナロウレンジのスピーカーには、ふたつあるといってもいい。
いいナロウレンジのスピーカーと、そうではないナロウレンジのスピーカーであって、
いいナロウレンジのスピーカーでは、たとえば広帯域の録音、
つまり,そのナロウレンジのスピーカーがつくられた年代よりもずっとあとに登場した録音を鳴らしても、
そのナロウレンジのスピーカーなりの音(トーン)で、新しい録音を聴かせてくれる。

だから、広帯域の録音がナロウレンジで再生されたとしても、
それが現代の録音であることを聴き手にわからせてくれる。

ところがそうでないナロウレンジのスピーカーだと、そういった録音を鳴らした場合、
帯域の狭さをまず感じてしまう。
しかもナロウレンジのスピーカーの高域はあばれが耳につくものがあり、そういったことが露呈する。

ナロウレンジのスピーカーは低域に関してもそれほど延びていないから、
新しい録音では、特に最低域まで高レベルのものを鳴らしたすると、
現代のワイドレンジのスピーカーを聴きなれた耳には、ものたりなさが妙な感じであらわれたりする。

ようするにいいナロウレンジのスピーカーは、同時代の録音をもっともよく鳴らしてくれるわけだが、
それだけでなく新しい録音であっても、それなりに新しい録音であることを伝えてくれるし、
ナロウレンジという枠の中ではあっても、充分に楽しませてくれる。

そうでないナロウレンジのスピーカーでは、奇妙な音になってしまうことがある。

いいナロウレンジのスピーカーの代表といえば、
アルテックの劇場用のスピーカーシステム、つまりA5、A7がまずある。

Date: 1月 27th, 2014
Cate: 楽しみ方

オーディオの楽しみ方(天真爛漫でありたい……)

オーディオについて書くために思考する。
書くためだけでなく、どうしたらいい音が得られるのか、とも思考するし、
理想のスピーカー、理想のアンプとはどういうモノなのかについても思考する。

いったい、これまでどれだけのオーディオについて思考したきたのか。
飽きずにまだ思考している。

思考しながら、天真爛漫にオーディオを楽しんでいるのだろうか、とまた思考している。

天真爛漫とは思考から完全に切り離されたところの性質のものなのかもしれない、とまた思考している。

Date: 1月 27th, 2014
Cate: plus / unplus

plus(その11)

スピーカーのマルチウェイ化はプラスされてきたともいえるし、
分割してきた結果ともいえる。

フルレンジユニット一発では高域が足りないからということでトゥイーターというユニットが生れ、追加される。
最初はそうやって生れてきたマルチウェイだったのだろうが、
いまではマルチウェイが当り前となってしまうと、
トゥイーターはプラスされたものというよりも、帯域を分割して受け持つためのものという認識になっている。

オーディオの進歩の歴史の中では、この分割というプラスが、他にもいくつもある。
アンプもそうだといえる。

電気蓄音器が登場したばかりのとき、
アンプといえば、それはいまでいうパワーアンプであった。
だからこそ、パワーアンプをメインアンプともベーシックアンプともいうわけである。

これに電子回路の進歩によりプリアンプ(コントロールアンプ)が追加された。
そして、いつのころか、コントロールアンプとパワーアンプをひとつにまとめたプリメインアンプ、
このプリメインアンプという名称は日本独特のものだそうで、
海外ではインテグレーテッド(integrated)アンプと呼ぶ。

さらにプリメインアンプとチューナーをまとめたものを、レシーバーと呼んでいるが、
1960年代のオーディオ雑誌をみると、レシーバーではなく総合アンプと呼ばれているのがわかる。

アンプの呼び方が増えていき、プリメインアンプが主流になってくると、
今度は従来からの形態であったコントロールアンプとパワーアンプのことを、
総称としてセパレートアンプと呼ぶようにもなっていく。