趣味のオーディオとしてのカタチ(その4)
アルテックの604の開発にはランシングも携わっていることを知っていれば、
ランシングが自殺しなければ、JBLという会社の経営がうまくいっていれば、
JBLからも同軸型ユニットが登場したかもしれない、と夢想してしまう人は私の他にもきっといるはず。
どんな同軸型ユニットになったであろうか。
ベースとなるウーファーはD130であり、中高域は175DLHであってほしい、とおもう。
いま目の前にHarknessがあって、そのバッフル板にはD130と175DLHがついている。
だからこそ、そんな同軸型ユニットの姿を想像してしまう。
604とD130とどちらも15インチだが、コーンの頂角が大きく違う。
だからD130+175DLHから構成される同軸型ユニットの姿は、604とはずいぶん違うものになる。
D130+175DLHの場合、どれだけホーンレンズを張り出させるかによって、
ユニットの印象は変ってくる。
あまり前に張り出させずに、
D130のセンターのアルミキャップがそのまま175DLHのホーンレンズに置き換えられたのであれば、
なかなかスマートな外観で、同軸型ユニットとはすぐにはわからない人も出てくるかもしれない。
音も見た目も、604とは異る同軸型ユニットに仕上っていたはずだし、
私が思い描いているとおりの同軸型ユニットままで登場していたら、
604よりも、デザインに関しては高く評価することになった、とおもう。
それにくらべるとマルチセルラホーンの604シリーズは、いわば武骨なところがある。
洗練された、とは言い難い。
なのに、604を正面からみると、いいカタチしてるな、とおもうのは、私が男だからなのか……、
そうも思ってしまう。