針と溝 stylus&groove
本の雑誌社から齋藤圭吾氏の「針と溝 stylus&groove」が出ている。
写真集だ。
「カートリッジとアナログディスク」ではなく「針と溝」の書名があらわしているように、
カートリッジの針とアナログディスクの溝をマクロ撮影した写真がおさめられている。
本の雑誌社から齋藤圭吾氏の「針と溝 stylus&groove」が出ている。
写真集だ。
「カートリッジとアナログディスク」ではなく「針と溝」の書名があらわしているように、
カートリッジの針とアナログディスクの溝をマクロ撮影した写真がおさめられている。
BYBEEに使われている無誘導巻線抵抗は、日本では入手しづらい。
けれどDALEのモノなら、簡単に入手できる。
どのメーカーの無誘導巻線抵抗かによっても結果は違ってくるだろうが、
まずは試してみることであり、それには手に入るモノでやってみる。
ということで昨年暮、秋葉原の海神無線で、
0.22Ω(2W)のDALEの無誘導巻線抵抗を買ってきた。
ほんとうは0.1Ωにしたかったが、3Wの0.1Ωは品切れだった。
それからACプラグのオスとメスも買ってきた。
電源ラインにDALEの無誘導巻線抵抗を直列に挿入するための購入である。
0.22Ωの抵抗はさほど大きくないので、ACプラグ内に収まった。
何も知らない人が見たら、ACプラグのオスとメスを数cmのケーブルで結んだだけの、
何ら変哲のない、何をやっているのかもわからないアクセサリーてある。
これを1月のaudio wednesdayで試した。
3Wという容量を考慮して、CDプレーヤーに使ってみた。
会の途中から挿入し、最後まで挿入したままで聴いていた。
1月に使ったモノは、常連のHさんに貸した。
3月のaudio wednesdayでは、0.1Ω(5W)を使い、同じアクセサリーを作った。
今回はマッキントッシュのプリメインアンプに使うつもりでの製作である。
製作といっても、ハンダ付けは四箇所。
すぐに作れるし、ポケットにいれて持っていける。
いままでだったら、こんなモノを作ろうとは考えなかった。
DALEの5Wの抵抗はそこそこ大きな抵抗とはいえ、
内部に使われている線材の径は細い。
電源ケーブルの芯線と比較すると頼りないくらい、である。
しかもACプラグが余分にふたつ、さらに短いとはいえケーブルもそこに加わる。
これだけでも音が良くなりそうには思えない。
むしろ悪くなりそうである。
それでも無誘導巻線抵抗に、なんらかのノイズを取り除く効果がもしあるのならば、
悪くなるだけでなく、良くなるところもあるはずだし、
やってみないことには始まらない。
4月のaudio wednesdayのテーマは「ネットワークの試み」と、
先週書いたばかりだが、前半はネットワークの実験を行なって、
後半は3月21日に発売になる
『EIICHI OHTAKI Song Book Ⅲ 大瀧詠一作品集Vol.3 「夢で逢えたら」(1976~2018)』を、
じっくり聴いていこう、と考えている。
「夢で逢えたら」一曲だけを、86テイク収めた二枚組のCD。
聴いていないカバーのほうが、多い。
すべてを聴いている人は少ないように思う。
これは聴いたことがある、
これ初めて、
意外にいいね、
そんなことを話ながら聴いていくのも、春だからいいように思う。
4月のaudio wednesdayは、4日。
場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。
19時開始です。
(その3)に書いているように、
ルボックスのプリメインアンプB750MK2の3バンドのトーンコントロールの真ん中の帯域は、
MIDではなく、PRESENCEとなっている。
3kHzより上の帯域をいじると、確かに空気感が変っていく。
ルボックスがMIDとはせずに、PRESENCEとするのもうなずける。
マーグオーディオ(maag AUDIO)というプロ用のイコライザーがある。
マーグオーディオのイコライザーにはAIR BANDとAIR GAINと呼ばれるふたつのツマミがある。
AIR BANDは周波数の切り替えで、2.5kHz、5kHz、10kHz、20kHz、40kHzから選択できる。
