オリジナルとは(続々トーレンスTD224のヘッドシェル)
ステレオサウンド 39号に登場しているトーレンスのTD224は、
私のところにあるTD224そのものであり、つまりは岩崎先生のモノだったTD224である。
そのTD224にオリジナルの、オルトフォンのGシェルに似たヘッドシェルではなく、
SMEのヘッドシェルと同じように肉抜きの穴が開けられたタイプのヘッドシェルがつけられているということは、
岩崎先生は、この穴あきのヘッドシェルを使われた、とみるべきだろう。
「クラマツマンシップの粋」の記事中には、オリジナルのヘッドシェルは別のものだと記述されている。
なぜオリジナルのヘッドシェルではなく、穴あきタイプのヘッドシェルだったのか、
その理由については、いまではもうわからない。
でも,岩崎先生は穴あきのヘッドシェルを(も、かもしれない)使われていたことは、確かである。
それに私がTD224を写真で見たのは、ステレオサウンド 39号の写真であり、
この写真の TD224が、私にとってのオリジナルのTD224といえる。
そして、岩崎先生のTD224が私のところにあるのだから、
穴あきタイプのヘッドシェルを、私は選ぶ。
私にとっての「オリジナル」とはそういうことであり、
そういう意味では「オリジナル」であることにこだわりたいところも持っている。
そういうわけで、今回、穴あきタイプのヘッドシェルであることが、私にはうれしいことなのだ。