新製品(その2)
ステレオサウンド 56号の「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」の扉をめくると、
そこにはトーレンスのリファレンスがあらわれる。
トーレンス
リファレンス
¥3,580,000
これらの文字が続いて目に入り、
超マニア用「トーレンス・リファレンス」はたいへんな製品だ。すごい可能性、すごい音質、そしてその偉容
という見出しがあり、そこには瀬川冬樹の文字もあった。
このリファレンスの記事は8ページあった。
このリファレンスの記事だけでも、それまでの新製品紹介のページと、
56号からの「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」が大きく違っていて、
「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」が「あたらしいページ」であることを実感できた。
リファレンスについての瀬川先生の文章もいい。
リファレンスという、
当時のアナログプレーヤーの多くとは決定的に異る偉容をもつプレーヤーにふさわしい。
55号までのスタイルでの新製品紹介であっても、
リファレンスのすごさは伝わってきたであろうが、
ここは瀬川先生以外誰がいたであろうか。
そして56号から新製品紹介のページを大きく変えたのは、
リファレンスが登場してきたからではないのか──、そんなことさえ思ってしまう。