AIR GAINは文字通りブースト量の調整で、減衰はできない。
AIR BAND+AIR GAIN、確かに空気感である。
アルテックの806と802はカタログに発表されている数値で比較すると、
磁束密度は13000ガウス(806)と15200ガウス(802)で、
出力音圧レベルは108dB(806)と110dB(802)、
重量は2.6kg(806)と3.18kg(802)で、
806よりも802は磁気回路が強力といえる。
806と802の関係は、JBLにおるけるLE175とLE85のようなものだ。
LE175の磁束密度は16000ガウス、LE85は19000ガウスで、
重量もLE85が1kg以上重い。
岩崎先生は、LE175とLE85の違いは、高域になるほど強くなる最強エネルギーの違いであり、
それは圧倒的な違いでもある、といわれている。
私はアルテックの806と802を比較試聴したことはない。
806と802にも、LE175とLE85の音の違いが、そのまま当てはまるのかどうかはなんともいえないが、
そう当らずとも遠からずだとは思う。
高域になるほど、806と802のエネルギーには違いが出てくるであろうし、
802よりも高域においてのエネルギーが弱いであろう806だから、
075とうまくつながったのかもしれない。
もしドライバーが802であったなら、クロスオーバーポイントを変えたり、
802の上をカットしたり、という工夫が必要になった可能性は、十分考えられる。
結果オーライである。
まだ高校生だったころ、アルテックの2ウェイにトゥイーターを追加するならば……、
とあれこれ考えたことがある。
そのころはJBLはすぐに除外した。
合いそうにないと思ったからだ。
アルテックから3000Hという、
マイクロフォンの構造をそのままトゥイーターに流用したといえるホーン型トゥイーターがあったが、
これがうまくアルテックのドライバーとつながってくれるとは思えなかった。
他にトゥイーターといえば、パイオニアのリボン型(PT-R7)、
テクニクスのリーフ型(10TH1000)が、その優秀性を誇っていたし、
気になる存在ではあったが、アルテックの2ウェイにうまくつながるとは思えなかった。
リボン型では、アメリカのピラミッドのT1が良さそうだった。
とはいえペアで40万円ほどする非常に高価なトゥイーターだけに、憧れだけの存在でもあった。
いったい現実的な価格で、アルテックの2ウェイにあうトゥイーターはあったのか。
エレクトロボイスのT350かな、とそのころは考えていた。
ステレオサウンドで働くようになって、井上先生に何かの機会にきいたことがある。
井上先生は、アルテックにエレボイのトゥイーターは合わない、といわれた。
ちょっと意外だったが、よくよく考えてみると、そういうものかもしれないと思うところもある。
実際のところ、試したことはない。
井上先生のいわれるように本当に合わないのか、
それともなんとか工夫すれば、うまくいく可能性があったのか。
おそらく合わないのだろう。
結局JBLになってしまうのか。
今回075でうまくいった。
でも、それはドライバーが802ではなく806だったからかも、と思うところもある。
(その1)で紹介しているサイトは、
その後もシルバーパネルのLNP2についての情報が書き足されている。
シルバーパネルのLNP2は、これ一台だけなのだろうか。
だとしたら、これはやはり、マーク・レヴィンソンが、
瀬川先生のためにつくった一台なのかもしれない、というおもいが、強くなっている。
LNP2は、INPUT AMPのゲインを切り替えられる。
上記のリンク先には、こう記述されている。
*
webを見ていて面白いことに気づいた
silver LNP のシリアルNo.は1929
この1番前のNo.1928がハイファイ堂で売られていたのだ
dB GAINを見ると0-10-20
1929のdB GAINは0-10-20-30-40
ということは
No.1001~1010 dB GAIN 0-10-20-30-40
No.1011~1928 dB GAIN 0-10-20
No.1929~○○○○ dB GAIN 0-10-20-30-40
No.○○○○~2667 dB GAIN 0-5-10-15-20
