Date: 1月 28th, 2014
Cate: ナロウレンジ
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ナロウレンジ考(その13)

ナロウレンジのスピーカーには、ふたつあるといってもいい。
いいナロウレンジのスピーカーと、そうではないナロウレンジのスピーカーであって、
いいナロウレンジのスピーカーでは、たとえば広帯域の録音、
つまり,そのナロウレンジのスピーカーがつくられた年代よりもずっとあとに登場した録音を鳴らしても、
そのナロウレンジのスピーカーなりの音(トーン)で、新しい録音を聴かせてくれる。

だから、広帯域の録音がナロウレンジで再生されたとしても、
それが現代の録音であることを聴き手にわからせてくれる。

ところがそうでないナロウレンジのスピーカーだと、そういった録音を鳴らした場合、
帯域の狭さをまず感じてしまう。
しかもナロウレンジのスピーカーの高域はあばれが耳につくものがあり、そういったことが露呈する。

ナロウレンジのスピーカーは低域に関してもそれほど延びていないから、
新しい録音では、特に最低域まで高レベルのものを鳴らしたすると、
現代のワイドレンジのスピーカーを聴きなれた耳には、ものたりなさが妙な感じであらわれたりする。

ようするにいいナロウレンジのスピーカーは、同時代の録音をもっともよく鳴らしてくれるわけだが、
それだけでなく新しい録音であっても、それなりに新しい録音であることを伝えてくれるし、
ナロウレンジという枠の中ではあっても、充分に楽しませてくれる。

そうでないナロウレンジのスピーカーでは、奇妙な音になってしまうことがある。

いいナロウレンジのスピーカーの代表といえば、
アルテックの劇場用のスピーカーシステム、つまりA5、A7がまずある。

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