ということになる
○○○○が知りたいな
*
このところを読んで、シルバーパネルのLNP2は、やはり瀬川先生のための一台だったんだ──、
少なくとも私のなかでは、そう信じられるようになった。
dB GAINに、30と40が加わっているからだ。
たったそれだけの理由? と思われるだろうし、
そんなことが理由になるの? とも思われるだろう。
私の勝手な思い込みなのは書いている本人がいちばん実感している。
まるで見当はずれのことを書いている可能性もある。
それでもいい。
シルバーパネルのLNP2は瀬川先生のための一台だった──、
そう信じ込んでいた方がいい、とおもう。
こういうアヤシイ感じのするアクセサリーは、けっこう気になる。
とはいえ気軽に買って試してみよう、という価格ではなかった。
BYBEEが気になっている人はけっこういたようで、
しばらくしたら、ある掲示板にBYBEEのX線写真が公開された。
そこには無誘導巻線がなされた何かが写っていた。
どうみても無誘導巻線である。
けれど、それ以上のことはわからなかった。
それから数年が経ち、昨年秋、
そういえばと思い出して、BYBEEで検索してみた。
今回はBYBEEをバラしている写真が見つかった。
中に入っていたのは、無誘導巻線抵抗だった。
DALEのそれではなく、アメリカの別のメーカーの無誘導巻線抵抗を、
何かで幾重にも包んであるつくりである。
量子ノイズが、いったいどういうものなのかも、
私にはよくわからないし、量子ノイズについて、
BYBEEを通すことでどれだけ取り除けるのかという実測データも、
いまのところ公開されていないようである。
BYBEEの中身が無誘導巻線抵抗だからといって、それだけがBYBEEの正体というわけでないだろう。
なんらかのノウハウがあるのだろう、と思いつつ、
BYBEEの中核となるのは無誘導巻線抵抗だ、という捉え方もできないわけではない。
そう思ってしまうのは、セメント抵抗からDALEの抵抗にかえた時の音の違いを知っているからである。
たしかになんらかのノイズが取り除かれている印象のする音の変化である。
なんらかのノイズが、BYBEEがいうところの量子ノイズなのかどうかはわからないが、
なんらかのノイズが減ることによって、
それはあたかも東京の水道水からカルキ臭が取り除かれたのと同じように、
微妙なニュアンスをしっかりと再現してくれる──、
そんな仮説(のようなもの)を考えるようになった。
エミッター抵抗をセメント抵抗からDALEの無誘導巻線抵抗にかえた音は、
料理における水の違いにも似ている。
いまでこそ東京の水道水はまともになっているが、
以前はかなりカルキ臭い水だった。
昔の東京の水道水のようなカルキ臭い水を料理に使うと、
水をそのまま飲んだ時よりも、水の味の違いははっきりと出ることがある。
同じ素材を使っても、同じに作っても、
水が不味ければ(カルキ臭い水であれば)、
どんなに丁寧につくったとしても、味の微妙さは、水の不味さによってマスキングされてしまう。
セメント抵抗は、私にとって、まさにカルキ臭い、昔の東京の水道水そのものである。
微妙なニュアンスが、すべて(といって少し大袈裟であるのはわかっているが)損われる。
そう聴こえる。
繊細な味わいはなくなってしまう。
DALEの無誘導巻線抵抗だと、そうは感じない。
だからといって、DALEの無誘導巻線抵抗が理想の抵抗とまでは思っていない。
もっと優れた抵抗が世の中にはあるかもしれないし、将来登場してくるかもしれないが、
少なくとも入手に特別な苦労を必要とせずに、良質な抵抗となると、
いまのところDALEの無誘導巻線抵抗は、私にこれにまさるものは、いまのところない。
そのDALEの無誘導巻線抵抗について、最近ひとつの仮説のようなことを考えている。
十年にならないとはずだが、八年くらい前にBYBEEというアクセサリーが、
アメリカに話題になっていた。
芋虫上の黒い物体を、信号ライン、電源ラインに直列に挿入することで、
量子ノイズを取り除いてくれる、というシロモノだった。
二ヵ月ちょっと鳴らしていたGFA535と、
鳴らしていなかったGFA535(改)とでは、
いくらエミッター抵抗をDALEに交換したとはいえ、
接続をかえた直後の音は、冴えない。
いわゆるスカスカの音である。
それも当然である。
長期間、まったく鳴らされていなかった(電源を入れられてなかった)のだから。
それでも、私の耳には、いくつかの変化が感じられた。
まず太い音が出てくるようになった、
それから、いじっていないGFA535では気づかなかった細部の音が聴きとれる。
このふたつの変化で、今回の抵抗の交換はうまくいったと感じていた。
それは、私が何度か交換の経験があって、その変化を聴いているからであって、
その経験がない人からすれば、二台のGFA535を聴いて、
どちらがいいかとなると、それまで鳴らしていた、いじっていない方となろう。
私だって、エミッター抵抗の交換の経験がなければ、
それにまったく何も知らされずに、二台のGFA535を聴かされて、
どちらを選ぶかときかれれば、いじっていない方を選ぶであろう。
そのくらいGFA535(改)の最初の音はスカスカだった。
けれど電源を入れて30分ほど鳴らしていたら、あきらかに音が変った瞬間があった。
もうこれで大丈夫だ、と判断できた。
いま鳴っている音は、それほどではなくとも、
このまま鳴らしていれば、早ければ24時間後、
遅くとも数日後には、いじっていないGFA535の音よりも、はっきりと良くなるという確信があった。
事実、翌日の夜、昨日の音よりもとてもよくなった、という連絡があった。
歌や楽器の細かいニュアンスがはっきりと聴きとれる、ということだった。
昭和30年代生れの私には、手塚治虫とともに、石森章太郎の存在もまた大きい。
石ノ森と書くべきなのはわかっているが、
仮面ライダー、キカイダー、サイボーグ009などを読んだ時は、まだ石森だった。
だから、ここでは石森章太郎としておく。
キカイダーの造形は、当時小学生だった私には、衝撃だった。
左右非対称、しかも内部が透けて見える正義のヒーローは、
異形のヒーローを描く石森章太郎の作品の中でも、ひときわ印象に残っている。
そんな小学生だった私は、キカイダーの似顔絵を何度も描いていた。
キカイダーは人造人間という設定で、
ピノキオの話から、キカイダーの物語は始まる。
キカイダーには良心回路(未完成で不完全)が組み込まれている。
物語の最後で、良心回路は完成するのかと思っていたら、
敵によって服従回路を埋めこまれてしまう。
良心回路と服従回路のふたつをもつことで、
人間と同じく善悪の心をもつことになる。
原作のマンガを読んでいた当時は、あまり深く考えなかったが、
良心回路の対極にあるのは悪心回路ではなく、服従回路である。
なぜ石森章太郎は悪心回路にしなかったのか。
その理由は、どこかで語られているのだろうか。
服従回路は、(その1)で書いているグルジェフの言葉を知った後では、
意味深長とでもいおうか、いまごろになって考えさせられる。
別項「続・再生音とは……(続その12に対して……)」で、
AIとは、artificial intelligenceだけではなく、
auto intelligenceなのかもしれない、と書いたのも、服従回路のことを思い出していたからだ。
3月7日のaudio wednesdayのことを、
喫茶茶会記の福地さんが書かれている。
3月7日のaudio wednesdayでも、終り近くに松田聖子の「ボン・ボヤージュ」を、
常連のKさんがかけた。
audio wednesdayで、これまで何度聴いたか。
少なくとも、私にとっては、これまでの中で、いちばんうまく鳴ってくれた、と感じた。
松田聖子が口先だけで歌っている印象ではなく、
歌っている松田聖子の表情が伝わってくるような感じでもあったし、
なによりも松田聖子の肉体が感じられるようになった。
それだけに松田聖子の歌の上手さが伝わってきた、とも感じていた。
でもKさんは、この鳴り方は、あまり評価しないだろうな、と思いつつも、
「どうでした?」ときいてみた。
反応は、予想した通りだった。
別項「EMT 930stのこと(ガラード301との比較)」の(その8)、(その9)で書いているが、
Kさんと私の聴き方は違う。
これまでに何度も「ボン・ボヤージュ」を聴いては、その反応をきいているわけだから、
今回の音に関しても、そうだった。
これでいい、と思う。
私もいまより20以上若かったら、
こんなふうに聴きましょうよ、と力説したことだろう。
でも、いまはそんなことをしようとは思わない。
聴き方が違うのだから、オーディオの楽しみ方も違う──、
そう思うし、はたまた逆なのか、
オーディオの楽しみ方が違うから、聴き方も違うのか。
どちらが先ということはないのかもしれない。
それでも同じ場所、同じ時間にいて、毎月第一水曜日に楽しんでいるということは、
それだけの深さと広さが、オーディオの楽しみ方にあるといえる。
アルテックやJBLでなくとも、故障しないように使う(鳴らせば)、
いいじゃないのか、ということになろうが、
ジャズ喫茶においてのスピーカーの使われ方は、
一般家庭におけるそれとは、鳴らす時間だけでも、大きく違ってくる。
開店時間から閉店時間まで鳴らされる。
閉店時間後も鳴らされていることだってあろう。
開店時間前もそうであろう。
営業時間は店によって違うが、平均して八時間は鳴らされている、であろう。
それが店によっては毎日鳴らされるわけだ。
故障しないように鳴らしていても、それだけの長時間の使用においては、
スピーカーがヘタってくる。
それに音量の違いも加わってくる。
ヘタってきたら、新しいスピーカーに買い換える、という方針のジャズ喫茶ならば、
スピーカーの選択肢は広がるが、
心底気に入ったスピーカーをずっと鳴らしていきたい、という方針のジャズ喫茶もある。
私がタフなスピーカーというのは、そういう意味も含まれている。
故障しにくいだけでなく、ヘタりにくいスピーカーであること。
それからコンディションを、あるレベル以上で維持できるスピーカーであること。
ジャズ喫茶のスピーカーに求められる条件は、音だけではない。
ジャズ喫茶で、アルテック、JBLが選ばれてきたのは、
そういうことも含めてのことだったと、考えることもできる。
どれだけ音がよくても、信頼性に乏しいスピーカーを、
私はジャズ喫茶のスピーカーとしては選ばない。
その日その日、もっといえば数時間単位でコンディションが変化していくような道具は、
金を稼ぐ道具(商売道具)としては適さない。
岩崎先生に
《スピーカーは15インチ=38センチでなければだめだという認識》を強く植えつけるほどに、
アルテックの音は強烈だったわけだ。
ジャズ喫茶の歴史に詳しいわけではないが、
私がオーディオに興味を持ち始めたころのジャズ喫茶は、
スピーカーといえばJBLかアルテックだった。
スタックスのコンデンサー型スピーカーで聴かせるジャズ喫茶もあったのは知っているが、
アルテックとJBLで、八割以上は占めていたのではないだろうか。
なぜアルテックとJBLなのか。
音だけが理由ではない、と思う。
自分でジャズ喫茶を始めようと考えてみたときに、
スピーカーは何を選ぶか、どういう基準で選ぶか。
音は第一にこよう。
次に来るのは、というと音と同じくらいに大きなウェイトを持ってくるのは、
タフなスピーカーであるということだ。
ジャズ喫茶にとって、スピーカーは商売道具である。
オーディオは音楽を聴くための道具であるけれど、
ジャズ喫茶にとっては、そういう意味での道具であるとともに、商売道具である。
音も大事であるし、タフであること、
つまり故障しにくいことも、大事なことである。
さらに故障しても、すぐに復旧できることも重要である。
先日のaudio wednesdayで、会の途中でドライバーのダイアフラムを交換した。
こういうことが、ジャズ喫茶のスピーカーでは起り得るし、
そういうときにすぐに対処できるという点は、大きなメリットである。
スタックスのコンデンサー型スピーカーで、ダイアフラムがダメになったとして、
同じように店内での交換がすぐさま可能だろうか。
スタックスでなくともいい。
ドーム型のトゥイーター、スコーカーを採用したスピーカーで、
ユニットをトバしてしまったとき、ユニットを交換することになる。
それはそれでいいのだが、そのユニットが単売されていたら、それは可能であっても、
補修パーツとして取り寄せるか、メーカーのサービスステーションに持っていくことになる。
アルテックやJBLはユニットそのものが単売されていて、
交換ダイアフラムも入手が容易であった。